アップルVSサムスン 今度はサムスンが2連勝

アップル4連勝となっていたアップルvsサムスンの訴訟合戦。今度はオーストラリア、アメリカの販売差し止め仮処分が却下されました。
しかしこの報道の直後、フランスではサムスン側の「iPhone 4S販売差し止め請求が棄却」されるという混乱振りです。ただ、このフランスの訴訟はただの棄却ではありませんでした。

サムスン対アップルのiPhone 4S関連訴訟、仏法廷はサムスンの訴えを却下」
今回の判決で、パリ大審院(Tribunal de Grande Instance de Paris )は、サムスンの訴えを「不相応な訴え」として退け、さらに同社にアップル側の裁判費用10万ユーロ(13万3900ドル)を負担するよう命じたという。イタリアでもすでにサムスンの訴えは却下されており、今回の判決が追い打ちをかける格好となった。
なお、知財分野に詳しいコンサルタントのフローリアン・ミューラー(Florian Mueller )氏は自らのFOSS Patentsブログ記事のなかで、「フランスでの訴訟に関する限り、サムスンの動きはひどい失敗に終わった」とし、3G関連のいわゆる「FRAND」特許侵害を根拠に訴えを起こしている「サムスンの戦略には根本的な欠陥がある」との見方を示している。
http://wirelesswire.jp/Watching_World/201112090931.html

判決では、特許侵害の訴訟を「不相応な訴え」とばっさり切り捨てています。専門家も特許侵害のサムスンの戦略に疑問を呈しました。
デザイン類似による販売差し止め請求では、アップルの主張は通らなくなりつつありますが、特許侵害を主眼にした訴訟ではサムスンは厳しい立場にあるようです。
 
さて、今回アップルの訴えが却下となった販売停止の仮処分ですが、いろいろ問題を起こしました。

「アップル、サムスンを真の脅威と見なさず--米裁判所が詳細をうっかり公開 」
連邦地方裁判所のLucy Koh判事は、サムスン製品の販売差し止めを求めるAppleの要請を棄却する裁判所命令を出したとき、ある文書を公開して、両社に関する詳細をうっかり開示してしまった。Koh判事はその後、その文書を回収し、それらの詳細を修正した文書と取り換えた。Reutersは修正前の文書を入手することに成功している。
 Reutersによると、それらの秘密はどれも驚愕すべきものではないという。それらの文書によって、Appleサムスンを真の脅威と見なしていないことが明らかになった。Appleが独自に行った調査で、既存顧客がサムスン20+ 件のスマートフォンを手に入れるために「iPhone」を手放す可能性は低いことが分かった。
http://japan.cnet.com/news/business/35011439/

なんと判事がうっかり守秘情報を公開してしまう不祥事です。幸いにも技術情報ではなかったと報道されていますが、「アップルがサムスンを真の脅威をみなしていない」という販売禁止の目的を正面から否定する内容です。そもそもデザイン類似の訴訟は、似ていることで自身の製品と誤認し、売り上げに支障が起きるために行われるものです。アップルがサムスンを敵とみなしていなかったら、訴訟要件を満たしません。技術的情報はなかったとしても、この情報漏れは他の訴訟に影響が出る可能性があると言えるでしょう。
 
北米における特許訴訟は、年明け1月末に判決が出る予定であり、次の注目となると思います。



年末商戦はじまる。
新機種登場により、例年より立ち上がりが早い年末商戦。いきなり桁違いの販売を記録したのはマリオ3Dも発売された3DSです。次週にはモンハン3Gの発売で、さらに数字を伸ばすのは確実と言えるでしょう。来週発売されるVITAが、この3DSの勢いを押し戻すことが出来るのかが楽しみです。
一方、据置機は地味な滑り出し。去年8万近く売ったWiiが、今年はどんな流れになるのか注目です。キネクトのおかげで北米では絶好調のXbox360は、日本では泣かず飛ばず。今年もあまり期待できません。

 

機種 12月1週 12月2週 12月3週 12月4週 12月5週 1月1週 1月2週
PS3 40,668
Wii 31,071
Xbox360 1,660
PS2 1,500
3DS 205,962
PSP 39,547
PSVITA

(データは全てメディアクリエイト http://www.m-create.com/ranking/