このタイミングで、シャープが裸眼3D新技術パネルを発表

シャープ、裸眼対応のタッチパネル付き3D液晶を開発 − 2D/3D切替表示も可能
開発品の画面サイズは3.4型で、画素数は480×854ドット。輝度は500cd/m2で、コントラスト比は1,000対1。駆動速度は60Hzで、バックライトにはLEDを用いている。
3D表示方式には視差バリア(パララックスバリア)方式を採用し、3D表示時には横方向の解像度が半分に落ちる。なおディスプレイの向きを90度回転させても、バリアの向きを変更することで3D表示が行える。
http://www.phileweb.com/news/d-av/201004/02/25659.html

方式はバリア方式ですが、そのバリアを液晶機能で行うようにしたため、縦でも横でも3D表示が可能となっているとのこと。また、これまでの製品に比べて、ピーク画素数や輝度率。そしてコントラスト比なども軒並み倍以上の性能アップを遂げています。
実際にデモを見た記者の意見は、いずれも好感触。

これまで、FPD Internationalなど様々な展示会で多くの裸眼3Dディスプレイを見てきたが、かつてこれほど鮮明な立体視が行えるものは存在しなかった。スイートスポットの狭さや画面の小ささを別にすれば、フレームシーケンシャルとそれほど遜色ない3D体験を実現できていると言っていいだろう。

http://www.phileweb.com/review/column/201004/02/96_2.html

左右に分かれた映像を合成する際、パネル表示のズレから、画像が2重に見えてしまう「クロストーク」という現象があるのですが、これが解消されているのが、なによりこの新型パネルの特徴です。
もちろん専用眼鏡を使わない3D表示は、眼鏡導入により製品を売ろうとしているメーカーにも見過ごせない発表だったのは間違いありません。

■テレビ横目に携帯向け普及
「携帯端末向けとはいえ裸眼で3D画像を表示できる液晶技術に感心した」。3Dを再生の切り札に置くソニーのテレビ関係者は、シャープの新技術に対する警戒心を一層強める。
3D製品の最大のネックはメガネをかける煩わしさだ。月内に国内初の3Dテレビを発売するパナソニックや6月に追随するソニーの商品も、専用メガネを装着しないと臨場感のある立体映像を楽しむことはできない。3Dコンテンツ(情報の内容)の不足も指摘され、3Dテレビの普及には不透明な部分も残る。
こうした中、コンテンツだけをみると放送局や映像製作会社と比べた場合、携帯端末向けの3Dコンテンツの開発スピードは早いといわれている。このため3Dテレビより、3D携帯端末の方が普及が進む可能性も高まっている。
http://www.sankeibiz.jp/business/news/100403/bsb1004030504003-n2.htm

眼鏡を居間のテレビに受け入れさせるのは、至難の業です。3DSによって「3Dの視聴は裸眼でするもの」という潮流ができてしまうと、これから3D戦略を展開するソニーのような会社は困るのでしょう。バリア方式は大型のモニタに向かない技術ですけど、消費者にそんなこと関係ありませんからね。3D市場のキーマンに3DSが躍り出てしまった格好です。
 
さてここまで書いてきてなんですが、この液晶は本当に3DSに搭載されるのでしょうか?
実際この模様の動画がありますので、ご覧ください。

「えーとですね、あの、携帯電話メーカーはございます。ゲームメーカーの話をすると、もう、決まってしまいますので、ちょっと(笑)、お答えできません。はい(笑)」
http://www.nikkei.com/video/?bclid=67379774001&bctid=75684202001

このナイスタイミングに発表しておいて、全然関係なかったら、それこそ大変でしょう。
まぁ応えている担当者の顔を見ると、言えないけど察してくれと言いたそうな表情です。半笑いですし。
そして、発表では、タッチパネルを搭載しないタイプから生産するとのことでしたので、3DSの上画面がタッチパネル無しの裸眼3D液晶。下画面がタッチパネル式の通常液晶になると思われます。
今回発表された480×854ドットは、通常時、完全に準HDの縦横比率16:9で表示が可能な解像度です。私は3DSはまだ4:3の比率を守ってくると予想してましたが、上画面だけでも準HD規格を選択するのかもしれません。
そうなると3DSは、超高性能端末へと変身を遂げることになるのですが、本当でしょうか? 価格も2万円を超えてしまう性能になる気がしますが、いったいいくらで売るつもりなのでしょう? 対抗するPSP2の性能も含めて、6月のE3は本当に楽しみですね。