グリー、ドリランドのアニメ化、漫画化発表の衝撃
5月10日、グリーが「探検ドリランド」のアニメ化、漫画化を発表しました。どっひゃ〜と仰け反った人も多いのではないでしょうか?
「東映アニメとグリー、人気ソーシャルゲーム「探検ドリランド」をTVアニメ化」
TVアニメ「探検ドリランド」は、ソーシャルゲームにも登場するキャラクターたちが謎に満ちた世界ドリランドを舞台に冒険する、友情と絆の物語です。ソーシャルゲームとの共通点である、仲間とともに戦い強くなるというコンセプトはそのままに、キャラクターたちの隠された謎も解き明かされ、TVアニメ独自の要素を加えておおくりします。なお、今回のTVアニメ化にあたり、集英社「ジャンプSQ.(スクエア)」で漫画「探検ドリランド」の連載が予定されています。また、本TVアニメの商品化をUHA味覚糖株式会社とバンダイナムコグループが検討しています。
IRのイメージイラストを見てわかるとおり、主人公は子どもたちです。
昨今ユーザー数減少が著しかった、グリーのトップブランド「探検ドリランド」。ユーザー数回復のためにグリーが出した答えは、「アニメとマンガで、未成年者を引っ張り込め」だったのですね。これ、コンプガチャの廃止が決まってなかったら、大変なことになってませんか? アニメから入ってきた未成年者が、続々とコンプガチャに嵌って、阿鼻叫喚になったような。おっかねーなぁ。
しかし、未成年者への高額課金が問題になっているのに、その未成年者を狙い打ちにする施策をよく打てるもんです。そういうことを躊躇無くできるから、あれだけの高収入を確保できるんでしょう。
■未成年者の課金率上昇が、これからのソーシャルゲームのターゲット
◆ゲーム業界に詳しい「エンターブレイン」の浜村弘一社長の話
コンプリートガチャで子どもが高額な料金を請求される例は世間が騒ぐほど多くはなく、お金をたくさん使っているのは30代後半の男性が多いのが実態だ。
http://opi-rina.chunichi.co.jp/topic/20120510-2.html
実は、コンプガチャの主要ユーザーは、30代男性でした。これまで未成年の課金率は低かったんですね。
でも批判もあったので、ソーシャルゲーム各社は、年齢別に利用金額の上限を定め、公表しています。
利用金額の上限
15歳以下のユーザー 月間5,000円(税込)まで
16‐19歳のユーザー 月間10,000円(税込)まで
http://www.gree.co.jp/news/press/2012/0423_04.html
「十分とんでもない上限金額だぞ」なんて言ってはいけません。これからは、できるだけ多くの未成年にソーシャルゲームをプレイさせ、できるだけ上限値まで課金させることが、必要になってくるんですから。
そんな中で囁かれる方策が、こちらの記事で紹介した「レベルアップガチャ」です。ガチャをすればするほど、「レアカード出現確率が高いガチャシステム」に切り替わっていくこのシステム。どのように使うのでしょうか?
「課金限度額まで使用すると、来月からレベル2倍アップ!」とやるのです。要するに、毎月毎月5000円なり1万円なり使うことを、ステータスにしてしまうわけですね。そうすれば「ここまで使ったら、限度額いっぱいにした方が得だな」とか、不思議な思考回路も働き始めます。
もちろん、2ヶ月続ければ「3倍アップ!」、3ヶ月続ければ「4倍アップ!」と、どんどん増えていくでしょう。連続して課金限度まで使い始めると、途中で止めづらくなってきます。「ここまで連続して課金限度いっぱいにしてきたことが、無駄になる」という気持ちになるのですね。30代が同じ方法で、大量にやられたのです。未成年なら間違いなく引っかかるでしょう。
こうして、アニメやマンガでユーザー層を広げ、課金限度額目いっぱい使わせる仕込を行う。これが「探検ドリランド」アニメ化から始まる、グリーの目指す展開だと予測します。
さて、どうなるでしょうか?