反日親北政権誕生 能天気な韓国に迫る様々なリミット

危なげなく反日親北政権が韓国に誕生しました。以前指摘したとおりの展開です。反日親北政権が生まれる韓国 従軍慰安婦合意破棄にどう対応すべき? - 東京のはじっこで愛を叫ぶ(反日親北政権が生まれる韓国 従軍慰安婦合意破棄にどう対応すべき?)
韓国の報道を見ていると、外交問題では米中の動向についての言及はありますが、情報を正しく分析しているか心配になる面が多々あります。たとえば外交面では、北朝鮮情勢の緊迫具合がまるでわかっていません。また経済面では、大量に入った外国人投資家からの買注文で相場高騰していることから、「政権交代で景気改善」という声が高まっています。まぁ、大統領空席の状態より安定しますから買い注文はあるでしょうが、景気改善の空気とまで言えるのでしょうか? 一つひとつ見ていきたいと思います。
 
アメリカは北朝鮮への先制攻撃を決意した

「トランプ氏「習主席は10秒沈黙」シリア攻撃報告は食後」2017年4月13日
両首脳は首脳会談初日の6日夜、フロリダ州パームビーチのトランプ氏の別荘で夕食をとった。食事を終え、チョコレートケーキを楽しんでいた時、トランプ氏が話を向けた。
国家主席、あなたに説明したいことがある」。こう切り出し、「我々はたった今、59発のミサイルを(シリアに)発射したところです」と説明した。
 習氏は10秒間沈黙した。
http://www.asahi.com/articles/ASK4F4F83K4FUHBI020.html

なんだこの映画みたいな演出。
まぁ、北朝鮮が6度目の核実験をした場合、「アメリカは先制攻撃を行う」と習近平国家主席に分かりやすく脅しをかけたということですね。ネタにされたシリアはいい面の皮ですけど。しかし、こういうアメリカの本気度を示す中国への脅しは、トランプ就任の直後からありまして、確かに中国に効きました。それまでほったらかしだった中国と北朝鮮との輸入関係がストップしたのです。

北朝鮮の石炭輸出、200分の1に激減 中国が購入停止」2017年5月6日
北朝鮮による3月の石炭輸出量が6342トン(約58万ドル)となり、いずれも100万トンを超えていた1、2月に比べて激減したことがわかった。国連安全保障理事会北朝鮮制裁委員会が5日までに公表した。最大の輸出先だった中国が2月、北朝鮮産の石炭輸入を停止したことが背景にある。また、中国の対北朝鮮制裁をめぐり、中朝メディアが互いに非難しあう事態にもなっている。
http://www.asahi.com/articles/ASK564F32K56UHBI00Q.html

アメリカの先制攻撃を傍観するわけにいかない中国としては、アメリカが手を付ける前に軟着陸を模索し始めたわけです。韓国側に「THAAD再交渉」を掲げる反米一歩手前の政権ができたこともあり、千載一遇のチャンスを無駄にはしないでしょう。

 

■中国も北の非核化を決意した

アメリカへ介入口実を明確に与えたことで、既に中国にとっても北朝鮮はお荷物になっています。金正恩は、中国とのパイプ役だった保守派の重鎮を処刑するなど暴走しており、上に引用した記事のとおり、中朝で今までなかったマスメディアの非難合戦が起きています。中国としては、北朝鮮を切る決断をしたと思われます。というのも、中国が北朝鮮に警告を出したのですね。

「中国、北朝鮮に「核実験強行なら独自制裁」警告=米国務長官」2017年4月28日

中国が、北朝鮮に対し、核実験に踏み切った場合、独自に制裁を課すと警告していたことが明らかになった。

http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/04/post-7513.php

アメリカが介入して親米政権作られるくらいなら、自分でやった方が良いと、中国が考えるのは当然です。つまり、米中による北朝鮮先制攻撃は、事実上合意がなされたと見た方がいいでしょう。もう既に米中の関心は「北朝鮮以後」を見据えているのではないでしょうか。

アメリカの要求は、アメリカ本土を攻撃できるミサイル開発の阻止と非核化に単純化されたと考えられます。問題は、韓米同盟がなくてもそれが可能になりそうなことです。THAADが「北朝鮮対応」という話になっている以上、北朝鮮の非核化がなされた段階で、THAAD設置の理由がなくなりますから、韓国から撤去、そして同時に在韓米軍の撤退を求めたいところでしょう。この場合、核開発が許されない北朝鮮は存在自体が危うくなりますから、朝鮮半島は南北揃って「いらない子」になってしまいます。

 

アメリカの攻撃にもちろん気付いている北朝鮮

北朝鮮核実験場でまたバレー=屋外に人多数、欺瞞工作か−米研究所」2017/05/03

メイン管理区域の中庭に多数の人が見られた。その南方にある司令センター区域にも人の集団を確認でき、バレーをしているようだという。同研究所は「(北朝鮮による)欺瞞(ぎまん)・プロパガンダ工作の一環であることは、ほぼ間違いない」とみている。

http://www.jiji.com/jc/article?k=2017050300260&g=prk

「バレーで遊んでる。なぜだ?」と分析が飛び交ってますが、なんのことはない、アメリカが実験場を攻撃しようとしているのを、北朝鮮も把握したということです。実験場や指令センターで、丸腰の人間がバレーボールしていたら攻撃しにくくなりますわね。まぁアメリカはやる時には、そんなこと関係なくやると思いますが。

北朝鮮としては、核保有国としてアメリカ大統領とサシで会談できれば、もうその時点で核開発の目的の半分は達成されたことになります。でも、「大国と対等の関係になるには、核開発が一番の近道」ということになれば、第2第3の北朝鮮が生まれる可能性があるわけです。トランプが会談する気だったのを、周りが必死に止めたのは当たり前のことですね。

中国に見限られた段階で、北朝鮮の未来は閉ざされたと言えるでしょう。ロシアに話を持って行ったようですが、プーチンとトランプの会談で、北朝鮮切りがロシアとも合意が形成されたようです。親族も関係なく処刑する恐怖政治に陥っている段階で、北朝鮮は核開発ができなければ崩壊してしまいます。残る希望は、いいタイミングで登場した韓国の親北政権だけでしょう。

 

■一人だけ別世界の韓国

問題は韓国です。こういう周辺の状況をさっぱりわかっていません。

「【社説】韓半島の不安感あおる日本、自制するべき」2017年04月19日

戦争勃発を前提に韓国人が難民になって押し寄せる状況を想像したのだ。隣国の国民の自尊心に触れる発言だ。

http://japanese.joins.com/article/206/228206.html?servcode=100§code=110&cloc=jp|main|top_news

なんでここで「自尊心」が問題になるのか、よくわからないのは私だけですかね。「戦争で逃げるのは誇りある行動ではない」ということなんでしょうか?

とにかくこの状況で、日本は煽るなと社説で言ってる段階で、現状分析が明後日の方向に大ファールしていることは間違いありません。アメリカの空母が韓国に入り、ロシアが国境線に軍を移動させ、フランスの揚陸艦がイギリスの海軍飛行隊を乗せて佐世保に入港しているのです。日本の号令1発で、世界中の軍隊が終結したとでも言うのでしょうか。どんだけ影響力あるんだ日本政府。
新大統領に就任した文在寅氏は、盧武鉉ノ・ムヒョン)政権の外交方針を復活させようとしています。10年前の政策をです。現実が見えていないにもほどがあります。

「<韓国大統領選>文氏の南北経済統合構想 核問題の進展が必要」2017/05/10
文氏は先月発表した「朝鮮半島平和構想」で、金大中(キム・デジュン)、盧武鉉ノ・ムヒョン)政権が推進した対北朝鮮包容(太陽)政策を「発展的に継承」し、北朝鮮の変化を戦略的に引き出すとの方針を明らかにした。
 北朝鮮の相次ぐミサイル発射などの挑発行為により悪化した対北朝鮮世論を考慮して、核・ミサイルの脅威とは無関係な人道支援からスタートするものと予想される。(中略)
核問題で進展がなければ南北関係の変化を期待するのは難しいことから、文氏が南北首脳会談で一気に勝負をかける可能性も取り沙汰される。金正恩キム・ジョンウン朝鮮労働党委員長と直接会い、非核化への意思を引き出せるとの主張だ。
http://japanese.yonhapnews.co.kr/headline/2017/05/10/0200000000AJP20170510000100882.HTML

北朝鮮の人道的支援をするのなら、まず身内も何も殺しまくっている金正恩を辞めさせることが一番でしょう。中国ですら本腰を入れ始めた制裁行動に風穴を開けるようなマネをしたら、アメリカはじめ世界からどのように思われるか理解できないのでしょうか。
また、非核化の意思もいいように利用される未来しか見えません。たとえ「核開発凍結の共同声明を出した! ビックディールだ!」と大喜びをしても、北朝鮮が本気で凍結するとは誰も信じないでしょうし、「だったらIAEAを入れろ」となれば、当然北朝鮮は拒否して、時間稼ぎに利用されるだけです。
対して「THAADの再交渉」なんて言ったら今度こそアメリカは、韓国へ本気の報復を行うでしょう。北朝鮮に対する世界の潮流を妨害し、アメリカの世界戦略を拒否する同盟国なんて、誰が助けるでしょうか。

「トランプ氏の「韓国は中国の一部」発言に反発=韓国政府」2017/04/19
当局者は「報道内容が事実かどうかと関係なく、数千年間の韓中関係の歴史で韓国が中国の一部ではなかったことは、国際社会が認める明白な歴史的事実であり、誰も否認できない」と強調した。
http://japanese.yonhapnews.co.kr/headline/2017/04/19/0200000000AJP20170419004400882.HTML

トランプ大統領が習国家主席に「韓国は中国の一部と聞いた」と発言したことについて、「一部だったかどうか」について、問題にし、怒り、騒ぎ立てました。
でも、このニュースの根幹はそんなところではありません。「アメリカ大統領が、中国トップの意見を認める発言をした」ということが問題なんです。「でも今はアメリカとの同盟国だと反論したよ。ハッハッハ」と、トランプ大統領がフォローしなかったことが問題なんです。なんで韓国の政府も国民もマスコミも、アメリカが現在の米韓同盟について、フォローをしなかったことに衝撃を受けないのでしょうか?
そして日本もその影響から免れられません。正直、いろんなことが流動的になるので、何が起きるのか予想が付きませんね。
  
■経済的危機は今年中にやってくる韓国

「米、6月利上げ観測根強く 2日からFOMC」
今回は金融引き締めを見送る方向だが、年内にさらに2回の利上げをするシナリオは揺るがないとの見方が強い。足元の景気減速など懸念材料もあるが、先物市場の約7割は6月利上げを織り込んだ。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM01H1M_R00C17A5FF2000/

6月中旬にあると言われるアメリカの利上げによって、韓国の基準金利が追いつかれることになります。そのままにしておくと、さらに9月には抜かれてします。どう考えても待ったなしの状況なのに、この危機を指摘する報道は皆無です。むしろ景気回復をうたう報道が増えてきました。なぜなら株式市場が2か月前から急騰しているからです。
 

「新政権発足、上昇する証券市場に翼を与えるか=韓国」中央日報2017年05月10日
新政権が上昇しているKOSPI(韓国総合株価指数)にさらに大きな翼を与えるだろうか。過去を見れば答は「イエス」だ。
大統領選挙が行われる前日に過去最高値を突破したKOSPIは当面は需給と業績の双方で堅固だろうという見通しが優勢だ。投資心理が回復した外国人投資家は資金を携えて新興国の証券市場に向かっている。今年過去最大の業績を予告する韓国企業は韓国の証券市場に魅力を加えた。追加上昇余力が大きいという意味だ。
http://japanese.joins.com/article/906/228906.html

積み重なる家計債務に目途がついたわけでもなく、企業業績に改善がみられるわけでもないのに、株式市場だけがひたすら上昇を続けています。上の記事では、「新興国に海外投資家がの資金が入っている」と世界的基調のように書いてますが、他の新興国にこんな株価の動きはありません。
だいたいIMFが先月に新興国の経済危機を警告したばっかりです。

保護主義新興国に打撃=中国の融資膨張は「危険」−IMF」2017/04/19
国際通貨基金IMF)は19日、世界金融安定報告を発表し、トランプ米政権などの保護主義政策が、新興国の貿易や金融分野に深刻な打撃を与える恐れがあると懸念を表明した。
http://www.jiji.com/jc/article?k=2017041901227&g=int

韓国の貿易額が、前年度比で大幅に増加してはいますが、それはトランプの対米貿易黒字国家に対する警告があったので、対米輸入を前倒ししたせいですね。

「トランプ氏に屈服? 韓国の対米貿易黒字が大幅減=日本は増加」2017/05/07

今年1〜3月期の米国の貿易赤字は前年同期比で増加したが、韓国の対米貿易黒字は同期間に約25%減少し、対米貿易黒字国の上位10カ国のうち、最も減少幅が大きかったことが7日までに分かった。

http://japanese.yonhapnews.co.kr/economy/2017/05/07/0500000000AJP20170507000400882.HTML

つまり実体経済になんの理由もないのに、株式市場だけバリバリ上がっているわけです。韓国だけ。これは中国が本格的に北朝鮮の制裁に入ったことで、回線懸念が後退したと見ているのか、他の見方をしているのか。韓国の新聞はこぞって「新政権によって韓国の価値が見直された証!」と大喜びです。本当にそんな能天気な分析で大丈夫なのか。
しかも海外投資家が買っている株の大部分は、財閥系の企業の株ばかりなんですね。新大統領の文在寅氏は、「財閥改革」を公約に掲げているのに、なぜその財閥関連株を外国人投資家が買い占めているのか。

「韓経:外国人が韓国株を買う理由」2017年03月15日
◆外国人が買う銘柄は?
外国人は景気敏感業種の大型株をポートフォリオに集中的に組み入れている。今月に入ってサムスン電子(6623億ウォン)、LGエレクトロニクス(1775億ウォン)、LG化学(1246億ウォン)、現代車(1474億ウォン)、SKイノベーション(1978億ウォン)などを主に購入した。
http://japanese.joins.com/article/883/226883.html

しかも輸出入が主の業種ばかりで、もし戦争が起きたら真っ先に影響を受けることが間違いありません。韓国内では個人投資家も呼び込んで大盛り上がりですが、大丈夫なんでしょうか。
政治的リミット、経済的リミットなど様々な状況が加速度的に臨界点に向かっている韓国。新大統領就任で全てうまく回っていると自画自賛していたら、取り返しの付かない事態に陥ると思われます。安部首相との初電話会談では、さっそく慰安婦合意の再検討をチラつかせたようですが、果たしてどこまでわかっているのか。新北反日政権の行く末がどうなるのか、日本も他人事でなく注目が必要です。