2010年据置ゲームソフト爆死復活ランキング

またも節目がやってきました。メディアクリエイトから「2011テレビゲーム産業白書」が発売されました。
任天堂から早々に次世代ゲーム機の発表も行われた丸4年目(Xbox360は丸5年)のゲーム業界。初週しか注目されない影に光を当てるこのランキングも、ついに4年目に突入です。各陣営の動向はどうなっているでしょうか? 爆死判定、初週5万本以下で計算してあります。

○復活本数5万本以上


順位

機種

ソフト名

メーカー

発売日

初週

2010年累計

復活本数

1

Wii

Wiiスポーツ リゾートWiiリモコンプラスパック)

任天堂

2010/11/11

14,438

223,754

209,316

2

Wii

太鼓の達人Wii みんなでパーティ☆3代目!

バンダイナムコゲームス

2010/12/02

29,328

140,288

110,960

3

PS3

Demon's Souls(PlayStation3 the Best

SCE

2010/02/25

18,766

106,132

87,366

4

PS2

ワールドサッカー ウイニングイレブン2010 蒼き侍の挑戦

KONAMI

2010/05/20

14,269

88,178

73,909

5

PS3

信長の野望・天道

コーエー

2010/03/04

32,964

105,676

72,712

6

Wii

戦国BASARA3

カプコン

2010/07/29

49,821

120,797

70,976

7

Wii

ワンピース アンリミテッドクルーズ エピソード2 目覚める勇者(みんなのおすすめセレクション

バンダイナムコゲームス

2010/04/22

7,554

76,270

68,716

8

Wii

ワンピース アンリミテッドクルーズ エピソード1 波に揺れる財宝(みんなのおすすめセレクション

バンダイナムコゲームス

2010/02/25

8,311

70,504

62,193

9

Wii

桃太郎電鉄16 北海道大移動の巻!(みんなのおすすめセレクション

ハドソン

2010/04/22

2,888

57,871

54,983

10

PS3

ゴッド・オブ・ウォーIII

SCE

2010/03/25

43,181

93,980

50,799

11

PS2

プロ野球スピリッツ2010

KONAMI

2010/04/01

21,002

71,468

50,466
据置5万本ラインは14本→11本と3本減ってしまいました。トップを飾ったのは、「Wiiスポーツリゾート」。去年トップを取った「太鼓の達人」シリーズは今年も好調です。去年3位だった「デモンズソウル」は、今度はベスト版で3位にランキングです。またPS2の「ウイニングイレブン」と「プロ野球スピリッツ」のコナミスポーツゲームシリーズは、今年も仲良くランキングしています。そして同じくバンナムの「ワンピース」とハドソンの「桃太郎電鉄」シリーズもランキング。いつの間にやら毎年上位にランクインする定番の顔ぶれができてしまいました。
その中で目立つソフトと言えば、PS3の「ゴッドオブウォーIII」ですね。去年は似たような累計本数で「アサシンクリードII」がランキングしており、PS3のコアユーザーの根強い需要が見えます。ただどちらも10万本いかないところに、洋ゲーの限界が見えたりもします。
 
○復活本数3万本以上


順位

機種

ソフト名

メーカー

発売日

初週

2010年累計

復活本数

12

Wii

仮面ライダー クライマックスヒーローズ オーズ

バンダイナムコゲームス

2010/12/02

35,132

82,693

47,561

13

PS3

バトルフィールド:バッドカンパニー2

エレクトロニック・アーツ

2010/03/11

28,353

75,641

47,288

14

PS3

MASSIVE ACTION GAME(MAG)

SCE

2010/01/28

19,139

62,658

43,519

15

PS3

コールオブデューティ モダン・ウォーフェア2(廉価版)

スクウェア・エニックス

2010/09/02

9,162

52,332

43,170

16

Wii

ウイニングイレブン プレーメーカー2010 蒼き侍の挑戦

KONAMI

2010/05/20

7,162

49,974

42,812

17

PS3

Beat Sketch! ビートスケッチ

SCE

2010/10/21

22,165

62,535

40,370

18

Wii

ドラゴンボールZ スパーキング!メテオ(みんなのおすすめセレクション

バンダイナムコゲームス

2010/02/25

5,046

45,364

40,318

19

PS3

ゴッド・オブ・ウォー コレクション

カプコン

2010/03/18

13,265

53,044

39,779

20

PS3

ドラゴンボール レイジングブラスト2

バンダイナムコゲームス

2010/11/11

47,610

86,890

39,280

21

PS3

スポーツチャンピオン

SCE

2010/10/21

6,349

44,799

38,450

22

PS3

アサシンクリードII スペシャルエディション

ユービーアイソフト

2010/08/05

6,900

42,953

36,053

23

Wii

朧村正みんなのおすすめセレクション

マーベラスエンターテイメント

2010/02/25

7,703

42,808

35,105

24

PS3

2010 FIFAワールドカップ 南アフリカ大会

エレクトロニック・アーツ

2010/05/13

10,373

44,215

33,842

25

Wii

斬撃のREGINREIV

任天堂

2010/02/11

21,956

53,317

31,361

26

Wii

カラオケJOYSOUND Wii SUPER DX ひとりでみんなで歌い放題!

ハドソン

2010/12/09

7,683

38,090

30,407

27

Wii

たたいて弾む スーパースマッシュボール・プラスWiiリモコンプラス付き)

任天堂

2010/11/18

5,764

35,913

30,149
3万本ライン:16本→16本 本数は去年と変わらず。Wiiが2本から盛り返して、7本となりましたが、廉価版が2本入っています。PS3の9本は変わらないのですが、4本あったPS2のソフトが消えてしまいました。いよいよPS2も終了のようです。
Wiiの話題作、「斬撃のレギンレイブ」が復活本数3万本を超え、累計5万本を突破しています。SCEから出たPS3のソフトが3本ランクイン。「MAG」はともかく、他2本のソフトが地味過ぎて内容を思い出せないくらいです。もうちょっとSCEには頑張って欲しいですね。
 


順位

機種

ソフト名

メーカー

発売日

初週

2010年累計

復活本数

28

PS3

VANQUISH ヴァンキッシュ

セガ

2010/10/21

48,318

77,686

29,368

29

PS2

ペルソナ4PlayStation2 the Best

アトラス

2010/08/05

4,725

33,930

29,205

30

PS3

バイオハザード5 オルタナティブ エディション(PlayStation3 the Best

カプコン

2010/11/11

5,035

33,358

28,323

31

Wii

ウイニングイレブン プレーメーカー2011

KONAMI

2010/11/18

8,105

36,295

28,190

32

PS3

ModNation 無限のカート王国

SCE

2010/07/29

13,939

40,806

26,867

33

PS3

BLAZBLUE CONTINUUM SHIFT

アークシステムワークス

2010/07/01

49,871

76,150

26,279

34

Wii

METROID Other Mメトロイド アザーエム

任天堂

2010/09/02

45,398

71,410

26,012

35

PS3

F1 2010

コードマスターズ

2010/10/07

25,273

50,500

25,227

36

PS3

コールオブデューティ ブラックオプス(吹き替え版)

スクウェア・エニックス

2010/12/16

23,253

47,887

24,634

37

PS3

超次元ゲイム ネプテューヌ

コンパイルハート

2010/08/19

22,574

47,118

24,544

38

PS3

セイクリッド2

スパイク

2010/02/10

21,600

46,027

24,427

39

Wii

NARUTO-ナルト-疾風伝 激闘忍者大戦!SPECIAL

タカラトミー

2010/12/02

11,833

35,100

23,267

40

PS2

戦国BASARA2 英雄外伝HEROES)(PlayStation2 the Best)(再廉価版)

カプコン

2010/03/18

436

22,632

22,196

41

Wii

テトリスパーティープレミアム

ハドソン

2010/08/05

4,050

26,084

22,034

42

PS3

アサシンクリード ブラザーフッド

ユービーアイソフト

2010/12/09

36,098

57,384

21,286

43

PS3

The Elder Scrolls IV:オブリビオン Game of the Year Edition

ベセスダ・ソフトワークス

2010/04/22

12,479

33,330

20,851

44

Wii

アンパンマン にこにこパーティ

アガツマ・エンタテインメント

2010/11/25

3,590

24,438

20,848

45

PS3

メダル オブ オナー

エレクトロニック・アーツ

2010/10/21

25,365

46,182

20,817

46

PS3

ジャストコーズ2

スクウェア・エニックス

2010/06/10

18,795

39,472

20,677

47

PS3

キャッスルヴァニア ロードオブシャドウ

KONAMI

2010/12/16

27,155

47,574

20,419

48

Wii

大怪獣バトル ウルトラコロシアムDX ウルトラ戦士大集結

バンダイナムコゲームス

2010/02/25

9,094

28,788

19,694

49

PS3

HEAVY RAIN-心の軋むとき-

SCE

2010/02/18

26,775

46,310

19,535

50

XB360

スーパーストリートファイターIV

カプコン

2010/04/28

28,454

46,871

18,417

セガが自ら予定本数に達しなかったとコメントした「ヴァンキッシュ」が28位です。久々のアクションゲームとして発売された「メトロイドアザーM」が34位。累計本数7万本越えはしましたが、ちょっと寂しい結果です。PS3で新たなミステリーAVGの道を開いた「へヴィーレイン心の軋む時」が、49位に引っかかりました。累計本数5万本に到達できなかったのは、評判に結果がついてこなかったと言えるでしょう。50位は、Xbox360唯一のランクインのスパ4という形になりました。

全体を見ていきます。

復活本数上位50位の割合 ()の数字は2009年
PS3:26本  (18本)
Wii :19本   (20本)
PS2: 4本  (10本)
Xbox360:1本 ( 2本)

ついにPS3がトップに躍り出ました。逆にPS2が本当の意味で終焉を迎えています。PS2の減少をPS3がしっかり吸収しているのはさすがですね。とはいえユーザーの移行が、PS3の発売から丸4年もかかったわけで、やはり互換性はユーザーへのアピールとして決して小さくないと言えるでしょう。おそらく様々な購入機会で、PS3購入を躊躇わせる理由となってしまったと思われます。来年から次世代機が投入されることになると思いますが、各社とも互換性の維持には気を配って欲しいと思います。
さて、爆死復活ランキングもタイトルがだんだん固定化してきました。口コミによって爆死したソフトが復活を遂げるという形は、据置ゲームにおいてはなかなか実現できない状況のようです。見渡すと完全新規ソフトのランキング入りは、14位の「MAG」(PS3)、17位のMOVE用ソフト「Beat Sketch!」(PS3)、21位同じくMOVE用ソフト「スポーツチャンピオン」(PS3)、25位「斬撃のレイギンレイブ」(Wii)、28位「VANQUISH」(PS3)、32位「ModNation 無限のカート王国」(PS3)、37位「超次元ゲイム ネプテューヌ」(PS3)、49位「HEAVY RAIN-心の軋むとき-」(PS3)の8本です。
見てわかるとおり、「斬撃のレイギンレイブ」以外みんなPS3ソフトなのですね。非常に意外な気もしますが、PS2の時代は日本のゲーム市場を支えていたユーザー層があったわけで、PS2の最後まで残っていた層を合わせるとこれだけの購買力があるのでしょう。反対にPS2を支えていた層は、Wiiには移ってきませんでした。最近のWiiの息切れは、この辺にも理由がありそうです。
 
それ以外のソフトを見ていきます。
繰り返し延期の末、ようやく発売された「グランツーリスモ5」は56万3378本でした。「白騎士物語」の続編、「光と闇の覚醒」は25万4937本で前作の33万8161本から8万本のダウン。世界中で1000万本を超える大ヒットを記録した「コールオブデューティ ブラックオプス」はPS3の字幕や吹替え、Xbox360を全部足して28万4124本でした。
当ブログでも大絶賛をしたWiiの「ゼノブレイド」は、16万1161本。なぜかファミ通は累計14万1059本止まりで、2万本も誤差が出ています。他にはWiiのレールシューティングゲームバイオハザード ダークサイド・クロニクルズ」が、なんだかんだと売れてしまい、15万6176本となりました。
Xbox360は、モンスターハンターFが、13万8596本でした。
 



<まとめ>
2010年Wiiで一番売れたソフトは、「Wiiパーティ」の167万6891本です。このソフトも含めて3本のミリオンヒットが出ました。対してPS3の一番売れたソフトは、「龍が如く4 伝説を継ぐもの」の57万7199本です。そうなんです。丸4年経った今でも、PS3はミリオンどころかハーフもやっとなのですね。50万本売らないとペイできないソフトを日本市場だけで売ってたら、赤字になるのはむしろ当然です。
ではどうするのか? よく言われているとおり、海外で売るという選択肢が1つあります。もう1つが10万本以上売れたソフトはWiiの19本に対して、29本と10本多くなっていることに注目する方法です。つまり10〜15万本でペイできるソフトを投入するのです。海外でギャンブルするよりは、よっぽど可能性がある選択肢だと思います。ちなみにWiiは、19本中13本が任天堂ソフトで占められる市場ですから、サードパーティー単独でのソフト投入は、避けた方がいいでしょう。売るんだったら任天堂に売った方が確実です。
Wiiの次世代機が発表され、次世代機の足音が聞こえてくる時期になりました。当初の予想に反して、今回は完全な勝ち組が存在せず、HD機勢とWiiという性能に分水嶺があるという、非常に珍しい結果になりました。Wii2が噂どおりHD機に追いつく性能になったとき、この均衡がどのように振れるのか楽しみですね。