グリー、未成年者への上限突破課金で消費者庁から口頭注意

今年も宜しくお願いします。
さて、早速何を書こうかと思った矢先に、グリーがやらかしましたので、ピックアップしたいと思います。

「グリー、未成年に超過課金…733人に返金へ」
ソーシャルゲームは、原則無料だが、有料アイテムを使うと、楽にゲームを進められる。しかし、未成年者に対する高額課金が問題になり、同社は昨年4月から、月額の課金額の上限を15歳以下は5000円、16〜19歳は1万円に設定した。
 ところが、携帯電話利用者のうち、クレジットカードで決済するケースについては設定の対象になっておらず、同社関係者によると、10歳から19歳の733人が上限を超えて利用。1か月間で10万円超を課金された人も30人以上いたという。グリーは昨年9月の内部調査で誤りに気づき、設定を改善したが、「該当者が少ない」との理由から公表も返金も行っていなかった。しかし先月、外部から指摘を受け、発表することにした。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130107-OYT1T00010.htm?from=ylist

この問題、情報を最初に掴んだのは、元切込隊長山本一郎氏だったようです。
そもそも、未成年者への課金制限は、グリーを始めとするソーシャルゲームメーカー各社の、合意で決まったガイドラインに沿っています。ソーシャルゲーム各社は、それぞれガイドラインに沿って、利用規約を策定し、ユーザー登録の際、この課金制限に言及しています。
もちろんグリーもそうですし、ヘルプでも確認できます。

■利用金額の上限
 15歳以下のお客さま:月間5,000円(税込)まで
 16歳以上‐19歳以下のお客さま:月間10,000円(税込)まで

対象となる決済サービス
 ・キャリア決済サービス
 ・クレジットカード
 ・BitCash
 ・楽天Edy
 ・Google CheckoutGoogle Playアプリ向けの決済手段
 ・In App Purchase(iOSアプリ向けの決済手段
 ・PayPal?
 ・WebMoney
https://phelp.gree.net/app/answers/detail/a_id/4543/kw/%E8%AA%B2%E9%87%91/related/1

対象となる決済サービスのクレジットカードの所で、フィーチャーフォンの設定が抜けていたというのが、今回の騒動の原因ですね。
当然約束された制限がかからなかったから契約違反、問題を認識したまま放置したら『詐欺』になってしまうのですが、ここでグリーが超認識を行います。
曰く「クレジットカード決済は未成年者では1%程度であり、影響は限定的」なので、放置したんですね。意味がわかりません。
いや、返金はしていたけど、プレスは打たなかったよということなら、まぁ理解は出来ます。プレスを打つべきですが、まだ理解は出来る。なのに、なんでそこで『積極的な返金もしない』という発想になってしまうのか。
自分たちで策定したガイドラインでしょう。それをユーザーにもアピールして運用してるわけでしょう。それを勝手に「返金しない」と判断するなら、ガイドラインを決めた意味が無いじゃないですか。いや、ユーザーに架空の安心感を与えている段階で害悪ですよ。
『クレジットカード会社が、1人のユーザーから倍の金額を引き落としました。
クレジットカード会社は問題を検討し、1件ならいいやと放置しました』
おいおいおい。返金するだろ、普通。これを733件やらかして、なぜ『限定的』と放置できるのか。
なんと言うかもう、『企業コンプライアンス』という言葉が、相変わらず羽毛より軽い業界であります。
 
■怒る消費者庁

「速やかに公表すべきだ」 森消費者担当相、グリーを口頭注意
未成年者に上限超え課金で内閣府で青少年の健全育成も担当している森担当相は「(内閣府としても)情報収集し今後の対応を検討したい」と話した。
同社は昨年9月に超過課金の事実を内部調査で把握したが、約4カ月間公表してなかった。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130108/crm13010812570009-n1.htm

業界の自主性を尊重している消費者庁ですが、顔に泥をかけられ続ける事態に、ピキピキ来ているようです。山本氏が突っ込まなければ、この問題はそのまま放置されていた可能性が高いわけで、消費者保護の観点からも消費者庁は動かざるを得ない状況です。
業界トップの自浄能力が、これだけさっぱり無いと、消費者庁も守るに守れないというのが本音でしょう。
 
例年通りなら、2月1日か4日にはグリーの決算発表があります。以前から注目されていた海外進出の収益化とともに、グリーの姿勢が改めて問われることになりそうですね。