<徴用工問題>韓国に30日の期限を切った日本 テーブルに着かせるための反撃を

日本が「徴用工問題」の協議開催要請への返答を、30日に切りました。

「韓国に30日以内の返答要請 徴用工訴訟協議で日本政府」2019年1月13日
日本政府が韓国政府に、1965年の日韓請求権協定に基づく協議開催要請への返答を30日以内に出すよう求めていると報じた。協定に今回のような外交上の協議要請への回答期限についての規定はなく、韓国政府は慎重に検討を進める方針。
聯合は、期限の設定が「一方的だ」として、韓国外務省内で反発も出ていると伝えた。
http://news.livedoor.com/article/detail/15868516/

なんだかんだと引き伸ばしにしてきましたが、10日に行われた文大統領の年頭会見で、ついに解決する気なしと見限った格好です。韓国側は「一方的だ」と反発しているようですが、大統領自身が「一方的に」不満があっても諦めろと言ってのけたことを忘れてもらっては困ります。いつもどうしてここまで、自分のことを棚に上げるんでしょうね。
 
■韓国政府は待ってても対応しない

「文氏「日本はもう少し謙虚に」「判決尊重せよ」」
昨年10月の韓国大法院(最高裁)判決について、「韓国政府は三権分立により判決を尊重しなければならない」と強調した。その上で「日本は不満があっても、基本的にはどうしようもないという認識を持たなければいけない」と述べ、日本側も判決を尊重すべきだとの認識を示した。
文氏は、徴用工問題は「韓国政府が作り出したものではなく、過去の不幸な歴史によって生まれた問題だ。日本政府はもう少し謙虚な姿勢を示さなければいけない」と指摘した。
https://www.yomiuri.co.jp/world/20190110-OYT1T50063.html

いやー、遂に本音が出たって感じですね。
これって「日本は韓国側の判決に不満があっても、どうしようもないから諦めろ」って言ってるのですよ。凄いですね。なんで国際条約無視して他国の法律に、日本が従うのを当然とするのでしょうか。
それに文大統領は、「三権分立」の意味を理解していません。「三権分立」とは、政府、議会、司法が「それぞれ不可侵である」という意味ではありません。それぞれの権力が「権力の濫用をしないよう、相互に監視し抑制すること」を指します。司法が暴走したら、議会や政府がそれを止めないといけないのです。弁護士の癖に文大統領は、何を言っているのでしょうか。
日本としては、協議する気が無いなら、その気になるよう対抗策を取るのは当然のことです。問題はそれをどうやって実現するかですね。当ブログとしては、最高裁判決の後、強制執行が行われる前に、警告を与えるべきと主張してきました。

「<募集工問題>韓国政府の残念な「立場文」全文 次の三菱重工判決での対応が重要に」
■日本企業への強制執行は、「日韓投資協定」に基づき訴えよ
韓国政府の対応を待っている間に、最高裁強制執行を掛けない様にしておかないと、また後手後手の対応になってしまいます。
http://d.hatena.ne.jp/tenten99/20181107/1541602770

しかし実際には、裁判の執行命令が出され、新日鉄住金の株式8万1075株が差し押さえられることになり、譲渡や売買ができなくなりました。私は日本政府のこの対応は「遅い」と考えます。
今回の文大統領の発言を見てもわかるとおり、韓国側に交渉のテーブルに着く気はさらさらありません。日本はまず、『韓国が何かやる前に』「やばい! 日本は本気だ! 交渉しないと損をする!」と韓国に思わせる反撃が必要なのです。
 
■反撃は中国式を見習うべし
とはいえ、いきなり過激な制裁を宣言したり、行ったりすることには反対です。

「徴用工問題で日本政府が対抗措置の検討を加速 ビザや輸出の制限など」2019年1月11日
自民党が11日に開いた外交部会・外交調査会合同会議で挙がったように、対抗措置として、長嶺安政駐韓大使の召還のほか、韓国人への短期滞在査証(ビザ)免除措置の撤廃や就労ビザの発給制限、韓国への特定物資の輸出制限などの検討が進められている。
http://news.livedoor.com/article/detail/15861407/

自民党の外交部会に出た案を見てみましょう。

  • 「大使の召還」は余り意味がありません。過去の同様の事例を見ても、結局なんやかや理由をつけて、また大使を戻すことになるからです。そもそも韓国にとって、別に損になりません。反撃するなら、「この方策は韓国にとって損になるか?」という視点が欠かせないのです。
  • 「短期滞在査証免除措置の撤廃」(ビザ復活)は、日本の観光事業にダイレクトに影響する案件です。簡単に執行できません。「韓国の損になるか」という視点でも、まず金銭的に日本のダメージがあるのですから、余り良い手ではありません。

たとえやるにしても、いきなり「ビザ復活」ではない方法があります。たとえば入国期間の縮小です。現在ビザ免除の「短期滞在」は、「90日以内」の入国期間となっています。3ヶ月っていうのは、旅行にしては随分長いですよね。ブルネイが15日ですから、韓国もブルネイと同レベルに縮小するというのはどうでしょうか。普通の観光客には影響が少ないでしょうが、ビジネス目的にも関わらず、ビザを取っていない韓国人にかなりの影響が出ると思います。

いずれにしても、反撃は大先輩である中国を参考にするべきですね。中国はTHAAD問題で、韓国に経済制裁を行いましたが、一度も「制裁を行う」と宣言していません。でもちゃんと効果のある制裁を成功させています。日本は、こういうガチンコの斬りあいの経験が少ないですから、経験者に学びましょう。
 
■まだある日本の反撃方法
中国が行ったTHAAD制裁で、観光客の渡航制限が韓国にかなりのインパクトを与えたのはご存知の通りです。日本の場合はあそこまで強引にできませんが、似た対策は効果を出せるでしょう。それが「渡航危険レベルのランク上げ」です。
別に制裁だと宣言する必要はありません。現在、韓国は史上稀に見る大気汚染で大変なことになっており、なんと公共機関の車両の運行が禁止されたりしています。

【写真】PM2.5で非常事態…公共機関の車両が運行禁止に=韓国・ソウル(2019年01月14日)
首都圏に今年初めての粒子状物質(PM2.5)非常低減措置が発令された13日、釜山市海雲台プサンシ・ヘウンデ)と広安里(クァンアルリ)一帯がかすんで見えている。
首都圏は行政・公共機関車両のうち、ナンバーが偶数の車両のみ運行され、ソウルは公共機関車両全体の運行が禁じられる。
https://japanese.joins.com/article/081/249081.html

韓国では何かしら問題が起きてますので、それを理由に渡航危険レベルのランク上げは可能だと思います。
 
日本のように正面から戦うだけが外交戦ではありません。韓国の動向を見てください。

「韓国「1965年請求権協定の補完」 日本に逆提案を検討」
ボールを渡された韓国政府が実際に慰安婦、サハリン同胞帰国支援、韓国に居住する原爆被害者に対する賠償問題などを含むパッケージ協議を日本に要請する場合、これは「65年請求権協定体制の補完」という新しい話題を投げかけることになる。
https://japanese.joins.com/article/070/249070.html

対抗主張を混ぜて、議論を拡散させる韓国の方法は、火器管制レーダー照射事件でも散々見られました。また同じ手を使って、本筋を見えなくしようとしています。日本は、「表の反撃」と「裏の反撃」を同時に展開して、韓国の手に乗らないよう上手く主導して行って欲しいですね。

<火器管制レーダー照射>「北朝鮮船はSOSを出してないよ」海保よ、それを早く言え

1月10日に、韓国の文大統領の年初会見が予定されています。北朝鮮情勢と共に、この火器管制レーダー照射事件や、いわゆる「徴用工問題」について、言及はあるのでしょうか?
そんな中、また新たな情報が出てきました。
 
■「SOSは発信されていない」という新事実

自民党の会合での「国連安全保障理事会に諮るべき」の意見に、韓国国防省は困惑」2019年1月8日
人道的に北朝鮮漁船を救助していたと言う事ですが、仮にそれが真実だったなら、日本の海上保安庁がSOSをキャッチしていないのに、どのような方法で遭難に気がつき現場に急行したなどのストーリーも動画に入れ込むべきです。
http://www.globalnewsasia.com/article.php?id=5431&&country=1&&p=2

「火器管制レーダー照射事案に関する韓国国防部の映像公開について」
海上保安庁は、北朝鮮の漁船から救助の信号を受けていない。都合が悪い現場を押さえられて、レーダーを照射して海自機を追い払おうとしたのであれば、辻褄が合う。証拠となるレーダー波の情報を出せと韓国は言っているが、この際、韓国が嘘をついているという決定的な証拠を出せばよい」との意見も出されました。
https://blogos.com/article/349637/

レーダー照射関連のニュースをかなり見ていたつもりなんですが、海上保安庁からの情報は初めて見ました。みなさん知ってました? 私の調べた方が足りなかったんですかね?
なんと海保がですよ。「漁船から救助の信号を受けていない」と言ってるのです。なんてことないような話なんですが、この情報のせいで重大な疑惑が生じてしまうのです。
だって、国際周波数でSOSが発信されていないとすると、韓国側の警察艦と駆逐艦は、どうやって出動できたのでしょうか? そして北朝鮮船は、なぜ普通に救難信号を出さなかったのでしょうか?
日本政府は、韓国側がどうやって北朝鮮船の救難信号を受けたのか、説明を求めるべきだと思います。
 
■「韓国側の警察艦や駆逐艦は何をしていたのか」という疑問に集約
北朝鮮船と韓国側の駆逐艦などが、日本の排他的経済水域EEZ)にいた理由を、一部の人が「瀬取り」のためと理由付けしているようですが、私はその主張に賛成しません。「瀬取り」なら駆逐艦がわざわざ出てくる必要は無いからです。私は北朝鮮船に、「故障か燃料切れといった非常事態が起きて、韓国側に協力要請があったのではないか」という主張を支持します。

「レーダー照射:国際法違反を知られたくなかった韓国」2019.1.8
海域は、韓国の近海ではなく、日本の経済水域に深く入り込んだ海域だ。その海域で、偶然にしても、これら3つの船が1か所に集まることは、全く考えられないのだ。韓国は救助活動だと発表しているのに、戦闘艦艇である駆逐艦までもが、そこにいたことは不自然極まりない。
この3つが集まっている理由を考察すると、上記の漁船が、燃料不足になり漂流、その船から北朝鮮の本国に救助依頼を行った。その連絡を受けた北朝鮮の機関が金正恩政権に報告し、北朝鮮と韓国のパイプを使って、韓国の文政権に連絡、そこから国防省や海洋警察に連絡、それにより、2隻の艦艇が出動したものと考えられる。
北朝鮮漁船、北朝鮮工作機関、北朝鮮政府、韓国政府、韓国国防省韓国海軍、韓国海洋警察の連携がないと、3隻が海上の同一ポイントに集合することはできない。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/55139

軍事アナリストの 西村氏のこの指摘が一番わかりやすいです。今になって日本の海上保安庁の情報が積極的に出てきたように、基本的に警察と軍は別組織です。同時に動くには、トップダウンの命令が必要なのです。まぁ日本は、もうちょっと海保と海自が連携すべきと思いますが。
とにかく韓国警察艦と韓国駆逐艦が、同時に出動していたわけです。それも普通の救難信号が出ていないのにです。国家的サポートを北朝鮮船に行っていた証拠じゃないですか。
 
■制裁決議違反を隠すためにレーダー照射か

映像から判断すると北朝鮮の漁船は沈没しそうな状況ではなく、エンジン故障か、燃料不足で浮遊していたように見える。おそらく、燃料切れになっていた北朝鮮の漁船に、燃料を提供していた可能性がある。
このことを海自哨戒機に接近して見られたくなかったために、射撃レーダーを照射して、嫌がらせを行い、海自哨戒機を追い払ったのではないだろうか。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/55139?page=3

以前スクープされた「瀬取り」も経済制裁違反なのですが、民間企業がやらかしたことでした。しかし、今回の場合は違います。なにしろ警察艦と駆逐艦が出張ってることは明らかなんですから。北朝鮮と韓国との密約から、日本海での漁船のサポートを行っていたとしたら、これは大スキャンダルです。
そもそも日本の排他的経済水域で違法操業していた北朝鮮船に、制裁違反のサポートをして、それを隠すため海自の哨戒機にレーダー照射した、という事件になるのですから。どこを取ってもアウト。スリーアウトです。
反日船員がレーダー照射やらかしちゃった。てへ」なんてレベルの問題とは、全く次元が違ってくるということですね。
 
さあ韓国側に確認しなければならないことが増えてきました。
1 北朝鮮船の救難信号の記録を出して欲しい。
2 船員が亡くなったという情報があったが、船自体はどこにあるのか?
3 もしもう船は北朝鮮に帰ったとするなら、誰がいつ乗って帰ったのか?
 
とっとと謝っておけば、こんな騒ぎにならなかったでしょうに。韓国やっちまったな、って感じですね。一番マズイ瞬間に、一番マズイ選択をしてしまいました。まぁ、日本がここまでブチ切れると思ってなかったせいなんでしょうけど。
同時に日本にとっても、取り返しのつかない正念場になりそうな事件となって来ました。世界から、日本がどう対応するのか見られているのは間違いありません。日本は国連の常任理事国入りを狙っているようですが、国連の制裁決議違反をキチンと追及できない国の常任理事国入りなんて、夢のまた夢だと思いますね。
日本政府と外務省が、韓国のように間違った選択をしないよう願っています。

<火器管制レーダー照射>韓国反論動画に反論する

4日に韓国国防部から火器管制レーダー照射事件に関する「反論動画」が公開されました。もう突っ込みどころ満載で、本当に「議論できない人」と話すのは面倒臭いなと感じる内容です。

「反論動画、閲覧200万回突破=計8カ国語公開へ:韓国」1月6日
韓国語版は158万回を上回り、英語版は約42万回に達した。
同省当局者は「日本語、中国語版なども作成中だ」と述べ、計8カ国語の動画を公開する計画を明らかにした。
一方、「反論動画のサムネイル(縮小見本表示)は合成画像」という指摘に関し、韓国国防省当局者は「編集されている」と認めた。 
https://news.biglobe.ne.jp/domestic/0106/jj_190106_2447617792.html

八ヶ国語版なんて作るんですね。あれで反論した気でいるのが凄いです。韓国側の動画には、出典表記が無いので、明らかに問題があるはずなのですが。
日本としては、一撃で相手を潰すことを回避した以上、長期戦になることは間違いありません。途中で腰砕けにならないことを祈ります。
 
■反論1:レーダー照射はあったのか
現在のところ、日韓双方の動画でこれと言う決定的な情報は出ていません。
韓国の動画では、設問4つのうち、3番目。「威圧的低空飛行」について1、2番目に言及しており、明らかに議論を主題から逸らそうとしています。その3番目の反論もこんな感じ。

「[全訳] 韓国国防部「反論映像」全テクスト」
3. 広開土大王艦は日本の哨戒機に向けて、射撃統制追跡レーダー(STIR)を照射しませんでした。
もし、広開土大王艦が日本の哨戒機に向けて追跡レーダーを作動させたならば、(画面の中央に)日本の哨戒機は即刻、回避行動をとっていなければなりませんでした。
しかし、広開土大王艦の方に再び接近する常識外の行動を見せました。日本はなぜそうしたのでしょうか?答える必要があります。
https://news.yahoo.co.jp/byline/seodaegyo/20190104-00110128/

全くどうでもいい質問ですね。「再接近は、韓国駆逐艦の真意を確認するため」でも何でも、理由なんぞいくらでもあります。
韓国側は「追跡レーダー(電磁波情報)の証拠資料があるなら、両国の実務者協議において提出すればいい」などと言っていますが、今の韓国の状況では、火器管制レーダー情報を出しても、解決しない可能性の方が高いでしょう。

「重要証拠開示してもエンドレス=韓国は電磁波情報要求−海自機レーダー照射」時事通信(2019年01月05日)
自衛隊からは韓国側が公表した動画の内容を踏まえ、「収集した電波情報を開示しても、韓国側が誠実に対応しない可能性がある」「自衛隊の能力に関わる機微な証拠を提示してもエンドレスで不毛に終わる」と、政治・外交レベルでの早期収拾を求める声も出ている。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019010500040&g=soc

海自側のこの分析が正しいでしょうね。出すにしても、今では無いと考えます。質問に答えないのも何なので、「韓国駆逐艦が無線に答えなかったため」とか言っておけばいいでしょう。
 
■「威嚇的低空飛行」はあったのか
韓国側が途中から言い始めたこの「威嚇的低空飛行」ですが、当ブログでも指摘した「海上衝突回避規範(CUES)」の第3条と第4条に「危険な運動の禁止」というのが定められています。これが「船舶の近辺でのアクロバットな飛行や、模擬攻撃行動の禁止」を定めており、威嚇的な低空飛行もこの中に含まれます。
要するに、韓国は「韓国が火器管制レーダー照射で国際合意違反をしたと言うなら、お前も威嚇的低空飛行で国際合意違反をしたじゃないか」と言い出しているわけです。

1. 日本の哨戒機はなぜ、人道主義的な救助作戦の現場で低空威脅飛行をしたのですか?
日本の哨戒機は広開土大王艦の150メートル上空、距離500メートルまで接近しました。
艦艇の乗組員たちが、騒音と振動を強く感じる程に脅威的でした。相互間に偶発的な衝突が発生するかもしれないため、武装した軍用機が他国の軍艦に低空威脅飛行をしてはいけません。
日本の哨戒機がわが軍艦の上をなぜ低空で威脅飛行をしたのでしょうか?
(画面中央に)日本は答えなければなりません。
https://news.yahoo.co.jp/byline/seodaegyo/20190104-00110128/

答えろと言われてますが、韓国側が唯一新しく自分たちで出した映像が、自分の主張を否定しています。


画面の歪み方から見て、かなり小さいレンズで映された映像です。推測するに韓国警察艦からスマホで撮影された映像ではないでしょうか? もっとちゃんとした映像解析もやった方がいいのでしょうが、個人でもある程度、哨戒機の高度を計測できます。
哨戒機の全長を測り、水平線までの哨戒機が縦に何個分あるか計算してみましょう。図の通り、ちょうど5個分ありました。映像の哨戒機の全長は38mですから、韓国側の映像では、約190mの高度を飛行していることがわかります。
もちろん、哨戒機の映像が真横に来ていないと本当の距離は出せませんし、この計測方法は近過ぎると誤差が大きくなって上手くいきません。極端な話、真上を飛ぶ画像だと水平線が無いので、どうしようもないわけです。逆に遠過ぎて豆粒のようになってしまうと、1mmなのか0.9mmなのかで誤差が大きくなってしまい、やはり上手くいきません。今回の倍くらいの大きさの映像から、あと数ミリ小さいぐらいまでが、有効な推定値を出せる限界ではないでしょうか。そういう意味で、哨戒機の高度は大きな誤差の無い、信用に足る数字が出せていると思います。
ですから反論は「韓国側の映像から、哨戒機の高度は問題ないことが証明された」と発表しましょう。
 
■軍用機の低空制限の違反はありえるか

2. 日本が国際法を遵守したと主張するのは果たして事実でしょうか?
国際民間航空機構(ICAO)国際民間航空協約付属書(Annex)2-4。高度150メートル以下の視界飛行を禁止する条項があります。
しかし、付属書の趣旨は国際法的に一般の民間航空機の運航と安全のための、一般飛行規則を定めるためのものです。さらに、国際民間航空機構(ICAO)の国際民間航空協約は、軍用機には適用しないと明確に規定しています。
(画面中央に)日本は国際法を恣意的に歪曲し解釈しています。
https://news.yahoo.co.jp/byline/seodaegyo/20190104-00110128/

これが死ぬほど馬鹿馬鹿しい主張なんですよね。日本の主張は、「民間航空協約に照らしてすら、問題ない」と言っているんです。韓国側は、何が問題か全く理解していないとしか思えません。
私が調べた限り、軍用機の最低制限高度を定めた国際条約や、それに類する規定は無いのです。日本にも韓国にも、軍用機の低空飛行制限の規定はありません。ヨーロッパを見てみると、ベルギーなどが「軍用機の最低制限高度は80mとする」としています。民間機より遥かに低い高度制限です。しかもこれ市街地での高度制限ですから、海上ではヨーロッパでも問題にならないでしょう。
ですからこれの反論は簡単ですね。「民間機の高度ですら問題無い高度を飛行しているのに、軍用機の飛行高度でどんな問題があるのか国際条約等で根拠を示せ」です。
 
■無線に応答しなかったのは何故か

4. 日本の哨戒機の通信内容は明確に聞こえませんでした。
日本側が試みた通信は、雑音がひどく、広開土大王艦では明確に聞こえませんでした。
(画面中央に)すでに救助作戦の上空から相当程度、離れた後でした。
https://news.yahoo.co.jp/byline/seodaegyo/20190104-00110128/

ここで何か妙な電子音の後に、海自の無線が流れます。防衛省が出した音声と比較して、ノイズが大きくBGMがあるせいで、よく聞き取れません。そもそも何の音声なんですかね? 防衛省側の音声を勝手に編集しているなら、捏造になるんですが。本格的に音声解析したら、修正されたものか韓国側で受信した無線なのか、わかると思います。
それはそれとして問題は、確かに聞こえにくいですが「Korean naval ship, Hull number 971]と言っていることは確認できることです。「コリアコースト」とは聞こえません。
ですから、「コリアコーストとは聞こえないが、発言を撤回するのか?」と確認することが必要でしょう。また、「救助の上空から離れていようと、返答しない理由にはならない」とはっきり指摘した方がいいと思います。今後の有事の際、韓国側の応答が無いとそれはそれで困るのですから。
 
以上のように、韓国国防部の動画は、全く反論になっていません。日本側はさらなる反論を用意しているようですが、まず必要なのは、長期戦を行う覚悟です。
なんとか、なあなあで収めようと言うのが一番まずいです。それは結局日本の国益になりません。長い目で見れば、韓国にとっても益にならないでしょう。
北朝鮮周りがまたきな臭くなって来てますし、こんなことやってる場合かという議論は当然出てくると思いますが、初心貫徹して欲しいですね。

<火器管制レーダー照射>著作権侵害して反論したつもりの韓国 おかしな事実は他にも

年をまたいで、まだまだ解決しない火器管制レーダー照射問題。
韓国側は未だ認めず、逆に日本に低空飛行で遭難救助活動を妨害したことについて、謝罪を要求したりしてきました。

「韓国「日本は歪曲止めるべき」レーダー照射で謝罪要求」
韓国国防省は2日、海上自衛隊の哨戒機が韓国海軍の駆逐艦から火器管制レーダーを照射された問題を巡り、哨戒機が「人道的な救助活動をしていた韓国艦艇に威嚇的な低空飛行をした」として日本側に謝罪を求める声明を発表した。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3960041002012019PE8000/

さらに、韓国国防省が反論の映像を公式YouTubeに公開すると公表し、その内容に注目が集まっていたのですが、映像に哨戒機は映っていないとのこと。「まさか自衛隊の映像を編集し直すつもりじゃかろうな。撮ってる側だから哨戒機は当然写らないし」と思ってたら、そのまさかだったようです。
 
防衛省は、権利者削除を行え

「レーダー照射問題で韓国国防省が映像を公開し反論 韓国国防省「映像は日本の映像を使用する」←???」
映像は韓国側が用意したものではなく、日本側が撮影し公開したものの原本映像を編集、加工すると発表。日本の防衛省が12月28日に映像を公開する前に送られてきた字幕の入っていない映像を韓国国防省が入手。それを反論の材料とし使用するようで、解説のCGや図、ハングルの字幕を入れて公開するようだ。
http://gogotsu.com/archives/46730

この情報以前には、山田宏防衛政務官が「威嚇的低空飛行した証拠を出せ」と韓国側に、求めていました。

「レーダー照射問題で韓国が謝罪を要求 防衛政務官が証拠の提示を求める」
山田宏防衛政務官は2日、韓国海軍の駆逐艦海上自衛隊のP1哨戒機に火器管制レーダーを照射した問題で韓国国防省が「威嚇的な低空飛行」をしたとして謝罪を求める声明を発表したことに対し、自身のツイッターで、「威嚇的」な低空飛行をしたとの「証拠」を韓国側が示すよう求めた。
http://news.livedoor.com/article/detail/15822641/

しかし当然のことながら、自衛隊側の映像を編集し直して、勝手にCGやら字幕を加工しても「威嚇的低空飛行の証拠」にはなりません。世界に広く韓国側の主張を示すため、Youtubeに公開するようですが、こんなもの議論の余地なく著作権侵害です。
是非、防衛省Youtubeに対して「権利者削除」を求め、都合の良い反論動画で、問題を矮小化する韓国政府に反撃してもらいたいですね。
 
■なぜ駆逐艦は、「軍艦旗」を掲揚していないのか
12月21日に、防衛省が公開した映像で、わかったことが他にもあります。

韓国海軍艦艇による火器管制レーダー照射事案について」
http://www.mod.go.jp/j/press/news/2018/12/21g.html

この最初の報道資料で扱われた韓国駆逐艦の画像。様々な報道でも使用され、レーダー照射のニュースで何度も目にすることになりました。

実は筆者は、この画像を「参考画像」だと思っていたのです。昔に撮影された画像か、同型艦の画像を出していると。でも違ったんですね。動画が見ればわかりますが、まさに事件を起こした瞬間の画像だったのです。
とすると、おかしなことがあります。公務中の軍艦にも関わらず、外部標識、つまり軍艦旗を揚げていないのです。このことを指摘している人は、ネットにチラホラいたのですが、ただの「参考画像」だと思っていたので注目していませんでした。しかし事件の瞬間の画像だとすると話は変わります。公務中の軍艦ならば、軍艦旗を揚げていないのは国際条約違反になってしまうのです。
 

「公海に関する条約」(1962年)
第八条第二項
この条約の適用上、「軍艦」とは、一国の海軍に属する船舶であつて、その国の国籍を有する軍艦であることを示す外部標識を掲げ、政府によつて正式に任命されてその氏名が海軍名簿に記載されている士官の指揮の下にあり、かつ、海軍の紀律に服する乗組員が配置されているものをいう。

事件の起きた海域は、日本の排他的経済水域EEZ)ですから、当然、所属を明らかにしなくてはなりません。さらに駆逐艦は救助作業中で当該海域に停泊しています。海洋法で認められた無害通航は、「海洋法三十八条第二項」により「継続的かつ迅速な通過」のみですから、停泊するなら理由を示さなければなりません。今回の場合で言うと、「遭難者救助」の「信号旗」ですね。
で、それもやっぱり国際条約で決まっています。

国際信号旗」(1857年)
オスカー (Oscar):海中への転落者あり。

150年以上前から決まってる年季の入った国際条約ですね。なぜこの信号旗を掲揚するかと言うと、転落者がいたらスクリューに巻き込まないように、すぐに転舵しないといけません。なので、この信号旗を揚げて周囲に知らせていました。いきなりおかしな挙動すると、周囲の船舶の航路に支障をきたす可能性があるからです。転じて「救助中」を示す信号旗にもなりました。
韓国の駆逐艦は、外部標識を掲揚せず、信号旗も掲揚しないことで、二つの基本的な国際条約に違反しているのです。
 
北朝鮮遭難船は、違法操業中? 韓国は逮捕しなかった?
事件の起きた「大和堆(やまとたい)」は、豊富な漁場であるため、韓国や中国、北朝鮮の不法漁業が盛んに行われてきた海域であります。北朝鮮遭難船は、この海域で違法操業していたのではないでしょうか? 
韓国海上警察艦には逮捕の義務が、韓国駆逐艦にも同じ義務があったはずです。もちろん何日も漂流して死にそうになっている場合には、警察病院などに入院させ体力を回復させてから、事情聴取する必要があるでしょう。でも、事情も聞かずにそのまま北朝鮮に送り返してしまうのは、おかしい話です。
ひょっとすると、北朝鮮制裁の国連決議に違反するという、国際合意破りの現場だったのかもしれないのですね。
 
いまのところ、韓国側が何を考えていたのかわかりません。レーダー照射の事実だけでなく、韓国駆逐艦軍艦旗や信号旗の不掲揚や、北朝鮮遭難船の事情聴取の有無の追求が、今回の事件の真相を探ることになるのかもしれませんね。

<火器管制レーダー照射>防衛省映像公開 証拠の逐次投入は愚の骨頂だ

韓国海軍による火器管制レーダー照射問題。防衛省が当時の動画を公開しました。

韓国海軍艦艇による火器管制レーダー照射事案について」平成30年12月28日

http://www.mod.go.jp/j/press/news/2018/12/28z.html

 
■動画でわかった新たな事実
この映像には、火器管制レーダーを受信した瞬間の音などは、軍事機密上の理由から削除されています。また、正確な場所も公開していません。
逆に判明したことは、遭難船が既に発見され、ボートで救出している真っ最中ということです。何を発信しているにしても、捜索のためではないことは明らかと言えるでしょう。最初の説明が、なかったことになるわけです。
また、韓国軍艦の真上を飛んだということもないことがわかりました。船の認識番号を確認するため、横を飛んだのは間違いないようです。
そして、海上自衛隊が以前から言っていたように、3つの周波数で、KOREA SOUTH NAVAL SHIP, HULL NUMBER 971)」と英語で呼びかけているのも確認できます。ただ、その確認内容は、「貴艦のFCアンテナが我々を指向したことを確認した。貴艦の目的は何か?」というもので、「火器管制レーダーを受信した。目的はなにか?」という内容ではありませんでした。韓国側の言い訳が、途中から「光学カメラを向けたが、レーダー照射を行っていない」と変わったのは、海上自衛隊のこの呼びかけを聞き直して、「アンテナの方向しかはっきり判明していない」と判断したためでしょう。
 
■「戦力の逐次投入」は愚かな行為

「韓国国防部、日本の映像公開に「客観的な証拠とはみられない」」2018年12月28日
崔報道官は「相互誤解を解消するための実務級テレビ会議から1日ぶりに日本側が映像資料を公開したことに深い憂慮と遺憾の意を表明する」と述べた。また、「日本側が公開した映像資料は単純に日本の哨戒機が海上から巡回するシーンとパイロットの対話だけだ。一般的な常識からみると射撃統制レーダーを調査したという日本側の主張に対する客観的な証拠とはみられない」と述べた。
https://japanese.joins.com/article/614/248614.html?servcode=A00§code=A10&cloc=jp|main|top_news

韓国側は「軍事情報を公開することはありえない」と見切っているため、全く非を認める姿勢はありません。
「遭難船捜索のためにレーダーを照射した」と言っていた時に、この動画を公開していれば、韓国の姿勢を改める一撃になったと思います。今更ですが。
相手は全く発言を変えても、なんとも思わない人たちですので、やるなら情報の小出しは発言を変えるチャンスを与えるだけです。

「レーダー照射問題 哨戒機撮影の映像公開へ 防衛省
27日に防衛当局間のテレビ会議で、日本側は哨戒機が撮影した映像を提示しましたが、韓国側が「照射の証拠にならない」と反論したため公開に踏み切ることを決めました。日本政府は韓国側がレーダーを照射した事実を認めるまで、少しずつ証拠を提示したい考えです。
http://news.livedoor.com/article/detail/15803716/

つまり既に韓国側に示した内容で、韓国側は「照射の証拠にならない」と認めなかった動画なんですね。韓国側は早々に記者会見をしたのも、「この動画ならいくらでも言い逃れできる」と確信していたからでしょう。
しかも「少しずつ証拠を提示したい考え」とは。戦争の常識として、「戦力の逐次投入は、戦況を長引かせるだけ」っていうものがあると思いますが、防衛省はそれを知らないんですかね?
過去の「従軍慰安婦問題」にいても、「密室では解決しない」とわかっているはずです。なぜ同じことを繰り返すのでしょうか?
 
■韓国側の主張を把握し、否定できる証拠を出すべき
韓国の主張のポイントをもう一度整理しておきましょう。

1 場所は大和堆の公海上
2 レーダー照射をしていない
3 危険な飛行をしたのは自衛隊
4 無線は状況が悪く「コリアコースト」しか聞こえなかった

今回の動画では、4ぐらいしかはっきりしていません。3は編集されている可能性もありますし、「上空は通ってはいないけど近接だった」と発言を変えたら意味がなくなります。
そもそも、今回の最も大きい問題点は、1と2のはずです。1はレーダー照射を受けた位置を明らかにすれば良いことですね。そして肝心の2は、軍事情報で公開ができないことを考えると、同じ情報を共有できるアメリカに「確かに火器管制レーダーを確認している」と言ってもらうぐらいしかないと思われます。
情報の小出しは絶対に悪手です。防衛省には、1から4の問題を、全て反論できる証拠を一度に示して欲しいですね。

<火器管制レーダー照射>二転三転し過ぎて逆のことを言い始めた韓国軍部 もうアメリカを入れるべき

海上自衛隊機が、韓国駆逐艦から火器管制レーダーの照射を受けた事件。韓国側の言い訳が二転三転して、呆れるばかりの状況となっております。

・韓国側の発言 / 時系列
12月20日 日本「韓国からレーダー照射された」
12月20日 韓国「レーダー照射してない」
12月21日 韓国「日本政府は事実確認せずマスコミに伝えるな」
12月22日 韓国「レーダー照射したけど遭難船探索のためだ」
12月23日 韓国「我々の艦艇の上を飛行するなど日本が威嚇してきた」
12月24日 韓国「やっぱりレーダー照射してない」
https://getnews.jp/archives/2108038

なんで「レーダーを照射したか、してないか」なんてレベルで真逆のこと言い出すのか。それをおかしいと思わないんでしょうか?
しかも25日時点の言い訳も、全く説得力がないもので、事態を収拾するつもりがあるのか疑念すら浮かんでしまう状況です。
 
■韓国側発言の変遷
・場所
 能登沖(日本の報道そのまま) → 独島北東200キロ沖の大和堆漁場の公海上

中央日報(2018年12月22日)
「石川県能登半島沖の海上
https://japanese.joins.com/article/394/248394.html
 ↓
中央日報(2018年12月25日)
「独島北東200キロ沖の大和堆漁場の公海上
https://japanese.joins.com/article/444/248444.html

まず根本的な間違いとして、大和堆(やまとたい)周辺は、公海上ではありません。日本の排他的経済水域(EEZ)です。日本側も強くこの点指摘していませんが、韓国の軍艦があんなところまで入って来ていなければ、そもそも問題も起きなかったわけで、もっと強く場所の問題は追及した方がいいと思います。
 
・レーダー照射の有無
 捜索のため火器管制レーダーに偶然進入 → レーダーを使用していない

朝鮮日報(2018/12/22)
「出動した駆逐艦は遭難した北の船舶を迅速に見つけるため火器管制レーダーを含むすべてのレーダーを稼働し、この際、近くの上空を飛行していた日本の海上哨戒機に照射された」と説明した。
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2018/12/22/2018122280011.html

朝鮮日報(2018/12/24)
韓国軍は「使用していたのは光学カメラだけで、追跡レーダーのビームは使っていなかった」と説明した。
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2018/12/24/2018122480142_2.html

一番変わった点です。最初は「照射した」と断言していたのに、「使用していなかった」と180度変わってしまいました。やっぱり国際合意違反をしていたと追求されるとマズイと思ったんでしょうか?
しかも、これでまた新たな謎が生まれてしまったんですね。

カメラも作動していたとなれば、さらに疑問が残るという。
能勢解説委員は、「カメラで見ていたのなら、即座に海上自衛隊のP-1哨戒機だとわかったのではないかと思う」と述べた。
https://www.fnn.jp/posts/00408436CX

そうなんです。つまりカメラで確認できるほど、両者が接近していたってことになっちゃうんですな。能登沖にいた哨戒機をカメラで確認するためには、日本の領海に入るくらい近くにいないといけません。しかも遠くに視認したのではなく、低空で駆逐艦の上を通ったなんて言ってるわけですから、哨戒機の航空経路を示せば、韓国軍側は詰んでしまいます。
「日本の領海にいたと認めるか、上空を飛んだ発言を撤回するか、どっちか選べ」と言われたら、どうするんでしょうね?
さらにこんなことも言っていました。

別の軍消息筋は「威嚇飛行をしていたのはむしろ日本海上哨戒機のほう」とし「無線電話で国籍や正体を明らかにしなかった」とした。
https://japanese.joins.com/article/411/248411.html?servcode=A00§code=A10

カメラで確認したら日本の海上自衛隊だってわかりますよ。P-1哨戒機を運用しているのは日本だけですし、でっかい日の丸もついてるんですから。
 
・無線の確認
 哨戒機韓国海洋警察に問い合わせをした → 雑音が激しく『コリアコースト』という言葉だけを認知した

中央日報(2018/12/24)
海軍関係者は「日本哨戒機は国際商船共通網を使って韓国海洋警察に問い合わせをした。通信状態も非常に良くなかった」と話した。
https://japanese.joins.com/article/411/248411.html
 ↓
中央日報(2018/12/25)
「通信強度があまりにも微弱で雑音が激しく『コリアコースト』という言葉だけを認知した」
https://japanese.joins.com/article/459/248459.html

無線の方は余り変わっていませんが、「海洋警察に問い合わせをした」と断言していたのが、「コリアコーストという単語だけ聞いた」に変わりました。自分の聞き違えだったかもーって言いたいようです。ですが、これも新たな疑問を生んでいるんですね。

「レーダー照射”韓国海軍は無線が微弱で聞こえなかった!? 元海将「有り得ない。本当なら軍艦として終わってる」」
韓国側の主張に伊藤氏は「そうなら軍艦として終わっている。その程度の通信能力だということになるので、恥ずかしくて言えない。おそらく、国際VHFというあの海域で国際的に使用できる16チャンネルだと思うが、思いっきりボリュームを上げているはず。ましてや事前に捜索を行っていると言っているので、それが機能していないというのはいかがなものか」と述べた。
https://abematimes.com/posts/5463787

そもそもですね。視認できる位置にいる航空機の無線を、雑音混じりにしか受信できない段階で、捜査活動できないわけです。国際周波数で何か受信したら、まず疑うべきは「遭難船からの救難信号」なんですから。それなのに「コリアコーストと言っていたから放置した」と言うんじゃ、あなた達はあの海域に何し行ったのかってことになるわけですね。
 
■このままでは水掛け論になるだけ
何の脈絡も無く、前言撤回し、しかも筋が通らないことばかり言っている韓国海軍。
日本側が受信した火器管制レーダーの情報は、アメリカも同時に把握するシステムになっているはずですので、アメリカに情報提供をしてもらわないと、話が前に進まないかもしれません。

「レーダー照射、韓国軍「誤解解消のために協議予定」」
韓国国防部は25日、日本が海上自衛隊のP1哨戒機へのレーダーを照射をめぐる議論に対して連日強硬対応する現状を受けて「誤解を解消するための協議が行われる予定だ」と述べた。
http://www.wowkorea.jp/news/korea/2018/1225/10226529.html

急に協議を言い出してますが、日本側は「技術的情報を開示するから公の会談では出来ない」と考えて、協議に賛成しているかもしれませんが、韓国側は「影で謝って、終わったことにしよう」と考えているかもしれません。
「威嚇的行動をしたのは日本」などといった発言の撤回など、ちゃんと国民に解決がわかるようにしないと、結局こういう問題は繰り返されると思います。
今後の日米韓連携のためにも、アメリカを巻き込んで早急に問題を解決して欲しいですね。

<火器管制レーダー照射>場所はまた大和堆 そしてまた韓国の国際合意違反だ

「文大統領へ特大ブーメラン」と、「徴用工問題」で韓国政府が訴えられた件を記事にしようとしていたら、笑ってられない事件が起きてしまいました。

「韓国駆逐艦のレーダー照射、短時間ではなく数分間続く」
海上自衛隊の航空機が今月20日、日本海で韓国の駆逐艦から射撃管制用のレーダーを照射された問題で、照射は短時間ではなく、数分間続いていたことが防衛省への取材で分かりました。
韓国の海軍関係者は「遭難した北朝鮮籍の船の捜索のため艦艇の全てのレーダーを作動させたところ、その範囲内に哨戒機がいるのを把握した」と説明しています。
https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3556357.html

「一瞬だけレーダー照射された」では無いところに注目です。韓国側は遭難した船の捜索だったと言い訳していますが、この説明は明らかに嘘でしょう。そして、場所は以前にも問題にした大和堆(やまとたい)です。その時も「そもそも大和堆を韓国海域と認識しているかも」と指摘しましたが、おそらく今回も事件の背景には、大和堆韓国海域と認識していることにあるのではないでしょうか?
 
■外務省は、韓国から謝罪を引き出せ
今のところ、韓国は言い訳ばかりで謝罪をしていません。しかし、今回の事件は、韓国に謝罪を求めるべき案件です。

防衛省、韓国に再び「遺憾」 レーダー照射 「遭難船捜索」に疑問」2018年12月22日
防衛省は二十二日、韓国海駆逐艦が石川県・能登半島沖の日本海海上自衛隊のP1哨戒機に火器管制レーダーを照射した問題を巡り、遭難した北朝鮮船捜索のためだったとする韓国メディアなどの報道に疑問を呈し、改めて「極めて遺憾であり、韓国側に再発防止を強く求める」との声明を発表した。岩屋毅防衛相が事実関係を説明した翌日に、さらに遺憾の意を強調するのは異例だ。
 防衛省は書面で「慎重かつ詳細な分析を行い、当該照射が火器管制レーダーによるものと判断した」と強調。さらに火器管制レーダーは攻撃目標の精密な方位・距離の測定に使用するもので、広範囲の測定に適さず、遭難船捜索だとすれば、水上捜索レーダーが適当だと主張した。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201812/CK2018122202000241.html

防衛省が再度「遺憾」を表明したように、韓国の「遭難船捜索のため」という理由は、全くのデタラメです。そもそも火器管制レーダーとは、ミサイルで対象を攻撃するために、距離、高さ、移動速度を計測するためのものです。全方位にバラ撒く通常のレーダーとは、全く違うものなのですね。
ですから対象に狙って照射しないといけませんし、海上の遭難船ではなく、上空を飛んでる航空機に向けて発射された段階で、「遭難船捜索のため」ではないことが明らかなのです。
こんな言い訳が通ってしまうことの方が、日韓関係にダメージを与えることは間違いありません。何故って、韓国軍の中に「日本の航空機に火器管制レーダーを発射するぐらいは、やっても良い」と考える人間が、いることになってしまうからです。そんな軍と連携した行動を取ることができるでしょうか? 韓国政府には、日本に謝罪し、韓国海軍の綱紀粛正に勤める責任があるのです。また、日本は謝罪を求めていかなければいけません。
 
■韓国側の国際合意違反である
謝罪する理由は、他にもあります。2013年1月に起きた中国の火器管制レーダー照射事件を受けて、中国も参加させて結んだ国際合意に、明確に違反していることです。

「日米中など21カ国、海上衝突回避規範で合意」2014/4/22
日米中など21カ国の海軍高官が参加する西太平洋海軍シンポジウムが22日、中国山東省青島で開幕し、海上で他国の艦船と予期せず遭遇した場合の行動規範を定めた「海上衝突回避規範(CUES)」で合意した。無線で行動目的を伝え合うほか、敵艦を攻撃する際に照射する火器管制レーダーを相手艦船に一方的に照射しないことなどを決めた。
https://www.nikkei.com/article/DGXNASGM22019_S4A420C1EAF000/

日本や韓国など21カ国が2014年に採択した海上衝突回避規範でも同レーダーの照射を回避すべき行為の一つとしている。
https://mainichi.jp/articles/20181221/k00/00m/010/213000c

2014年に、韓国は「海上衝突回避規範」を採択しています。ここでは、火器管制レーダーの照射を回避すべき行為として決めており、つまり今回の行為は、韓国の明確な国際合意違反なのです。
さらに合意では、「無線で行動目的を伝え合うこと」を決めていますが、今回海上自衛隊機の意図確認に対して、韓国は行動目的を伝えませんでした。これも国際合意違反です。
それなのに「遭難船捜索のため」という理由で、これら合意破りを正当化できるなら、いったい何のために21カ国も参加して、国際合意を作ったのでしょうか?
このままでは韓国のせいで、中国がやりたい放題になってしまうかもしれないのです。日本は、この合意が有名無実化しないためにも、韓国に謝罪と再発防止を求めなければいけません。
 

「韓国駆逐艦が日本の哨戒機にレーダー照射、日本の抗議に韓国軍困惑」朝鮮日報(2018/12/22)
韓国軍関係者も「韓日はこれまで意識的に軍事的衝突が起こらないよう神経を使ってきた」と話す。ところが、日本の防衛相が自ら出てきてまで今回の事態に対して抗議したことに、韓国軍は困惑している様子だ。韓国軍関係者は「日本の反応はやや過剰な面がある」と述べた。
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2018/12/22/2018122280003.html

韓国側の報道では、ことの重大さを軍関係者が全く分かっていません。何故ここまで平然と国際合意反を繰り返せるのでしょう?
外務省には、韓国側に日本がなぜこのような反応をしているのか理解させ、事態を改善できるよう頑張って欲しいです。