グリーは終わるのか

日経新聞の報道で、6月期の営業利益が前年同時期比で、なんと7割減となったグリー。即日IRで報道を否定しましたが、この数字は5月の業績下方修正IRの数字とほぼ合っています。予想が確定してしまったと言う報道ですね。

「グリー「営業利益7割減」報道 前期は減収減益」
ソーシャルゲーム大手のグリーが2013年4〜6月期決算で、前年同期比7割減になった公算が大きいと、7月3日付の日本経済新聞朝刊が報じた。主力のゲームでヒット作に恵まれず、課金収入が落ち込んだ影響とみている。
同社は、5月14日に発表した1〜3月期決算で大幅な減収減益と不振だった。このときは、通期業績の下方修正も明らかにしていた。通期決算は8月14日に発表が予定されている。
http://www.j-cast.com/2013/07/03178617.html

 
ただし、理由は「課金収入の落ち込み」となっており、これは新しい情報です。これまでは「課金収入は増加しているが、それ以上にタイトル開発費が増加したため」という理由でしたからね。ついに課金が減り始めたとしたら、ヤバいどころの騒ぎではありません。
また他にもこんなニュースがありました。

GREE、中国に続き韓国も撤退か?」
韓国法人であるGREEコリアは5日、全従業員の緊急会議を開き、コスト削減の為の希望退職を実施すると発表した。”希望退職”は来週から受け付ける予定だ。
GREEコリアではすでに今年初めから開発スタッフの退社が続いており、昨年150人まで達した規模が、現在では約80人までに減っている。
経営活動に必要な外注企業との契約も破棄しているとのニュースも聞こえてきている状況だ。
GREEコリア撤退の根拠は他にもある。6月21日韓国のホームページで”韓国内でサービス中のゲームが会社の都合で突然サービス終了となっても、これに対する費用の払い戻しを行わない”と利用規約が修正された。
http://www.sgame.jp/news/4/13354

中国に続いて、韓国でも撤退のようです。特に最後の規約の変更は凄いですね。ソーシャルサービスの宿命ではありますが、突然サービス停止の可能性は、常にあるわけです。今回の規約の変更で、サービス提供者側が自らそのことを宣言した格好です。
 
■ガチャバブル終焉
パズドラのヒット後、完全に流れが変わってしまったソーシャルゲーム業界。ガチャを中心としたゲームシステムは完全に過去のものとなり、さりとてパズドラのコピーゲームを作っても本家から客が戻ってこない状況が続いています。
DeNA社が海外への市場展開で成功を収めつつある一方、グリーはパッとしません。海外進出タイトルとして大広告を打った「Zombie Jombie」は、遂にアップルストアAndroidストアへの提供を停止。撤退宣言をしないためだけに、システムアップデートもしないまま、稼働中のようです。
今までガチャを中心に、金を吸い上げるシステムに拘泥していたためか、グリーはなかなか次の一手を生み出せません。通期決算は8月14日ですが、このままでは3回目の下方修正という前代未聞の事態になりかねない状況です。
問題は、従来の「当たったソフトのシステムをパクって作れ」という考え方の転換ができるかどうかにかかってると思われます。とはいえそういう声が聞こえてきてから、既に1年以上。そろそろ結果を出さないと、グリーはとんでもないことになるでしょうね。