韓国不買運動はどこに効いたのか 脱出する日本企業、悲鳴を上げる在日企業

韓国の破棄宣言から、早1か月が過ぎる「韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)」。韓国側の報道からは、日本の沈黙が予想外と言った反応が出てきています。

 

「1カ月になろうとしているのに少しも動かない日米…GSOMIA「心肺蘇生」は可能か」2019年09月17日

先月22日、韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の終了決定以降、1カ月近く時間が流れたが、日本が少しも動かないため「GSOMIAカード」の実効性に対する疑問が韓国政府内にも広がっている。弱り目に祟り目で、予想より強い米国の否定的反応に逆風の懸念まで出ている。

https://japanese.joins.com/article/696/257696.html

 「日米が両方とも破棄するな、と言ってくる。これは交渉カードになるに違いない」。例によってこのような「韓国思考」によって、行動してしまった韓国政府。

しかし予想に反して、日本は「破棄は残念」としか言わず、アメリカは韓国の「破棄の批判は自重せよ」との言葉に応じるつもりは無いようです。

 

■「暴走韓国」 今度は在韓米軍基地を叩く

「米政府、韓国のGSOMIA破棄に「失望」=再び強調」2019/08/29 

日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)破棄の決定と関連し、韓国政府が米国側に「批判発言の自制」を要請。しかし、米政府の高官らは28日(現地時間)、なおも相次いで批判のメッセージを発信した

https://www.wowkorea.jp/news/korea/2019/0829/10240739.html

まぁ当たり前と言えば、当たり前であります。メディアの前で抗議されたハリス大使はアメリカの全権大使。その言葉はトランプ大統領と同じという位置づけです。韓国のやったことは、トランプ大統領を呼び出して、発言の自制を要請し、それをメディアで吊し上げにしたのと同じなわけですから、アメリカが怒らないはずがありません。

にもかかわらず、韓国政府は在韓米軍基地の「早期返還」を推進することを決定しました。

青瓦台「米軍基地の早期返還を」…「GSOMIA葛藤」圧力カード?」2019年08月31日

政府はこの日の発表について「定められた手続きに基づいている」という立場だ。しかし韓日の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)終了決定で韓米関係が冷え込んだ時点に発表されたという点で微妙な波紋を呼ぶと予想される。米軍基地返還問題は韓国が米国を相手に攻勢的に使える「カード」であるからだ。

https://japanese.joins.com/article/138/257138.html

「韓国が米国を相手に攻勢的に使える「カード」であるからだ」って、本気ですかね。散々トランプ大統領が「基地縮小」だの「米軍撤退」だのに言及してますが、あれは単なる交渉術で、本気じゃないと思ってるってこと? まぁ確かにトランプ大統領は「貰えるものは貰っとけ」という精神ですが、撤退できるなら何時でも在韓米軍を引き上げて良いと考えてると思いますよ。

この辺りの「アメリカは韓国を必要している」という一方的な「韓国思考」が、事態を悪化させているんじゃないでしょうか。実際に米軍司令部は、早々に撤退できると発表しています。

 

「在韓米軍 「15の基地はすでに閉鎖し、早期返還可能」」2019-09-18

在韓米軍司令部は18日、報道資料で、「26の韓国駐留アメリカ軍基地 のうち、韓国政府が早期返還を要請したキャンプ・イーグル、 キャンプ・ロングなど4つを含む15の基地は、すでに移転し、閉鎖されたため、早急に韓国側に返還できる」と明らかにしました。

http://world.kbs.co.kr/service/news_view.htm?lang=j&Seq_Code=73369

 いまから「やっぱりそのまま駐留して」と言っても、もう戻らないでしょうね。

 

不買運動直撃は在日韓国企業

韓国の不買運動によって、韓国人旅行者が減っています。これまで彼らによって観光事業が支えられてきた九州地方や対馬などが、特に影響を受けています。

 が、まず大きな影響を受けているのは、韓国人観光客向けの在日企業のようです。

 

「韓国客減 観光地悲鳴 「このままでは倒産」 「秋夕」も予約少なく」2019/9/12

韓国の旅行大手「旅行博士」の日本法人(福岡市)の黄教允社長は「リーマン・ショックなどの経済問題ではなく、政治問題でこれほど客が減ったのは初めて」と話す。昨年の秋夕は40組のパッケージツアーを取り扱ったが、今年は1組のみ。年間の売上高が半減する可能性も出てきた。

https://www.nishinippon.co.jp/item/n/542744/

よく考えれば当然なのですが、第一に影響を受けるのが日本企業とは限らないんですね。韓国人旅行者相手の韓国旅行業が、大きく影響を受けるのは当たり前です。

 

「韓国官邸、大型連休中に記者団呼び「自画自賛」」2019/9/20

外国人の直接投資は、前年同期比36%も減少した。韓国企業と外資系企業が韓国を離れる現象が加速化しているということだ。 日系企業AGC(旧旭硝子)をはじめ、日立造船日産自動車まで、最近の日本製品不買運動によって、日本企業が相次いで韓国を離れる恐れが強まっている。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190920-00010000-socra-int

では「肝心の日本企業の方はどうなのか」と言うと、もちろん不買運動の影響はありますが、それはつまり「カントリーリスク」なので、「撤退」という選択肢になるわけです。

もともと、一つの国に依存する経済形態に問題があるわけで、この機会にリスク分散に取り組むのは、正しい経済の在り方と言えるでしょう。

 

■またまた囁かれる日韓スワップ

 9/11にアメリカの格付会社、ムーディーズが韓国企業19社を「ネガティブ」になった警告する報告書を公開しました。続いて米S&Pがやはり警告する報告書を公開しました。

 

「S&P「韓日貿易紛争が長期化なら韓国がやや不利にも」」2019年09月19日

S&Pは「韓国が日本から輸入する機械装置、高純度化学物質、部品および素材は、電機・電子とIT製品を含む韓国産業生産量の約2-4%を占める」と伝えた。続いて「韓国経済で日本が占める比率は減少しているが、絶対的比率が大きくないとしても貿易紛争が長期化する場合、企業が新規調達先を確保して日本からの輸入を完全に代替するのは難しいかもしれない」と指摘した。

https://japanese.joins.com/article/757/257757.html

上半期は何もいい情報が無かった韓国だけに、下半期に一気に企業評価の格下げが起きるかもしれません。そもそも日本の輸出管理が強化され前から、韓国経済の低迷は問題になってました。韓国政府は「日本のせい」にするつもりでしょうが、このまま何もしなければ、年度どころか年を越す前に、大変な事態になってしまうかもしれません。

そんな中、安全弁として、またも日韓スワップの要望が、韓国から出てきています。

 

「国家としてのプライド0、今更「通貨スワップ」を日本に要望! 情けない韓国」2019年9月23日

2019年9月22日、韓国のCBSは、ウン・ソンス金融委員長が、日本との通貨スワップ再開を希望する意思を明らかにしたと報じた。

http://www.globalnewsasia.com/article.php?id=5902&&country=1&&p=2

記事のタイトルでは、「プライド0」と過激な文言が踊ってますが、むしろ高いプライドがあるから、平然と日韓スワップに関する言葉が出てくるんです。

「韓国思考」では、加害者(日本)は被害者(韓国)に奉仕すべきと考えますから、むしろ「日韓関係の改善の良い機会だ」ぐらいの考えですね。

前朴大統領がいみじくも「1000年立場は変わらない」と言ったのは、まさにその通り意味なのです。で、謝罪しようが金を出そうが、「もう謝罪はしたので、二度としない」と言ってしまうと、「真正性が無い」って言われてしまうのですね。

でも不思議です。2018年の韓国と北朝鮮の間で行われた「板門店宣言」では、「相手方に対する一切の敵対行為を全面的に中止」 とうたったはずなのに、北朝鮮はミサイルを発射しまくり、韓国を罵倒しまくっています。北朝鮮の行動は、「真正性が無い」はずなのに、そのことを韓国は指摘しません。

韓国の言う「真正性」が、相手によって変わるのなら、そんな理由で国際条約を破れると考えること自体不可能です。

結局日本は、韓国の言うことを「マトモに受け取る必要が無い」ということになります。ですから、今後は「真正性という言葉を恣意的に運用する以上、その言葉を協議に持ち込むことを認めない」と宣言したらどうでしょうね。相手のよくわからない論理に振り回されないために、外務省は一線を引いた方がいいと思いますよ。