グリー幹部やっと認める。「日本ででうまく行ったことは、ぜんぶ外れた」 

未だ直近四半期の業績予想しか開示しないグリー。
12月3日〜4日に京都にて開催中の招待制イベントで、グリーの事業統括本部長 青柳氏が本音を吐露しました。

「「日本でうまくいったことは、ぜんぶ外れた」、ネット企業海外進出の成功と挫折」
青柳氏は「まず、日本でうまくいったから米国でもワークすると思ったことは、ことごとく外れた」と振り返る。ソーシャルゲームが好調だったグリー。だが同社が日本で手がけてきたゲームやそのマーケティングノウハウといった成功の体験やパターンというのがほとんど通用しなかったという。同社が米国進出した2011年といえばグリーが強かったブラウザゲームからスマートフォンにプラットフォームが変わる過渡期。さらにはビザの取得や人材採用などのさまざまな課題があり、ビジネスの違いを学ぶまで1、2年かかったそうだ。
http://jp.techcrunch.com/2014/12/03/jp20141203ivs-1a-global/

時間が掛かったけど、ようやく軌道に乗ったよというのがセッションの内容なのですが、事業統括の中心人物である青柳氏が、グリーの戦略ミスを認めたのは大きいことでしょう。
 

「グリーはE3をどう見たか。グリー海外展開のキーマン・荒木英士氏に聞いたE3出展の手応え」2012年6月8日
荒木氏:ソーシャルゲームのプラットフォームとしても,これまで北米ではPCがベースでしたので,各社ともこれからモバイルへの取り組みを本格化させるという印象を受けます。今,いろいろなメーカーさんにお話を伺っているのですが,モバイルソーシャルゲームの作り方を理解されているところはそんなにないのではないかと感じています。
http://www.4gamer.net/games/000/G000000/20120608001/

たった2年半前には、当時の責任者が「北米には自分たち以上にモバイルソーシャルゲームを理解しているところはない」と豪語していたわけですから、その落差に驚いてしまいます。
ただ、当ブログでも、2013年1月の時点で「北米で課金カードバトルは流行らない」という指摘を行っており、もちろんその前から当たらないだろうと、あちこちで言われていました。
グリーが約2年の期間を置いて、日本方式の課金カードバトル方式が受けないことを認めたことは、感慨深いものがあります。
 
では北米式に開発を改めて作った「Jackpot Slots」はどうなったのか?
2013年8月には、Google Playランキングで1位になったよ、とプレス発表されたのですが、2014年には1度も100位以内にランキング入りせずに終わりそうです。青柳氏は冒頭のセッションで結果を出しつつあるというスタンスですが、実際はまだまだ厳しいのかもしれません。
今後のグリーの北米市場動向にも注意を払う必要があるでしょう。