週間デフォルトニュース 中国不動産セクターで破綻の連鎖

毎週なんか起きてる中国経済危機。ドミノ連鎖が来るぞ来るぞと言われていましたが、遂に続々と悪いニュースが入り始めました。

「(中国)興潤置業:不動産デフォルトの第1号に、負債額は578億円」2014年3月18日
中国メディアによると、関連会社を含めて興潤置業の負債額は計35億元(約578億円)以上となり、総資産の約30億元を上回っているという。うち24億元は銀行融資となっており、貸し出した銀行は15行に上った。
なお、不動産引き締めの強化に伴い、正規銀行からの資金調達が困難になっているため、一部のデベロッパーはシャドーバンキング(影の銀行)などからの融資を受けている。
http://news.mynavi.jp/news/2014/03/18/138/

既に経営者は「違法な資金調達」で身柄を拘束されております。 理由は違法な資金調達のようですね。銀行が15行も巻き込まれていますので、問題の処理を誤るわけにはいきません。個人投資家も90名以上巻き込まれているのですが、残念ながら彼らの救済はないと思われます。

現在、市の担当者が中国建設銀行 、上海浦東発展銀行の代表と、債務処理について協議しているという。
浙江興潤置業投資、建設銀行、浦東発展銀行のコメントはとれていない。
申銀万国証券の債券アナリストによると、浙江省では、投機的な取引の影響で住宅価格が急落しており、省内の不動産業者は1年以上前から業績が低迷している。
http://jp.reuters.com/article/jpmarket/idJPL3N0MF0MB20140318

市の担当者が出てるようですが、もう1市でなんとかするのは難しいでしょう。しかもこのような不動産業者は1社ではありません。破綻の連鎖は、これからが本番ですから、市の対応も難しくなると思われます。
なにしろ下手な財政出動をすると、今度は市が財政破綻しかねないのが、今の中国です。
さらに今回破綻した不動産デベロッパーに対して、信託会社が理財商品を発行していると、問題は一気に拡大します。国レベルの対応、それもどの段階で行うのかで、影響の範囲が違ってくるでしょう。
 
■デフォルト2件目は鉄鋼か

「中国発の金融と実体経済のリスク、内需育成で備えるべきだ」2014年3月15日
中国民営鉄鋼会社・ハイシン鉄鋼が最近、満期が到来した負債を返済できなかったことが、昨日(3/14)明らかになった。太陽光メーカーのチャオリソーラーが7日、中国民企業では史上初めて債務不履行(デフォルト)を宣言したのに続き、2度目のデフォルトだ。
http://japanese.donga.com/srv/service.php3?biid=2014031591568

なぜか韓国でしか報じられていない中国の鉄鋼会社のデフォルト案件。これが本当なら、環境分野に不動産分野に鉄鋼分野と、多業種にわたって、一気に危機が表面化してることになります。
中国当局がちゃんと舵取りしないと、ハードランディングどころかクラッシュもしかねません。そんなことになったら、周辺国家はもちろん、世界の国々が甚大な被害を被ります。「中国発金融恐慌」として教科書に載ってしまう事態ですよ。
「きちんとコントロールされている」と自信満々な中国主導部ですが、言葉だけなく結果を出すことが要求されています。

「(中国)債券デフォルト懸念が強まる、華鋭風電科技など予備軍続々」2014年3月12日
「毎日経済新聞」(12日付)よれば、華鋭風電科技は来月22日の決算発表と同時に、社債の取引一時停止を発表する可能性がある。同社はこれより 先、2013年12月期に2期連続の赤字決算となる見通しを表明済み。社債の発行規模は計28億元(約470億円)で、超日債を上回っている。
このほか、11日には天威保変電気(600550/CH)が、2年連続の赤字計上を明らかにし、株式および債券の取引を一時停止している。同社は送 電設備の製造を手掛けるが、新エネルギー産業への新規参入が経営を圧迫。2013年12月期に52億元弱の最終損失を計上した。
http://news.mynavi.jp/news/2014/03/12/204/

まだ3月決算前だというのに、この悪材料の連鎖は凄いですね。
これから毎月のように大規模な債権の償還を迎え、特に3月、5月、6月には、史上空前の償還ラッシュがやって来ます。つまり、本当の危機は、まだこれからなのです。
各国には債権化された多大な資金があると言われる中国。その威力を発揮する一年になるでしょう。