無料でもアウト プロテクト回避ツール配布で初の逮捕者

これまで、ソフトのアップロード者の逮捕はいくつもありました。しかし、今回違います。逮捕されたのは、自分のサイトでプロテクト回避ツールの無料配布していた大学生なのです。

不正競争防止法違反:サイトに違法プログラム、Wii用提供容疑送検−−県警、全国初 /埼玉」2012年7月4日
県警は3日、任天堂の家庭用ゲーム機「Wii(ウィー)」で違法ソフトが使えるよう改造されたプログラムをインターネットサイトで入手できるようにしたとして、京都府向日(むこう)市の大学生(19)を不正競争防止法違反(技術解除装置等の販売)容疑で逮捕し、さいたま地検川越支部に送検したと発表した。
 
逮捕容疑は、2月28日、自分で運営するサイト「カスタマイズWii」を通じて、不特定多数の利用者が改造プログラムを無料でダウンロードできるようにしたとしている。
 
 県警によると、5月24日現在、ダウンロードは約6500回。大学生は「改造プログラムは海外のサイトで入手した。広告収入をもらえるため2年前から始めた」と供述。10年12月〜今年5月に約26万円を得たという。
 
http://mainichi.jp/area/saitama/news/20120704ddlk11040275000c.html

逮捕容疑は「不正競争防止法違反 (技術解除装置等の販売)」です。しかし報道のとおり、無料でツールを配布していたのですね。アフィリエイトで26万円稼いだと報道していますが、これは今までの理屈なら、「ツールの販売」と判断するには無理があるはずです。にもかかわらず、逮捕されてしまいました。と言うことは「主たる収入」が、「広告収入は、違法コピーツールの配布の副産物である」と断定できれば「販売と同様」である、と判断したということなのでしょうか? 
うーん。本当かいな。裁判で構成要件をどのように満たすのか注目です。
なにしろ、これがアウトならば、書店で売ってる違法コピー指南書の類もアウトになる可能性がありますからね。その辺りがどうなるのかも、興味深いところでしょう。
 
とにかく違法コピー問題は、新たな段階に進んだと言えます。これからは、違法コピーツールのリンクを貼っただけで、逮捕要件を満たすことになるのかもしれません。無料だからオッケーと考えていた、違法コピー情報サイトは、気をつけた方が良さそうです。