ファミ通「E3特集」を読む

7/8発売のファミ通で、興味深い記事をピックアップしていきたいと思います。
まず他のブログで誤報がありました。SCE吉田プレジデントインタビュー(今年はPSP一本で行きます、と宣言する内容)について、あれは完全な誤報です。冒頭に登場するSCE関係者は、PSNを運営するSCEネットワークサービス部長正田純二氏であり、その内容はもちろんPSN課金のことです。インタビューは「毎日プレイステーション3を立ち上げたい! という気持ちになってもらえばなと思います」と抱負を語るもので、金額に関する言及はありません。
浜村通信のインタビューは、特別版「小島秀夫監督インタビュー(コナミ)」となっており、吉田氏は全く出てきていないです。
PSP2に関する情報は、未だ流動的と言っていいでしょう。


 
それでは記事を見ていきましょう。

任天堂カンファレンス
副編H「ニンテンドー3DSインパクトは史上最大級にものすごかった
デスクM「ソフトによって奥行きがある3D映像も、手前にせり出してくる3D映像もあったのですが、とにかく見た瞬間から3D」
副編O「驚いたのは、3D映像なのに画面が通常のゲームと同様に明るいこと。採用する技術によるんだけど、一般的に3D映像は画面が弱化暗くなってしまいがち。だけどニンテンドー3DSにはそれがない
副編O「個人的に、15年以上に及ぶ記者生活でこれほど驚いた発表は無かった。ぶったまげた。それくらい今回の発表は凄かった」

ひたすら驚きしっぱなしの記者たちでした。個人的に「手前にせり出す映像もあった」という一言に注目しました。技術的には、なんら問題ないはずだったのですが、なぜか「手前にせり出す」画像について言及が、他に見てきた人達の言葉に無かったもので。
 

SCEカンファレンス
記者O「最後にPSP2が発表さそうな雰囲気のときに「Twisted Metal」が発表されたときは、ポカーンとしてしまいました
副編O「(MOVEについて)値段も正式に発表されたけど、正直どう思った?」
記者Y「発表される前は、もっと高いと思っていたんだけど、そうでもなかった」
デスクH「SCEとしては、かなり無理をしている値段じゃないですかね」
副編F「うーん、個人的には、もうちょっと頑張ってもらいたかったという印象はぬぐえないな
デスクM「ソフトの相性はありそうでしたね。『SOCOM4』をプレイしているところを見たんですけど、おぼつかない感じで

3D表示を評価しつつも、MOVEについては割りと賛否両論。価格について、「もうちょっと頑張ってもらいたかった」の文字フォントを、極太ゴシックにしているのが、印象的でした。
 

マイクロソフトカンファレンス
記者F「実際にKinect対応のタイトルをプレイしてきたんですけど、のびのび身体を動かせる空間があるといいなって実感したんですよね
記者F「僕はKinectフォルツァをプレイしてきましたよ。実際にやってみたら、リアルなドライビングシミュレータである「フォルツァ」らしい操作感になっていて、新しい楽しさがありました」

あちこちで言われていたタイムラグの問題については、言及なし。フォルツァの操作に関しても好印象だったようですね。


 
その他の記事について見ていきます。

「ついに、ようやく、いよいよ、11月に『グランツーリスモ5』が発売される。山内氏も「GT5として発売できるクオロティーになった」と発言。今度こそ大丈夫だ。」

前振り多いゾ。PS3が当初予定していたタイトルの最後の弾、GT5もいよいよ発売です。

「開発陣、『パワプロ』を語る」
成田「プレイステーション3版の制作は長かったなと。2005年から(笑)」
――え? 2005年ですか!?
成田「発表したのは2005年ですが、実作業に入ったのは去年の7月くらいですね」
――苦労した点は?
成田「最初は観客全員を別々に表現しようと思ったのですが、増えすぎると処理落ちしてしまったので、調整するのに苦労しました」

2005年からというのは、冗談のつもりだったようです。観客の顔で処理落ちして調整とか、随分辺鄙なところで手間食ってますね。
 

桜井政博のゲームについて思うこと」
(新・光神話『パルテナの鏡』について)
空中戦はなるべく単純に爽快感が得られる3Dシューティングを目指しました。空を自由に飛ぶというよりは、ジェットコースターやライドのように演出重視のもの。レールシューターと呼ばれるジャンルに近いですが、主人公ピットは独立して操作できます
「(地上戦は)操作は大別して3つ。スライドパッドによる『移動』。Lボタンによる『攻撃』。タッチスクリーンによる『狙い』です」
「しかしダッシュや素早い方向転換。(緊急)回避など、スピーディーに操作できるようルールを設定しました」

予想するに空中戦は、罪と罰に近いのではないかと。地上戦はボタン10個以上使うFPSに対して「新しいデバイスによる新操作の提案」と桜井氏ならではの切り方をしているようです。
最後に浜村氏による小島監督インタビューです。

浜村「E3で久しぶりにMGSライジングの情報が出ましたけど、このタイトルは小島監督が作ってるわけではないんですよね?」
小島「作ってないですね。僕はエグゼクティブプロデューサーとして、若手に任せています」
浜村「じゃあE3のトレーラーも小島監督が作ったわけじゃないんだ。最後のスイカを斬るところなんか、監督っぽいと思ったけど」
小島「あ、ギリギリのタイミングで『スイカを入れてくれ』とだけは言いました。(笑)」
浜村「わははははは! やっぱり監督か。(笑)」
 
3DSMGS3について)
小島「背景やキャラクターのモデリングも全てハイポリゴンで作り直しました。ハイモデルはPS3で作ったもの同じくらいのクオリティーなんですけど、なかなかそう見えないんですよね。もう少し時間があれば、もっといいものができたんですけど」
小島「あと具体的に決まってませんけど、COOPとかピースウォーカーで採用した要素は入れたいと思っています」
 
(今後の新作に関して)
小島「ほとんど規格は決まっていたんですよ。でも最近ちょっと揺らいできて……。浜村さん、次何作ったらいいですか?」
浜村「(爆笑)」
小島「テンション下がり気味なので(笑)」
浜村「でもピースウォーカーの時に、『次が見えた』って言ってましたよね」
小島「そうですね。その時は決めていて、何人か打診していたし、ノリノリだったんですよ。でもE3から帰ってきたら気が変わってしまって……」
小島「どちらにしても、次は据置きですよ」
 
小島「次に作るのは、『MGS5』かオリジナル。この2択しかありませんよ」
小島「『アヌビス』とかは……、すいません。ちょっと後ろの方に回してしまいますけど」
 
小島「僕がTwitterで『タブー』とか書いてたじゃなないですか」
浜村「はいはい。あれは何だったですか?」
小島「あれは次に作る作品のことです」
浜村「タブーって言うのは、倫理的なこと? それとも業界的なことですか?」
小島「いや、そういうのとは違いますよ。でも、まだ言えません」

なーんとなく、小島監督FPSを作ろうとしてるんじゃないかなーという気が。桜井氏もFPSの「新操作の提案」と意気込んで作ってますし、宮本氏もFPS好きらしいですし。小島監督的には、CODシリーズの硬派な雰囲気は、俺にもできると思ってそうですし。
3DSについて高評価でありますが、次は据置機と断言してますし、どんな次回作が飛び出すのか楽しみですね。