キーパーソン激白!進化するゲーム・ビジネス2011 セガのあれこれ

日経トレンディで続いているゲーム業界キーマン特集
スクエニに続いて、今回はセガを取り上げます。

2010年には、セガのタイトルでも、クオリティは良くて、識者や評論家の点数は高いけれども、マーケットでは予想通りに売れなかったというタイトルがありました。ここ数年間、開発タイトルを絞り込んできましたが、さらに絞り込んで、確実性の高いビジネスに、より経営資源を集中したいと考えています。
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/special/20110330/1035060/?P=2

非常にスクエニと言っていることが似ています。確実性が高いということは、ネームバリューのある続編タイトルに注力していくことになるのは間違いないでしょう。

ここ2、3年、日本のタイトルで、欧米で爆発的にヒットした新しいIPはかなり限定的です。弊社では『BAYONETTAベヨネッタ)』がワールドワイドで130万本を超えた成功タイトルです。2010年はその次を狙った『VANQUISHヴァンキッシュ)』を出しました。ゲームとしての評価は非常に高かったのですが、販売面では予定本数を超えることはできませんでした。
VANQUISH』の例を見ると、欧米人にも受けて、日本人にも受けるというのは難しいということが実感できました。

あまり成功できなかったヴァンキッシュに対して、売れたタイトルとしてあくティビジョンブリザードCall of Dutyシリーズを挙げています。
しかしこの分析は必ずしも合っていません。と言うのも、世界の販売実績を見ると、Call of Dutyシリーズだけが1000万本級に突出し、他のソフトは半分以下の状況があるからです。EAのmedalofhonorシリーズもやっと500万本。これだけでも販売本数は凄いと言えば凄いですが、Call of Dutyシリーズと倍の差と言うのは、FPSの需要と供給を見た場合、象徴的な数字となります。
TPSでは新規に見えて実は続編の、レッドデッドリデンプションが800万本を記録しました。Take2のオープンワールド型のドル箱、GTAシリーズは2000万本に近づいており、これまた一人勝ち状態です。
ではなぜ、これらのソフトはここまで売れているのでしょうか?
トップを見て「あれに到達しなかった」と判断するのは、さすがに拙速でしょう。レッドデッドリデンプションがここまで売れたのは、GTAシリーズの実績があったからで、他社がいきなり出してこの販売記録に到達できるかと言うと、そうはいきません。日本でも海外でも、やはり継続は力なのだと思います。

――2011年、注目のタイトル、サービスはありますか。
鶴見氏:2011年は業界としても3DSが大きな位置を占めると予想しており、セガとしても6タイトルのリリースを予定しています。それから、ワールドワイドへの挑戦という意味では、プラチナゲームズから『マックスアナーキー』、名越稔洋がいるチームから『バイナリードメイン』というゲームを出します。これは、新IPの世界への挑戦という位置づけですね。
NGPについて、タイトルの開発を積極的にすすめています。NGPは特徴のあるゲーム機ですから、単純に絵がきれいというだけで移植するというのでは面白くないと思っていますので楽しみにしていてください。
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/special/20110330/1035060/?P=5

3DSへの注力は予想通りですが、NGPへの対応はまだお楽しみのようです。一応NGPは年内に発売される予定なので、E3に情報が提供されるのでしょう。6月が待ち遠しいです。