Appleが「広範すぎるマルチタッチ特許」を取得? ネットで議論に

Appleが指を使っての様々な操作そのものを、特許として申請。その特許が通ってしまいました。

同社は6月21日、「表示されたコンテンツを変換するための携帯型多機能デバイス、手法、グラフィカルユーザーインタフェース」と題した特許を取得した(米国特許7,966,578号)。2007年12月に出願されたもので、タッチスクリーン搭載デバイスで、Webページの一部を表示する手法に関連するものだ。
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1106/23/news097.html

もし申請どおりの内容が本当なら、数々のスマートフォンや年末発売予定のPS VITAにも影響が出てしまいます。ただ、特許取得、ただちに権利行使とならないのが昨今の特許事情です。当ブログでも様々な事例を紹介していますが、特許ゴロ、パテントトロールとの不毛な戦いがあります。
取得したまま眠ってる特許を安値で買い叩き、それを使っていきなり裁判沙汰にする悪質な企業があるのですね。今回の特許取得は、そういった特許ゴロから自分の製品を守るために取得したとも言える訳です。

PCMAGは、この特許は「信じられないほど広範囲にわたり、静電容量式タッチスクリーンスマートフォンを作っているほかのメーカーにとって大きな問題になるかもしれない」と伝えた。同サイトは知財関係者の発言として「Appleの特許は基本的に、同社がiPhoneで開拓した静電容量式マルチタッチインタフェースの所有権を同社に与えるものだ」と報じた。

 これがテクノロジー系メディアの間で話題になり、「Appleがマルチタッチ特許を取得。さらなる訴訟に備えよ」「ライバルには大きな打撃」などの見出しが躍った。ネットユーザーからも、Android携帯だけでなく、PS Vitaなどタッチスクリーン端末に影響するのではないかとの声が上がっている。

ここで「なぜ3DSに影響がないのか?」というと、タッチパネルの方式が違うからですね。
3DS = 感圧式
PS VITA =静電容量式
感圧式の特徴は、文字通り圧力で反応することです。圧力なので、爪先でも反応しますし、手袋をしていても反応します。その代わり静電容量式に比べて、繊細な反応が出来ません。また、コストが静電容量式より安いと言う特徴があります。発売直後、3DSも静電容量式では? と噂が飛びましたが、爪だろうが手袋だろうが反応しますので、感圧式で確定です。まぁそんなこと関係なく、任天堂マルチタッチの特許なども既に取得してますので、今回のアップルの特許はほとんど関係ないでしょう。
静電容量式は、非常に感度が良い特徴があります。押すと言うより、本当に触る感じで細かい操作が出来るのですね。その代わり爪の長い女性は操作が大変と言う特徴があります。
PS VITAは静電容量式であることは、既に報道されている通りです。SCEAppleに特許使用料を払わなければ発売できない事態になるかはわかりませんが、コスト上昇要素が出てきたのが心配です。
もっとも今回の特許は、あくまでホームページを閲覧する場合の限定的なものであるとの見方もあります。それ以前に、Appleは、今訴訟合戦でヒートアップしているサムスンとの裁判で、和解提示の有利な条件として使うだけで済むかもしれないですが。Appleがどこまでやる気があるのか、それともないのか、今後の展開から目が放せませんね。