<徴用工問題>韓国に30日の期限を切った日本 テーブルに着かせるための反撃を

日本が「徴用工問題」の協議開催要請への返答を、30日に切りました。

「韓国に30日以内の返答要請 徴用工訴訟協議で日本政府」2019年1月13日
日本政府が韓国政府に、1965年の日韓請求権協定に基づく協議開催要請への返答を30日以内に出すよう求めていると報じた。協定に今回のような外交上の協議要請への回答期限についての規定はなく、韓国政府は慎重に検討を進める方針。
聯合は、期限の設定が「一方的だ」として、韓国外務省内で反発も出ていると伝えた。
http://news.livedoor.com/article/detail/15868516/

なんだかんだと引き伸ばしにしてきましたが、10日に行われた文大統領の年頭会見で、ついに解決する気なしと見限った格好です。韓国側は「一方的だ」と反発しているようですが、大統領自身が「一方的に」不満があっても諦めろと言ってのけたことを忘れてもらっては困ります。いつもどうしてここまで、自分のことを棚に上げるんでしょうね。
 
■韓国政府は待ってても対応しない

「文氏「日本はもう少し謙虚に」「判決尊重せよ」」
昨年10月の韓国大法院(最高裁)判決について、「韓国政府は三権分立により判決を尊重しなければならない」と強調した。その上で「日本は不満があっても、基本的にはどうしようもないという認識を持たなければいけない」と述べ、日本側も判決を尊重すべきだとの認識を示した。
文氏は、徴用工問題は「韓国政府が作り出したものではなく、過去の不幸な歴史によって生まれた問題だ。日本政府はもう少し謙虚な姿勢を示さなければいけない」と指摘した。
https://www.yomiuri.co.jp/world/20190110-OYT1T50063.html

いやー、遂に本音が出たって感じですね。
これって「日本は韓国側の判決に不満があっても、どうしようもないから諦めろ」って言ってるのですよ。凄いですね。なんで国際条約無視して他国の法律に、日本が従うのを当然とするのでしょうか。
それに文大統領は、「三権分立」の意味を理解していません。「三権分立」とは、政府、議会、司法が「それぞれ不可侵である」という意味ではありません。それぞれの権力が「権力の濫用をしないよう、相互に監視し抑制すること」を指します。司法が暴走したら、議会や政府がそれを止めないといけないのです。弁護士の癖に文大統領は、何を言っているのでしょうか。
日本としては、協議する気が無いなら、その気になるよう対抗策を取るのは当然のことです。問題はそれをどうやって実現するかですね。当ブログとしては、最高裁判決の後、強制執行が行われる前に、警告を与えるべきと主張してきました。

「<募集工問題>韓国政府の残念な「立場文」全文 次の三菱重工判決での対応が重要に」
■日本企業への強制執行は、「日韓投資協定」に基づき訴えよ
韓国政府の対応を待っている間に、最高裁強制執行を掛けない様にしておかないと、また後手後手の対応になってしまいます。
http://d.hatena.ne.jp/tenten99/20181107/1541602770

しかし実際には、裁判の執行命令が出され、新日鉄住金の株式8万1075株が差し押さえられることになり、譲渡や売買ができなくなりました。私は日本政府のこの対応は「遅い」と考えます。
今回の文大統領の発言を見てもわかるとおり、韓国側に交渉のテーブルに着く気はさらさらありません。日本はまず、『韓国が何かやる前に』「やばい! 日本は本気だ! 交渉しないと損をする!」と韓国に思わせる反撃が必要なのです。
 
■反撃は中国式を見習うべし
とはいえ、いきなり過激な制裁を宣言したり、行ったりすることには反対です。

「徴用工問題で日本政府が対抗措置の検討を加速 ビザや輸出の制限など」2019年1月11日
自民党が11日に開いた外交部会・外交調査会合同会議で挙がったように、対抗措置として、長嶺安政駐韓大使の召還のほか、韓国人への短期滞在査証(ビザ)免除措置の撤廃や就労ビザの発給制限、韓国への特定物資の輸出制限などの検討が進められている。
http://news.livedoor.com/article/detail/15861407/

自民党の外交部会に出た案を見てみましょう。

  • 「大使の召還」は余り意味がありません。過去の同様の事例を見ても、結局なんやかや理由をつけて、また大使を戻すことになるからです。そもそも韓国にとって、別に損になりません。反撃するなら、「この方策は韓国にとって損になるか?」という視点が欠かせないのです。
  • 「短期滞在査証免除措置の撤廃」(ビザ復活)は、日本の観光事業にダイレクトに影響する案件です。簡単に執行できません。「韓国の損になるか」という視点でも、まず金銭的に日本のダメージがあるのですから、余り良い手ではありません。

たとえやるにしても、いきなり「ビザ復活」ではない方法があります。たとえば入国期間の縮小です。現在ビザ免除の「短期滞在」は、「90日以内」の入国期間となっています。3ヶ月っていうのは、旅行にしては随分長いですよね。ブルネイが15日ですから、韓国もブルネイと同レベルに縮小するというのはどうでしょうか。普通の観光客には影響が少ないでしょうが、ビジネス目的にも関わらず、ビザを取っていない韓国人にかなりの影響が出ると思います。

いずれにしても、反撃は大先輩である中国を参考にするべきですね。中国はTHAAD問題で、韓国に経済制裁を行いましたが、一度も「制裁を行う」と宣言していません。でもちゃんと効果のある制裁を成功させています。日本は、こういうガチンコの斬りあいの経験が少ないですから、経験者に学びましょう。
 
■まだある日本の反撃方法
中国が行ったTHAAD制裁で、観光客の渡航制限が韓国にかなりのインパクトを与えたのはご存知の通りです。日本の場合はあそこまで強引にできませんが、似た対策は効果を出せるでしょう。それが「渡航危険レベルのランク上げ」です。
別に制裁だと宣言する必要はありません。現在、韓国は史上稀に見る大気汚染で大変なことになっており、なんと公共機関の車両の運行が禁止されたりしています。

【写真】PM2.5で非常事態…公共機関の車両が運行禁止に=韓国・ソウル(2019年01月14日)
首都圏に今年初めての粒子状物質(PM2.5)非常低減措置が発令された13日、釜山市海雲台プサンシ・ヘウンデ)と広安里(クァンアルリ)一帯がかすんで見えている。
首都圏は行政・公共機関車両のうち、ナンバーが偶数の車両のみ運行され、ソウルは公共機関車両全体の運行が禁じられる。
https://japanese.joins.com/article/081/249081.html

韓国では何かしら問題が起きてますので、それを理由に渡航危険レベルのランク上げは可能だと思います。
 
日本のように正面から戦うだけが外交戦ではありません。韓国の動向を見てください。

「韓国「1965年請求権協定の補完」 日本に逆提案を検討」
ボールを渡された韓国政府が実際に慰安婦、サハリン同胞帰国支援、韓国に居住する原爆被害者に対する賠償問題などを含むパッケージ協議を日本に要請する場合、これは「65年請求権協定体制の補完」という新しい話題を投げかけることになる。
https://japanese.joins.com/article/070/249070.html

対抗主張を混ぜて、議論を拡散させる韓国の方法は、火器管制レーダー照射事件でも散々見られました。また同じ手を使って、本筋を見えなくしようとしています。日本は、「表の反撃」と「裏の反撃」を同時に展開して、韓国の手に乗らないよう上手く主導して行って欲しいですね。