韓国との桜起源論争が決着? これから本格化する「ソメイヨシノ『戦犯花』」策動を見逃すな

長らく続いてきた韓国による「ソメイヨシノ韓国起源説」に新たな流れが生まれております。

「済州か日本か…ソメイヨシノ起源めぐる110年論争に終止符」中央日報(2018.9.13)
今回のゲノム分析の結果、済州の王桜は済州に自生するシダレザクラを母系、ヤマザクラを父系として誕生した第1世代(F1)自然雑種と確認された。 日本のソメイヨシノはシダレダクラを母系、オオシマザクラを父系とし、数百年前に人為的な交配を通じて作られた雑種という。済州の王桜と日本のソメイヨシノはともに雑種だが、別の種だ。
北東アジア生物多様性研究所のヒョン・ジンオ所長は「韓国国内に庭園樹や街路樹として普及した王桜の大半は済州の王桜でなく日本のソメイヨシノである可能性がある」とし「日本のソメイヨシノを済州の王桜に変えていかなければいけない」と指摘した。
https://japanese.joins.com/article/129/245129.html?servcode=400§code=400

様々な科学的証拠を無視してきたにも関わらず、突然マトモになったかのような結論を、中央日報が報道しております。
そもそもソメイヨシノは、自生できない園芸種であることは、はっきりしているわけで、自生している韓国の王桜は、別の桜であることは明らかでありました。
 
■スーパーバランスの上に立つソメイヨシノ
ソメイヨシノは「自家不和合性」であり、自家受粉しません。ソメイヨシノの雌しべにソメイヨシノの花粉をつけても、できた種は発芽すらしないのです。
ではソメイヨシノの親同士、オオシマザクラエドヒガンとを掛け合わせると、ソメイヨシノができるのでしょうか? できません。オオシマザクラ系の親が強く出ると花が白くなり過ぎて、遠くから見るとピンクなのに、近くによると白く見える絶妙な配分にならないのです。そしてエドヒガン系が強く出ると、今度は花の色がピンクになり過ぎてしまいますし、シダレザクラ系なので、横に大きく広がった豪華な咲き具合になりません。
園芸種だというのは、そういう意味なのです。おそらく咲いた状況を予想して、オオシマザクラエドヒガンの種も厳選に厳選を重ね、出来上がったソメイヨシノ候補の中でも、さらに淡い白に近いピンクながら横や縦に豪華に広がる種を、選び抜いて「ソメイヨシノ」と命名したのだと思います。ですからソメイヨシノは、「ソメイヨシノの亜流」すら存在しません。ソメイヨシノに、オオシマザクラとかエドヒガンを受粉させても、ソメイヨシノとは呼びません。それは普通にオオシマザクラエドヒガンです。
韓国の王桜は、そもそも父系がオオシマザクラでなく、ヤマザクラですから、最初から全く別の系統です。こんなことは何年も前からずーっと言われてきたことなのですが、韓国はまるで認めてきませんでした。
でも、今回大々的にゲノム調査を行って、ソメイヨシノと王桜が別種のものであると結論したのです。なぜでしょうか?
 
■『戦犯旗』と同じ流れがやってくる
「韓国がソメイヨシノ粘着をやめた。良かった良かった」なんてことで、終わるわけがありません。あの韓国が。そんなわけがない。
実は日本の外交の一つに、「桜外交」があります。アメリカのワシントンなんかが有名ですが、各国と友好関係を築くため、桜を寄贈し、毎年「桜祭り」を開催するのですね。昔から韓国は「ソメイヨシノは韓国産」としてこの日本の「桜外交」にタダ乗りしようとしてきたのですが、失敗してきました。で、数年前から方向転換したわけです。

「日韓の「桜の起源論争」は収束 今度は「日本軍国主義の象徴」と攻撃」2015年7月16日
韓国紙最大手「朝鮮日報」の日本語電子版(2015年7月14日)のコラムによると、オランダ・ハーグの国際刑事裁判所ICC)新庁舎建設に当たり、14年に日本が庁舎の周囲を桜の木で囲むことを提案してきた。そのため韓国は「絶対反対」と声を上げ外交合戦を繰り広げている、という。反対の理由は、日本の桜が軍国主義の象徴だからで、帝国主義国日本は「天皇のため桜の花びらのように散れ」と扇動し、若者を戦場に送ったり、学徒兵に桜の枝を渡して戦場に送り出したりした。また、「神風特攻隊」の戦闘機には桜の花が描かれていたし、軍人の階級章も桜だ、と説明した。
http://news.livedoor.com/article/detail/10357395/

狙うのは、第二の「旭日旗は戦犯旗」運動であります。ご存知の通り旭日旗の図案は、戦争関係なく大昔から使用されてきました。朝日新聞も社旗に使ってるくらいですから。もちろん朝日新聞の社旗の図案も、戦争より遥か昔からあの図案であります。しかし、この「戦犯旗」運動はそれなりに成果を収めていますので、これをソメイヨシノにもやってやろうとしているのですね。
つまり「ソメイヨシノは戦犯花」運動であります。でも、そのためには韓国の王桜が「ソメイヨシノと同じもの」では困るわけです。当たり前ですね。「戦犯花」「戦犯花」って叫ぼうとしているのに、自分たちの国にある桜が同じじゃ本末転倒です。どうにかして「王桜はソメイヨシノより上だ」という形にしなければ。
で、わざわざ専門誌に論文発表をして、ソメイヨシノが王桜と違うことをアピールしたわけです。難しいことをしなくても、実際違うものなのですから、簡単な話です。というか今までが無理筋過ぎたのですね。

さあ、これから「ワシントンには、ソメイヨシノのような『戦犯花』ではなく、王桜を植えるべき」といった圧力が始まる可能性があります。さらには「韓国との友好を祈念して、王桜を植えて、毎年桜祭りを行う」といった日本の「桜外交」丸パクリをやってくる可能性もありますね。これまで眺めてるだけで害はなかったソメイヨシノ起源論争が、「戦犯花」の名の下にバトルモードに突入するわけです。
「良かった。これで解決ですね」なんて喜んでられませんよ。桜をめぐる韓国との戦いは、これからが本番です。