中国「属国に戻れ」韓国衝撃。日朝「国交正常化目指す」韓国衝撃。米「韓国にミサイル配備する」韓国衝撃の3連発

韓国セウォル号事故で混乱が続く韓国では、6月4日から地方統一選挙が始まりました。
しかし前後して、立て続けに衝撃的な政治展開があり、韓国が揺れています。
が、その前に、なんで韓国が衝撃を受けているのか、その背景を書いておきましょう。今、韓国が進める国策は、「二股外交」と言われています。ちなみにこの呼び名ですが、なんと自称です。

【コラム】二股外交 (朝鮮日報 2013/04/07)
今、韓国が進むべき道は「二股外交」であり「洗練された中堅国外交」だ。東アジア研究院のハ・ヨンソン理事長(元ソウル大教授)は昨年末、東亜日報の対談記事で「韓国は米国と中国の協力と対立という二重構造の中に置かれている。このため、韓国が二股外交を繰り広げたからといって問題にはならない」と主張した。

問題にならないわけがなかろう、と思うのですが、この「二股外交」路線は韓国人の政治家から国民まで、非常に支持されました。まぁ過去の歴史を見ても、周辺国家に振り回されるだけだった韓国が、大国を相手に上手く立ち回って、しかも日本よりも両大国から必要とされるなんて、夢のような話です。

問題は、これを本当に実践してしてしまったことです。しかもつい最近まで、上手くいってるつもりだったんですね。でも、この2週間ほどで、ドドドンと「夢はやはり夢だった」という事実が浮かび上がってきてしまいました。
 
■中国「朝貢外交に戻れば?」 韓国衝撃「日本と和解しよう」
衝撃一発目は5月15日でした。

「中国の朝貢論 日本の嫌韓論」(朝鮮日報2014/05/15)
少し前、韓中両国の政府関係者による定期交流行事で、中国の当局者が韓国政府の関係者に対し 「朝貢外交に戻ったらどうか」と探りを入れる発言をしたという朝貢外交とは、かつて中国周辺の国々が 定期的に中国へ使節を送り、貢物を納める代わりに中国から安全を保障され、貿易を行ってきた前近代的な国際関係を指すものだ。
中国を中心とする東アジアの国際秩序を形成する上で、韓国の賛同を求めようというわけだ。これに対し 韓国政府の関係者は「過去の朝貢外交の時代のように、両国が緊密な関係を築けば、互いに利益になるのではないかというニュアンスだった。真剣な話ではなかったが、韓国に対する中国の指導者層の認識や内心がそれとなく表れたようで、不快だった」と話した。
 
韓国が、中国の「朝貢論」と日本の「嫌韓論」のはざまで安全保障をめぐって孤立する事態を招かないためには、今からでも中国、日本との関係を立て直し、長期的な均衡外交戦略を打ち出すべきだ

両大国にとって必要な国どころか、中国には朝貢外交時代の属国程度の認識しかなかったという話であります。うまくやっていたつもりの韓国は、中国が過去の属国時代と全く変わらない認識をしていたことに衝撃を受けました。慌てて、日本とも関係を立て直しをすべきと、言い出したわけです。
けれども、そんなことが簡単にできるなら、誰も苦労はしません。衝撃覚めやらぬうちに、第二弾が来たわけですね。
 
■日朝会談進展 韓国衝撃「韓米両国は発表直前に連絡を受けた。内容も知らない」 米「事前の通知を受けている。連絡は定期的」
5月29日、どうせ決裂するだろうとタカをくくっていた日朝会談が、電撃的な合意に至ります。まぁ、実際に拉致問題が劇的に解決するかは、それほど日本人も信じていないでしょうが、韓国にとって「制裁措置解除」「国交正常化」まで踏み込んだことが衝撃だったのです。
と言うのも、これまで韓国が中国に擦り寄る最大の理由が、「北朝鮮に対して影響力を行使できるのは中国のみ」(韓国海洋戦略研究所主任研究員 尹碩俊)ということだったからです。だから韓国は、中国と協力関係を強める必要があるのだ、と言ってきたのですね。もちろん実際に、北朝鮮への影響力は中国が一番持ってるのですが、『中国のみ』という認識は間違ってます。
実際、日朝会談は進展し、国交正常化まで言及されてしまいました。完璧に予想外だった韓国は、影響力を低く見せるためにヘンな報道を連発します。

「米韓との協調にひび」中央日報2014/05/30
韓日米の安保討議(DTT)がワシントンで開かれるなど「対北朝鮮三角共助」を通じて韓日間の協力も少しずつ進展を見せるようだったが、日本がここに再び冷水を浴びせことになる。

DTTで、日韓の協力体制はむしろ肩透かしに終わったのですが。

「韓国高官「日本が北を支援すれば米国が黙っていない」」朝鮮日報2014/06/03
韓国政府のある高官は2日「日本が北朝鮮に意味のある食糧援助を行うようになれば、米国が黙っているはずがない」と述べた。

人道問題の解決にアメリカは好意的とわかり、アメリカが怒ってるぞ的な記事は、この後だんだん無くなっていきます。

「拉致再調査:北の対南工作機関が日本との交渉に関与か」朝鮮日報2014/06/04
北朝鮮と日本が日本人拉致問題の全面的な再調査と対北朝鮮制裁の解除について合意する過程で、北朝鮮の対南(韓国)工作機関「225局」が積極的に関与していた。日本の産経新聞が3日付で報じた。

なんか辣腕工作機関に日本が踊らされた的な印象を受けますが、元記事を見ると、廃止寸前の機関だったりします。
 
さて、なんでこういう記事が踊ってるかと言いますと、韓国の相対的地位が下がるのではないかと危惧しているからですね。

「安倍首相の“ワンマン”対北政策…韓国が受動的立場となる状況も」中央日報2014/05/31

韓国政府としては日本が対北朝鮮問題で主導権を握り、韓国が受動的になる最悪のシナリオに備えなければならない状況だ。南北関係が悪化している局面で発生した“日本変数”に緻密に対処すべきだという指摘が出ている。
過去の問題をテコに対日関係で攻勢局面だった韓国の位置づけは弱まるしかない。
http://japanese.joins.com/article/958/185958.html?servcode=500§code=500

韓国的認識では、どうも「過去の問題をテコに対日関係で攻勢局面だった」らしいのです。能天気な日本人ですと、韓国の攻勢局面なんてあったんだ、と思うかもしれません。いわゆる「ツゲグチ外交」が、「攻勢」を指していたとするならば、「日本をもっと攻めてやれ」と「ツゲグチ外交」がヒートアップしていく状況も理解できるというものです。
さて、これだけで既にオーバーヒート気味の韓国に更なる衝撃が襲います。
 
■在韓米軍司令官「在韓米軍への配備を要請した」

ミサイル防衛めぐり米中の間で苦悩する韓国」朝鮮日報2014/06/04
カーティス・スカパロッティ韓米連合軍司令官(在韓米軍司令官)は3日、THAAD(戦域高高度防衛ミサイル)の在韓米軍への配備を要請したと公式に発言した。この発言に伴い、一時は水面下に隠れていた米国のミサイル防衛(MD)システムへの参加問題が再び浮上している。
在韓米軍首脳部が公の場で言及したのは、韓国政府と軍はこれ以上THAADやMDの問題であいまいな態度を取り続けるべきではないとのメッセージ、という分析もある。
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/06/04/2014060400867.html?ent_rank_news

一度も沈下していないのに、「再び浮上」とか、「あいまいな態度を取り続けるべきではないとのメッセージ、という分析もある。」いや他に考えられないだろ、とか。いろいろ突っ込みどころがありますが、今度は「二股外交」のもう一方の大国、アメリカから最後通牒に近い言葉を突きつけられたのですね。
しかも今回は、これまでの「韓国軍への配備」ではなく、「在韓米軍への配備」ですから、拒否が難しい内容です。これを断ると、アメリカが日本とだけ連携する可能性があると誰でも思うでしょう。
 
中国に軽んじられ、日本に軽んじられ、アメリカに軽んじられる。韓国は今、二股外交の大きな代償を払わせられようとしているのです。にも関わらず、今の危機的状況を本当に理解しているのか、認識してなさそうなところが心配です。
おりしも地方選では、与党に逆風の状況という結果が出そうです。二股外交などという難しいことを目指さず、もっと単純に大国の傘に入って静かにしていた方が、結局は利益を得られるのではないでしょうか。