「GSOMIA継続で輸出管理撤回を引き出せ」 相変わらず韓国は暴走中

10/22に行われる「即位礼正殿の儀」。韓国の李洛淵首相が参列することが決まっていますが、このタイミングを利用して、日韓関係を『正常化』しようと頑張っているようです。
 
■安倍首相の「韓国は重要な隣国」発言に色めき立つ
10/16の参議院予算委員会で行われた安倍首相の発言を、韓国各紙は一斉に報道しました。

「安倍首相、李洛淵首相の訪日控えて「韓国と対話継続しなければ」」中央日報(2019.10.17)
たとえ短い分量ではあるものの安倍首相が対話の必要性に言及したのは、今月22日に李首相が徳仁天皇即位式への出席を契機に22日から24日まで訪日することに先立ち、韓日関係改善の必要性が提起される日本国内の世論を意識したものとみられる。
https://japanese.joins.com/JArticle/258630

日本にそんな世論はあったかな? と思いますが、安倍首相が韓国との対話の重要性について発言したのは、久しぶりですので、その理由を探さないといけないわけですね。
もともと、李洛淵首相を「知日派」として日本が期待しているという認識が、韓国にはずっとありまして、そういう報道がたくさんありました。

「李首相が天皇即位の礼に参列へ、日本で期待感」東亜日報(2019.10.15)
李首相が5月中旬、「司法手続きが行われているのに、政府が出て何かをするのは、三権分立の原則に合致しない」とし、一部要人は失望感を示した。にもかかわらず依然として官僚社会では、「韓国で話が通じる人は李首相」という認識が強いという。
http://www.donga.com/jp/article/all/20191015/1874677/

この「日本側の『官僚社会』ってどこやねん」って思いますが、外務省なんでしょうね、おそらく。日本側としては、文大統領に期待できない裏返しの言葉なのでしょうが、韓国側はそう素直に取りません。
「一度期待外れの発言をしたのに、諦めない日本」→「日本は韓国と和解したくて、そのタイミングを探している」
と、こんな理解をするのですよ。
確かに筆者も、文大統領より李首相の方がよっぽど話が通じるだろうな、と思います。しかし、話が通じようが何だろうが、今の韓国は文大統領の独裁状態なんですから、李首相に何か期待しても意味が無いんですよ。だから「李首相に期待するか?」と問われたら、「文政権の間は何も期待できない」と答えとけばいいのです。そうじゃないと、今の韓国はまた変な方向に暴走するだけなんですね。

■GSOMIAは切り札足り得るのか
李首相が以前「経済報復を撤回すれば、GSOMIA破棄を再検討する」と発言したせいか、未だに韓国内ではこの二つの問題をセットにする報道ばかりです。

「韓国首相、22日に訪日…安倍氏と会談の可能性」2019.10.14
日本としても強制徴用者問題の解決法が用意されないまま「貿易規制(ホワイト国リスト排除)-GSOMIA(韓日軍事情報包括保護協定)」問題について話し合うことを負担に思ったものとみられる。
https://japanese.joins.com/JArticle/258510/

しかし、GSOMIAは当ブログで指摘してきたとおり、「軍事情報共有協定」ではありません。「軍事情報包括保護協定」です。情報の保護、つまり第三国への漏洩防止を目的にした協定です。日米韓の中でどこが情報漏洩しそうかを考えたら、韓国の足枷が目的である協定なのは明らかです。
それだけではありません。GSOMIAの更新は毎年あるんですよ。もしこれで交渉できてしまったら、毎年更新を渋って、無理難題をゴリ押しできてしまうじゃないですか。日本も、もちろんアメリカだって、そんなことは望んでいないでしょう。
ただ、既にGSOMIAは再延長済みという分析もあったりします。

「韓国、GSOMIA破棄撤回への下準備が進行中。日本に頼るしかなく、北のSLBM発射で観念=勝又壽良」
米統合参謀本部は10月2日(現地時間)、マーク・ミリー同本部議長が米国防総省で、日本の山崎幸二統合幕僚長、韓国の朴漢基(パク・ハンギ)合同参謀本部議長と1日に会い、北東アジアの平和と安定のための多国間協力を活用することで合意したと発表した。日本の防衛省統合幕僚監部も3カ国の軍制服組の会談結果を発表している。
だが、なぜか韓国合同参謀本部だけ、公式結果の発表をしなかったのだ。
https://www.mag2.com/p/money/783465/2

 2日に韓国が日本に対して、GSOMIAに基づく情報提供を依頼してきましたが、それは日米韓の軍事部門の責任者が会って、「多国間協力を活用することで合意した」と発表したせいだ、というわけですね。
これが本当なら、李首相は日本の輸出管理強化について交渉する材料自体持ってないことになるんですが、果たしてどうなのでしょうか。

■中国に全面降伏したハンギョレ
そんな中、ハンギョレ新聞がGSOMIA継続できない理由として、「中国が怖いから」と本音をブチ撒けました。

「韓日GSOMIA終了、その先にある問題」2019-10-16
韓国は、米・日とは違い、中国を現実的脅威としては認識しない。たとえ潜在的な中国脅威を認めても、現実的に中国を敵対視するいかなる集団防衛体制にも参加できない。中国を頭に載せて生きる朝鮮半島地政学的運命といえる。
http://japan.hani.co.kr/arti/opinion/34666.html

 「地政学的運命」と言ってますけど、それって「永遠に中国に逆らえないことを運命として許容する」ってことですよね。潜在的な脅威を認めても、現実的な脅威としないなんて、中国に対する土下座ですよ、土下座。
日本やアメリカに対して強硬な姿勢を貫いてきたハンギョレ新聞が、中国に対してここまで低姿勢の記事を掲載するなんて、ある意味凄い話です。日本人もアメリカ人も、到底理解しにくい思考でしょう。
でも理解しにくくても、「韓国はそういう国なのだ」と納得するしかありません。アメリカが遂に韓国を切る決断をしたという報道がチョロチョロ出てきていますが、日本も韓国の位置づけを再設定して、対応していく必要があるのだと思います。
李首相への期待のように、「韓国の覚醒」に望みを持つような姿勢が、相変わらず外務省内部にあるようですが、そろそろ目を覚ますのは自分たちだと気付いて欲しいものです。