グリー社外取締役吠える。「ポケモンビジネスはおかしい。ソシャゲと変わらない。 ネットだと悪でリアルはいいのか」

グリー社外取締役、夏野 剛氏のツイートが話題になっております。
突っ込みどころ満載なんですが、本人が本気で言ってるらしいのが凄いです。

夏野 剛 Takeshi Natsuno
@tnatsu
‏「今日のとくダネ!でも言ったが、今はやりの妖怪ウォッチをはじめとするレアカードをゲットさせる子ども向けのポケモンビジネスをやっている企業は少し考えた方がいいと思う。企業がレア感を煽り、親がカードゲットの為に奔走するのはおかしい。ソシャゲと変わらない。ネットだと悪でリアルはいいのか。」
https://twitter.com/tnatsu/status/463129967593664514

 
まず、ここで出てくる「妖怪ウォッチ」ですが、今小学生高学年を中心に大流行している「3DS用ゲーム(レベルファイブ社製)」であります。メディアミックス展開をしておりまして、漫画、テレビアニメ、カードゲームなどが出ています。
夏野氏のツイッターで言及しているのは、バンダイから発売されている「妖怪メダル」のことを指しているものと思われます。この「メダル」は、3DSに読み込ませることでゲームにデータを反映することができますが、現在大人気で売り切れ状態となっており、レア化しています。
が、ここで、夏目氏は勘違いをしております。レア化しているのは、単純に製造が間に合ってないだけです。人気に悪乗りした転売屋なども絡んでいるため、品薄が続いているんですね。人為的に確率を絞って「レア化」を作り出すソシャゲとは、わけが違います。

 
次に、比較対象として出てくる「ポケモンビジネス」も、「レア感を煽ってカードを売りさばく」という理解は間違いです。ポケモンはあくまでもゲームの中で完結していて、「ポケモンカード」は2次的なトレーディングカードゲームの駒なんです。転じてコレクターアイテムとして有名になりましたが、レア感を煽って売りさばいたりはしていません。
もちろん「ソシャゲと変わらない」という同一化も的外れです。上記にも書きましたが、ソーシャルゲームの「レア感」と、ポケモンの「レア商品」とは、全く比較になりません。
 
■「ソシャゲ=悪」宣言をしたのは自分自身
そして「ネットだと悪でリアルはいいのか」という、多分一番言いたかった本音の部分ですが、上記2点を無視したとしてもおかしいことこの上ないです。サービスが終わったら携帯のメモリにすら残らない電子データと、現実にカードとして手元に残るものとは、同一視できないのが当然ですし、そもそもソシャゲが叩かれたのは、「コンプガチャを筆頭とする射幸心を煽る課金システムを導入」したことです。
 
だいたい「おかしい」という「企業がレア感を煽り、親がカードゲットの為に奔走」することが、「ソシャゲと変わらない」などと言ってしまっていいのでしょうか?
グリーの社外取締役が、そんな風に開き直ったら、健全性のために奔走している他のソーシャルゲームメーカーだって困るでしょう。
コンプガチャショック以降、転落の続くグリーにとって、相変わらずヒットを飛ばすポケモン妖怪ウォッチは、目の上のたんこぶなのかもしれませんが、こんな内容をツイートしてるようじゃ、トンネルを抜けるのも長引きそうですね。