稼働率で3機種トップに躍り出たWii
米調査会社ニールセン社のゲーム機稼働率調査が出ました。2007年からどのような変化があったのか見てみたいと思います。
まず2007年のデータから。
PS2 42.3
Xbox 17.0
Xbox360 8.0
GC 5.8
Wii 4.0
PS3 1.5
ほか 21.3
2007年6月の段階では、PS2の影響力が圧倒的に続いていますね。このシェアを各陣営がどう切り崩すのかが、今世代の据置機の目的であると言え…たはずなのですが、Wiiと任天堂がそんな議論をどうでも良くしてしまったのはご存知の通りです。
おそらく「PS2を2007年の段階まで遊んでいた層は、いったいどの機種に移行したのか?」という命題の答えは、ハードの売上実績から推察すると、日本ではDSかPSPに、欧米ではPS3やXbox360に移っているということになるでしょう。
さて本題です。2009年4月9日付けの最新シェアはどうなっているのでしょうか?
PS2 23.7%
Wii 20.7%
Xbox360 18.2%
PS3 9.0%
Xbox 7.9%
GameCube 3.3%
GCより低かったWiiの稼働率が、大躍進。Xbox360やPS3をあっさりと追い抜き、今世代3機種ではトップに躍り出ました。かつて王者として君臨していたPS2は、20ポイント減らしつつもなんとか踏ん張って1位を死守しました。が、販売実績だけでなく、稼働率でもこの結果が出たことで、影響度は確実に急落していると言えるでしょう。
ただ前述したように、Wiiの15ポイントもの大躍進が、PS2からの乗換えだろうと結論できません。むしろこの上昇率を支えたのは、超ライトゲーマーとしてWiiが大量に獲得した新しいゲーム人口、あまりゲームを買わない層のはずです。従来、この超ライトゲーマーは、継続的にゲームを買わないと言われていましたので、この結果は超ライトゲーマーでも継続的に遊ぶグループが生まれつつあると言えるでしょう。
まだそういう層が定着したと断言するのは早いですが、Wiiで遊ぶユーザーにもコアゲーマーに育っていく萌芽見えたのは素晴らしいことです。
少なくとも、今その威力は、コアゲーマーの集まったXbox360を凌駕し、市場に多大な影響力を持つまでに至りました。Wiiスポーツリゾ−トが、その駄目押しになるのか注目したいと思います。
さて他の機種を見ていきましょう。
Xbox360は、旧Xboxからの乗換え組を取り込んで現状維持のようです。問題はPS3ですね。2007年が1.5%だったことを考えれば、よく伸びたと言えない事もありませんが、稼働率が3機種の中で1つだけ差をつけられているのは、かなり問題があります。
バイオハザード5などの発売で盛り返した観測もありましたが、アメリカでの状況は1つ脱落してる感が否めません。
やはりマルチソフトが多い上に、発売時期もXbox360より遅れ気味なのが響いているのでしょうか? 単純にブルーレイプレイヤーとしてしか使っていない人が結構いるのかもしれませんね。
稼働率は純粋にソフトコンテンツの問題なので、SCEには更なる奮闘が必要と言えそうです。
今回ニールセン社は、誤報を出してしまいました。Wiiの稼働率を1桁に間違える大きなミスで、弁解のしようが無いものです。調査会社はデータが命。発表には気をつけて欲しいものですね。