トップページを制するものが世界を制す―テレビ最終戦争前哨戦
トップページ戦争が始まるテレビ市場。
既に2つのメーカーが、テレビのタブレットコントローラーを発売しましたが、非常に対極の立場となっています。まず日立の例を見てみましょう。
「リモコン操作」
お手持ちのiPhone®やiPad™を使って、専用リモコンと同様のテレビ操作を行うことができます。また、リモコンにボタンがない機能も、ワンタッチで快適に操作することができます。さらに、ネットワーク上にある別の部屋のWoooや、「Woooリンク」に対応する外部機器の操作も楽しむことができます。
http://av.hitachi.co.jp/tv/application/woooremote/index.html
無料でダウンロードできるソフトで、iPhoneやiPadをテレビのリモコンとして使えるように出来るのですね。一応、EPGなどのサービスは有料で11月中にDLサービス開始となる予定です。
前回「トップページを制するものが世界を制す 秒読みに入ったテレビ最終戦争」で指摘した、もっとも悪い展開ですね。これではiPhoneやiPadがテレビリモコンとして、どんどん価値が上がっていってしまいます。そうなればいずれ、iPhoneやiPadにテレビ広告料がドカドカ入ることになるでしょう。
次に東芝の例です。
テレビやレコーダーの番組を、 Appsを用いて、好きな場所で自由に番組を楽しむ視聴スタイルを実現する、3つのアプリが新登場
タブレットをネットワークにつなぐことで、テレビやレコーダーに録画した番組や現在放送中の番組を、家庭内の好きな場所で自由に視聴できるようになります。
http://www.toshiba.co.jp/regza/apps/
東芝は自分で「レグザタブレット」というパッド型デバイスを発売しています。そのタブレットで、テレビ放送を見たり、録画した番組を再生したり、テレビリモコンとして使用できるように展開し始めました。
【レビュー】テレビ・レコーダーと連携できるタブレット - 東芝「REGZA Tablet AT3S0/35D」
テレビやレコーダーといった家電との連携を強化してきたのは、さすが東芝といったところだろう。話題のAndroidタブレットを何に使うのか、という疑問に対して、ポータブルな映像再生機器やAVネットワークのコントローラーとしての利用方法が提案されているわけだ。マニュアルの充実ぶりもそうだが、Androidタブレットの裾野を広げようという意欲が感じられる製品だ。
http://journal.mycom.co.jp/articles/2011/11/01/regzatab/004.html
東芝はかつて「ダイナブックシリーズ」で、ノートパソコンという新市場を開きました。今回もタブレット市場の新たな旗手として、名を残すかもしれません。
私としては、もっとテレビにタブレット側の処理を任せたテレビのタブレットコントローラ化が、未来のテレビ市場を救うをと考えていますが、どうなるでしょうか? もっともパッド型デバイス自身が、テレビ市場に大きく食い込む可能性が高くなっていますけど。
スカパー!テレビでもスマホでも番組が見られるVOD開始--「スカパー!オンデマンド」
スカパーJSATは、テレビ、PC、タブレット端末、スマートフォンなどさまざまな端末でスカパー!コンテンツが視聴できるビデオオンデマンドサービス「スカパー!オンデマンド」の提供を10月25日から開始する。
http://japan.cnet.com/digital/av/35009043/
「Sony Tablet向けにも始まった「Video Unlimited」を体験」 −タブレット画面を活かして検索/購入から再生まで完結
購入はテレビなどと同様にセル/レンタルが選択可能。レンタルは視聴期限が48〜72時間(タイトルにより異なる)となっており、終了後はファイルとしては残るものの、再生するとエラー表示になる。再生期間が終了したファイルを自動で削除する機能は備えていない。
料金はタイトルや新作/旧作などによって異なるが、レンタルの最多価格帯が200〜600円、セルは2,000円前後。決済はクレジットカード、Edy、プレイステーションネットワークカード/チケットで行なえる。購入前にプレビュー再生することも可能で、プレビューはミニスクリーン/フルスクリーンから選べる。
http://av.watch.impress.co.jp/docs/topic/20111020_485098.html
レンタルだけなら珍しくありませんが、Unlimitedの方は、販売もしてしまうという驚きのサービスです。
このままいくと、逆にパッド型デバイスから、テレビの方へ情報を飛ばして視聴できるようになるかもしれません。そうなると、ますますテレビ単体としての価値は下がり、パッド型デバイスの地位は向上していきます。このとき、パッド型デバイスのトップページを制するものが誰かで、莫大な利益の行方が決まるでしょう。
つまり日立のiPhoneやiPadの地位向上につながる開発方針は、間違っていると言わざるを得ません。早く間違いに気付き、軌道修正して欲しいと思います。