極限脱出 9時間9人9の扉をプレイ

チュンソフトEver17打越鋼太郎がシナリオを書いた密室型パズルアドベンチャーです。雰囲気的には映画「SAW」シリーズですね。それに面クリの要素を盛り込んでいるので、映画「CUBE」っぽい雰囲気もあります。
途中で「ああこいつが犯人だ」と思ったキャラクターが、全然違っていて完全にミスリードされてしまいました。

個別に感想を書いていきます。
○ストーリー
まず最初に感想としては、非常に面白かったです。
単純な復讐劇のように見えて、そうではなかったり。確かに復讐劇だと主人公がいる意味がないですもんね。
いろいろクリアしていくと、PVが流れてそこで次の選ぶべき扉がわかったり。
単純な親切設計で終わらないアイデア溢れる展開が多かったです。
でもラストは、何か尻切れトンボ。エンディングでヒロインとの会話が、結局なかったのは不完全燃焼だったと思います。それさえあればストーリーとして満点だったのに。

○謎解き
基本は暗号をどう解くかに集約される展開が多かったです。もっと冷凍庫に閉じ込められたような、何かを組み合わせて脱出する系のものもあったら良かったのにと思いました。そうでないと流れが単純になるんですね。やってることは種類が豊富だったのに、何か単調な流れはそのせいだったと思います。
また、時間制限のある展開がひとつも無かったのは、やはり難易度を大きく落としてますね。特に一番最初のドアは、時間制限があった方がそれらしい展開だったと思うのですが。難しくなり過ぎちゃいますかね?

○キャラクター
今考えると、非常にうまい設定でした。入れ替わってるのは、早々に気付いたんですが、だから犯人もわかったと思ったんですが…。本当に犯人が自分で種明かしするまで、最初の直感をずーっと引っ張ってしまってました。やられてしまいましたねぇ。

○システム
セーブが一つしかないのは、不親切に感じました。でも設定の都合上、いくつもセーブデータがあると困ったことになるのかもしれません。
何度も解けないと、キャラクターがちゃんと助言もしてくれて、かなり親切にできています。自分のいる位置がわからなくなる時があったので、マップをすぐ開けるのは助かりました。
上画面と下画面の使い分けも秀逸で、いろんな意味でよく練られていたと思います。

○音楽
わざと抑えたのでしょうか? もっとオドロオドロしい曲や、切羽詰った曲にしてもいい気がしました。

○総合
全体的に非常に高い次元でまとまった良作なのですが、やはりラストの締め方があと半歩足りなかったですね。最後に何か新たなキャラクターが登場してたりしますし。あれは続編を出すつもりなのでしょうか?
とにかく最後さえうまくまとめてればなぁと思う作品でした。