「任天堂の突破力」日経ビジネス(2011年2月21日号)を読む

日経ビジネスにおいて、任天堂特集をやっていたので、読んでみました。

正直言って、決算説明会などで既に出ている情報ばかりで、どうという事は無い特集です。
エンターブレイン社長の浜村氏が、「DSのような『社会現象』を作れるかどうかで決まる」などと話しているのをまとめています。
あとは、マーベラスエンターテイメントの中山社長が

「今年は3DSに張る。発売予定のソフトの半分が、3DS向けだ」

と、なんとも漢らしいコメントを寄せていたのが、印象的でした。しかし「張る」とか、そんな博打みたいなことじゃなくて、もっとマーベラスは、レベル5の日野社長のような、処世術を勉強した方がいい気がしますけど。
 
そんな見るもののない特集ではありましたが、それと関係ないトップインタビューで「今週の焦点 辻本 春弘カプコン社長『3DSを機に海外展開加速』」が、結構興味深いものでしたので、取り上げたいと思います。もっとも興味深い内容は、タイトルの3DSではなく、SCENGPに関して質問が及んだ時ですが。

――ソニーも新携帯ゲーム機を年内に発売します。スマートフォンソーシャルゲームも台頭してきました。ゲームプラットホームが増える中で、経営リソースをどう配分しますか?
辻本「1月1日にこれまで別々だった家庭用、携帯電話、パソコン向けのゲーム開発の機能を1部署に統合しました。
 スマートフォンを、ゲーム機の1つと位置づけ、開発体制を一体にして機動的なプロモーションなどにつなげる体制を取るためです。プラットフォームへの比重配分は状況しだいですが、重要なのはゲームの企画内容が、ハードの特性を生かしたものであることです」

となぜか、NGPについてコメントを避ける辻本氏。いやまさか、NGPスマートフォンを混同してませんよね? これ。
その後も、スマートフォンに無料のソフトを提供して、ユーザーを呼び込む仕組みや、課金で収益を上げるビジネスモデルへの転換などコメントが続きましたが、結局NGPに関するコメントは最後までありませんでした。カプコン3DSNGPに対して、どのようなスタンスを持っているか把握できる絶好の機会だったのに、非常に残念です。
このインタビューでは、カプコンはこれから、かなり積極的に課金モデルへの注力をしていくつもりなのは、伝わってきました。もちろんモンハンシリーズというドル箱タイトルで、課金モデルを軌道に乗せたいという思惑があってのコメントだと思います。
NGPにモンハンが出ても、これまでと違い課金モデルを導入してくる可能性は、かなり高まったと言えそうです。携帯でのゲーム事情を見るまでも無く、3G回線を載せるからこそ成立するビジネスもあるわけで、今後の展開に注視が必要なようですね。