<ラオスダム決壊>ラオス政府の怪しい選択の未来は

長らく追加情報の入っていなかったラオスダム決壊事故。その続報が入ってきました。

 

 「Laos Dam Collapse Blamed on Substandard Construction」(2019-05-15)

(標準以下の建設が原因とされるラオス・ダム崩壊)

 

「韓国政府と調整中」

ラオス政府検査法人副議長は、政府が3月にレポートと行動方針を受け入れたことを確認しました。

「しかし韓国政府と、どんな情報を市民に公表しなければならないか、公表してはいけないかについて、交渉しているところであるので、今それを発表することができません」と、彼は言いました。

韓国との調整が終了した後、ラオス政府は公式に調査報告書を公表することになっていると、副議長は言いました。

しかし、レポートのすべての調査結果は、できるだけ速くリリースされなければなりません。

そして、タイに拠点を置くNGOラオス・ダム調査モニター」のプレムルディ=ダウロング氏 が言います。

「市民が情報を確かめることができて、問題を提起することができるようになる必要があります。この情報は、ラオス政府と韓国政府だけが、わかっていてはいけません」と付け加えました。

 https://www.rfa.org/english/news/laos/collapse-05152019161026.html

 もう3月に報告書は提出されていたんですね。

しかし、ラオス政府が韓国政府とどういう発表するか協議中で、そのままストップしていると。

なーんか、怪しいなぁ。

ラオス政府は、変な色気を出しているんじゃないでしょうね。いや、ラオス政府というか、一部の要人というか。どうも政府の動きが鈍いのが気になります。

 

新しいサドルダムが、失敗したダムから少し離れた場所に建設中で、新しい400メートルの長い構造のコンクリートで作られ、少なくとも10メートルの深さで固定されると付け加えた。

 なんか、もう作り直してるらしい。

まぁ、また雨季が来ますから、そのままにしておく訳にはいかないと思いますけども。ちょっと記事には無いんですが、誰が建設しているんでしょうね。

ラオス独裁政権で、実際のところ政府がやりたい放題の現状があります。でも「内々に処理して、ウマイ汁を吸おう」なんて発想は、韓国相手には悪手でしかありません。キチンと国際的に問題にしながら、圧力をかけていく方が、必ず良い形に動いていきます。これから先、ラオス政府に正しい選択ができるでしょうか。

 報告が公開されるのか、かなり怪しくなってきましたが、続報に期待したいと思います。

調子に乗る韓国 防衛省は対応を誤った

火器管制レーダー照射問題で、防衛省は「大人の対応する」として、協議打ち切りを宣言しました。

「レーダー照射“音”公開し協議打ち切り…日本側「最終見解」も韓国側「謝罪促す」」2019年1月21日
音声記録の公開と同時に「最終見解」を発表し、「相互主義に基づく客観的かつ中立的な事実認定に応じる姿勢が見られない」と韓国側を強く非難。同時に「これ以上実務者協議を継続しても、真実の究明に至らない」として、韓国側との協議を打ち切る考えを示した。
FNNの取材に対し、防衛省の幹部は「これで日本側は打ち止めだろう。韓国が引くに引けないことも分かっているから、日本は大人の対応をする」と述べた。
https://www.fnn.jp/posts/00414380HDK

「大人の対応」ねえ。
対して、韓国側は「レーダー照射がなかったことが科学的な結論」と勝利宣言をしました。

「「照射なし明白、科学的結論」韓国が反論声明」2019年01月22日
声明は、2度の再現実験や乗員への聞き取り、資料の分析結果を踏まえ、「火器管制レーダーは照射されなかったとの明白で科学的な結論に達した」と主張した。防衛省が公開したレーダー波の探知音については、「我々の火器管制レーダーの電波受信音だと断定する根拠は何もない」と強調した。
https://www.yomiuri.co.jp/world/20190122-OYT1T50076.html

戦うことがヘタクソな防衛省って、大丈夫なんですかね? その存在意義にまで疑いが向けられる気がするのですが。
 
■結論:証拠の逐次投入は愚の骨頂である
この問題で、防衛省が対応を始めた最初の段階で、当ブログはこう指摘しました。

「<火器管制レーダー照射>防衛省映像公開 証拠の逐次投入は愚の骨頂だ」2018年12月28日
韓国側は「軍事情報を公開することはありえない」と見切っているため、全く非を認める姿勢はありません。
相手は全く発言を変えても、なんとも思わない人たちですので、やるなら情報の小出しは発言を変えるチャンスを与えるだけです。
http://d.hatena.ne.jp/tenten99/20181228/1545991806

そして一か月が過ぎようという今、やはり懸念どおりの展開になってしまったな、と感じます。「大人の対応」というのは、論争の落し所や、引き際をわかっている相手にやるものです。韓国は違います。彼らが思うのは、「日本に勝った。だから同じような主張をすれば日本に必ず勝てる」ということだけです。
実際、もう同じ手を使って攻撃してきました。

防衛省は冷静に情報収集 取り合わない考え」2019年1月23日
韓国国防省は「日本の哨戒機が23日、韓国海軍の艦艇に接近し、低空脅威飛行をした」と発表し、「明白な挑発行為だ」と激しく非難しました。
防衛省は韓国側の突然の発表に驚きつつも「そんなはずはない」として冷静に受け止め、事実関係の情報収集に努めています。
背景には、北朝鮮問題などを踏まえてこのまま対立が続くことは「好ましくない」として、いったん収束させる方向で進めていました。このため、政府高官も「やってはいないと思う。韓国向けの問題だ」として、取り合う考えがない点を強調しています。
http://news.livedoor.com/article/detail/15915138/

韓国側は収束させるつもりがないどころか、攻撃手段としているのに、何を呑気なことを言っているのでしょう?
だいたい、何の予兆もなくいきなり韓国側からレーダー照射してくるような状況が解決していないと、通常の任務に支障が出ますよね。「低空飛行による挑発行為を受けた」という理由で、これから火器管制レーダーを頻繁に受けるようになったら、どう対応するんです? 当初の問題がなんにも解決されていないじゃないですか。
この状況判断の不味さは、いったい何が理由なんでしょうね? とんでもない予算つけて兵器を揃えているくせに、それを使う瞬間が全く理解できてないとしたら、こんな危ないことはないんですけど。「専守防衛」だから、攻撃されたら反撃すればいいので、状況判断する必要がないとか、そういう話なんですかね。
 
■この飛行記録は全く役に立たない
レーダー照射探知音公表の公表と共に明らかにされたのが、哨戒機の飛行ルートの概略図です。

「P1哨戒機の飛行ルート」
https://www.asahi.com/articles/photo/AS20190122000323.html

この発表された飛行記録が、全く役に立ちません。スケールが無いので、レーダー照射を受けた時には、どの程度離れていたのかとか、最接近距離が実際どの程度だったのかとか、さっぱりわからないです。
いったい防衛省は、この飛行記録で何を言いたかったのでしょうか? 哨戒機が警察艦などの上を飛ばなかったってこと? だったらその主張は遅すぎます。韓国はもう上を飛んだという主張を引っ込め、「威嚇的に接近した」という主張に切り換えています。
それにこの図には、警察艦と駆逐艦しか書かれていません。そもそもの原因である、北朝鮮船の位置をなぜ書かないのでしょうか? SOSを発信していない北朝鮮船は、この時点で不審船なのですから、その位置関係は必要な情報のはずです。
この辺りにも、防衛省が「何のために、どういう情報を出すべきか」ということについて、「検討していないのではないか」という疑問を持たざるを得ません。
 
防衛省にはまだやるべき検証がある
収束を目指しているらしい防衛省ですが、彼らにしかできない検証がまだ残っています。それは韓国側が出した映像の検証です。実際のP1哨戒機を持っているのは、自衛隊だけなのですから、実機を使って検証動画を作成することができるんですね。
つまり「150メートル上空、距離500メートルだと、P1哨戒機はどのように見えるのか?」とか、「韓国側の動画のP1哨戒機は、実際にどの程度離れていたのか?」などの検証動画を、製作できるということです。意図のわからない飛行記録を出すよりも、遥かに意味のある「最終見解」になるでしょう。
 
防衛省には、すでにこの問題が「政治問題である」という認識があるのかもしれません。しかし、「レーダー照射を受けた時に、どう対応したか」ということは、今後の自衛隊の活動において、必ず大きな影響があるでしょう。韓国の船舶が、我が物顔でEEZ内をのし歩くかもしれないのです。そうなれば、真面目に仕事をしている日本の漁船が、まともな操業ができなくなる可能性だってあり得ます。それは、日本の領土や領海を守る自衛隊が、その役割を果たしていないということです。
何も武器を持って正面から戦闘するだけが、戦いではありません。中国もそうですが、勝手に人工島を作ったり、軍艦が居座ったりといった、武力衝突では無い形で、じわりと領土が侵犯されていくのが、現在の領土や領海をめぐる戦いです。防衛省には、もっと「国益のために戦う覚悟」を持って欲しかったですね。

<火器管制レーダー照射>韓国「日本が低空飛行をするなら我々もやる」→6年前「高度60mで海外艦の監視行った」

日本と韓国の間で、火器管制レーダー照射事件に関する応酬が続いています。

「韓国「日本が無礼な要求」と批判 レーダー照射めぐる情報開示で」
日本が一部の情報を開示する代わりに駆逐艦のレーダーに関する全体的な情報を求める「非常に無礼な要求」をしたと批判した。
http://news.livedoor.com/article/detail/15874169/

韓国側が一部だけレーダー周波数を開示しても、それが問題となった火器管制レーダーのものでは無い可能性があるってことでしょう。
「これは火器管制のものでは無いのではないか?」「いや、火器管制のものだ。一致しなかったのだからレーダー照射は無いと認めろ」みたいに、情報交換しても全く問題が解決しないかもしれないのですね。
 
韓国海軍も低空飛行を実施

「韓国「日本が低空飛行なら我々も」 レーダー照射問題」
韓国側は、哨戒機が10分近くの間、3度にわたって駆逐艦に接近する危険な飛行を行ったと主張。「第三国が同じ飛行をすれば、日本は抗議しないのか」とも指摘した。日本側は危険な飛行ではないとし、抗議もしないと答えたという。韓国軍関係者は16日、韓国記者団に対し、韓国軍の飛行パターンについて「通常、他国の軍艦から3マイル(約5・6キロ)近くまで接近しない」と語った。
http://news.livedoor.com/article/detail/15881095/

韓国側はあくまで海自の飛行を、「危険な飛行」としたいようですが、実態は全く違います。なにしろ韓国自身が、今回の高度なんて問題にならないほど、低空で哨戒任務を行っているのです。

「韓国艦のレーダー照射、本当に海自P-1哨戒機は「脅威」だったのか? 検証する」2019.01.08
韓国メディア「月刊朝鮮」の記者が2013年7月10日にこのP-3へ搭乗取材した記事によると、「目視識別のために高度を100mまで下げた」「外国の艦艇監視のため高度60mで接近飛行する」とあり、韓国海軍の哨戒機部隊自身が外国の艦艇に対して、今回の事件におけるP-1よりもはるかに低い高度を飛んでいることが分かります。
https://trafficnews.jp/post/82564/2

「なにが日本がするなら、我々もやる」でしょうか。哨戒任務がこれからできなくなってしまうと困るな、と気付いたんでしょう。呆れた話であります。
 
アメリカ空軍も民間航空条約を準用

「軍用機はルール無用? レーダー照射問題、韓国の反論動画が挙げる「国際条約」とは」
国際民間航空条約は軍用機の飛行とは関係ない」という韓国側の主張は、じつは実際の情況とはかけ離れています。というのも、日本を含む各国は、軍用機の飛行について定めた国際的な条約などがないことをひとつの背景として、自国軍用機の行動について国際民間航空条約(ICAO)の規定を準用しているからです。
その具体例として、アメリカ軍の規定を見てみましょう。
実用的かつ任務と適合する場合には、国際空域で活動するアメリカ軍用航空機は、ICAOの飛行手続きに従わなければならない」と規定されています。
https://trafficnews.jp/post/82586/3

日本にケンカを売っているつもりで、実は世界の空軍にケンカを売っている韓国。アメリカに、「俺はICAOを守って飛行しているが、なんか文句あるのか?」と言われたらどうするのでしょうか?
しかし、これも任務中の飛行になると、制限高度もへったくれもありません。対空レーダーを掻い潜って潜入するために、地面を舐めるような超低空で飛行することだってあるのです。それでも通常時は、民間航空条約を準用して、軍用機は飛行しています。韓国はどこまで現実的でない反論を言い続けるつもりでしょうか。

 
■思考停止してきた韓国の反応

「「非公開の約束破り、でたらめ発表」防衛省が韓国に抗議 レーダー照射問題」2019.1.17
韓国国防省報道官は15日の定例記者会見で協議内容を公表。「韓国の乗組員が脅威と感じる雰囲気であったという部分は、日本側が一部認めた」などと事実と異なる見解も示していた。
 これに対し防衛省は16日午前、韓国の駐在武官を東京・市ケ谷防衛省に呼び出し、抗議するとともに撤回を求めた。韓国側は「本国に伝える」と応じたという。防衛省幹部は「非公開の約束を破った上、でたらめな発表をしている。信頼関係は完全に崩れた」と語る。
https://www.zakzak.co.jp/soc/news/190117/soc1901170009-n1.html

非公開を破って韓国側が、「脅威と感じる雰囲気を、日本が一部認めた」と事実と異なる発表を行いました。防衛省がこれに抗議すると、韓国側も反応。

「韓国国防省「日本が合意を破った」と逆抗議 レーダー照射問題」2019年01月17日
国防省は17日、メディア向けに発表したコメントで、韓国側の説明は「正確な事実だ」と強調。逆に日本メディアの報道を持ち出して、「協議終了前には報道しないという事前合意を破った」と主張し、防衛省に再発防止を求めた。
https://www.sankei.com/world/news/190117/wor1901170035-n1.html

「非公開の合意を日本が破った」と抗議しました。意味がわかりません。韓国は非公開の約束を破って報道してもいいけど、日本はしていけないということなんでしょうかね?
「オウム返しで批判しているつもり」になっているというのは、かなり末期的状況のような気がします。
 
海保の情報提供により、北朝鮮船が救難信号を出していなかった以上、海自にとって北朝鮮船は「遭難船」ではなく、ただの「不審船」です。韓国駆逐艦は「無線が良く聞こえなかった」とかトボけたことを言ってないで、直ちに「遭難船の救助中だよ」と明らかにしなければなりませんでした。そうでないと、海自は発見した時点で、通常の哨戒任務から監視任務に移行しなければなりません。実際にそうなりましたよね。
今回のレーダー照射問題は、まず韓国側の「無線による行動証明」が無かったことが問題なのです。現象としては「火器管制レーダー照射」が一番の事件ですが、もっと大事な問題は、「お前らそこで何やってた?」という追求だということを、忘れてはならないでしょう。

<徴用工問題>韓国に30日の期限を切った日本 テーブルに着かせるための反撃を

日本が「徴用工問題」の協議開催要請への返答を、30日に切りました。

「韓国に30日以内の返答要請 徴用工訴訟協議で日本政府」2019年1月13日
日本政府が韓国政府に、1965年の日韓請求権協定に基づく協議開催要請への返答を30日以内に出すよう求めていると報じた。協定に今回のような外交上の協議要請への回答期限についての規定はなく、韓国政府は慎重に検討を進める方針。
聯合は、期限の設定が「一方的だ」として、韓国外務省内で反発も出ていると伝えた。
http://news.livedoor.com/article/detail/15868516/

なんだかんだと引き伸ばしにしてきましたが、10日に行われた文大統領の年頭会見で、ついに解決する気なしと見限った格好です。韓国側は「一方的だ」と反発しているようですが、大統領自身が「一方的に」不満があっても諦めろと言ってのけたことを忘れてもらっては困ります。いつもどうしてここまで、自分のことを棚に上げるんでしょうね。
 
■韓国政府は待ってても対応しない

「文氏「日本はもう少し謙虚に」「判決尊重せよ」」
昨年10月の韓国大法院(最高裁)判決について、「韓国政府は三権分立により判決を尊重しなければならない」と強調した。その上で「日本は不満があっても、基本的にはどうしようもないという認識を持たなければいけない」と述べ、日本側も判決を尊重すべきだとの認識を示した。
文氏は、徴用工問題は「韓国政府が作り出したものではなく、過去の不幸な歴史によって生まれた問題だ。日本政府はもう少し謙虚な姿勢を示さなければいけない」と指摘した。
https://www.yomiuri.co.jp/world/20190110-OYT1T50063.html

いやー、遂に本音が出たって感じですね。
これって「日本は韓国側の判決に不満があっても、どうしようもないから諦めろ」って言ってるのですよ。凄いですね。なんで国際条約無視して他国の法律に、日本が従うのを当然とするのでしょうか。
それに文大統領は、「三権分立」の意味を理解していません。「三権分立」とは、政府、議会、司法が「それぞれ不可侵である」という意味ではありません。それぞれの権力が「権力の濫用をしないよう、相互に監視し抑制すること」を指します。司法が暴走したら、議会や政府がそれを止めないといけないのです。弁護士の癖に文大統領は、何を言っているのでしょうか。
日本としては、協議する気が無いなら、その気になるよう対抗策を取るのは当然のことです。問題はそれをどうやって実現するかですね。当ブログとしては、最高裁判決の後、強制執行が行われる前に、警告を与えるべきと主張してきました。

「<募集工問題>韓国政府の残念な「立場文」全文 次の三菱重工判決での対応が重要に」
■日本企業への強制執行は、「日韓投資協定」に基づき訴えよ
韓国政府の対応を待っている間に、最高裁強制執行を掛けない様にしておかないと、また後手後手の対応になってしまいます。
http://d.hatena.ne.jp/tenten99/20181107/1541602770

しかし実際には、裁判の執行命令が出され、新日鉄住金の株式8万1075株が差し押さえられることになり、譲渡や売買ができなくなりました。私は日本政府のこの対応は「遅い」と考えます。
今回の文大統領の発言を見てもわかるとおり、韓国側に交渉のテーブルに着く気はさらさらありません。日本はまず、『韓国が何かやる前に』「やばい! 日本は本気だ! 交渉しないと損をする!」と韓国に思わせる反撃が必要なのです。
 
■反撃は中国式を見習うべし
とはいえ、いきなり過激な制裁を宣言したり、行ったりすることには反対です。

「徴用工問題で日本政府が対抗措置の検討を加速 ビザや輸出の制限など」2019年1月11日
自民党が11日に開いた外交部会・外交調査会合同会議で挙がったように、対抗措置として、長嶺安政駐韓大使の召還のほか、韓国人への短期滞在査証(ビザ)免除措置の撤廃や就労ビザの発給制限、韓国への特定物資の輸出制限などの検討が進められている。
http://news.livedoor.com/article/detail/15861407/

自民党の外交部会に出た案を見てみましょう。

  • 「大使の召還」は余り意味がありません。過去の同様の事例を見ても、結局なんやかや理由をつけて、また大使を戻すことになるからです。そもそも韓国にとって、別に損になりません。反撃するなら、「この方策は韓国にとって損になるか?」という視点が欠かせないのです。
  • 「短期滞在査証免除措置の撤廃」(ビザ復活)は、日本の観光事業にダイレクトに影響する案件です。簡単に執行できません。「韓国の損になるか」という視点でも、まず金銭的に日本のダメージがあるのですから、余り良い手ではありません。

たとえやるにしても、いきなり「ビザ復活」ではない方法があります。たとえば入国期間の縮小です。現在ビザ免除の「短期滞在」は、「90日以内」の入国期間となっています。3ヶ月っていうのは、旅行にしては随分長いですよね。ブルネイが15日ですから、韓国もブルネイと同レベルに縮小するというのはどうでしょうか。普通の観光客には影響が少ないでしょうが、ビジネス目的にも関わらず、ビザを取っていない韓国人にかなりの影響が出ると思います。

いずれにしても、反撃は大先輩である中国を参考にするべきですね。中国はTHAAD問題で、韓国に経済制裁を行いましたが、一度も「制裁を行う」と宣言していません。でもちゃんと効果のある制裁を成功させています。日本は、こういうガチンコの斬りあいの経験が少ないですから、経験者に学びましょう。
 
■まだある日本の反撃方法
中国が行ったTHAAD制裁で、観光客の渡航制限が韓国にかなりのインパクトを与えたのはご存知の通りです。日本の場合はあそこまで強引にできませんが、似た対策は効果を出せるでしょう。それが「渡航危険レベルのランク上げ」です。
別に制裁だと宣言する必要はありません。現在、韓国は史上稀に見る大気汚染で大変なことになっており、なんと公共機関の車両の運行が禁止されたりしています。

【写真】PM2.5で非常事態…公共機関の車両が運行禁止に=韓国・ソウル(2019年01月14日)
首都圏に今年初めての粒子状物質(PM2.5)非常低減措置が発令された13日、釜山市海雲台プサンシ・ヘウンデ)と広安里(クァンアルリ)一帯がかすんで見えている。
首都圏は行政・公共機関車両のうち、ナンバーが偶数の車両のみ運行され、ソウルは公共機関車両全体の運行が禁じられる。
https://japanese.joins.com/article/081/249081.html

韓国では何かしら問題が起きてますので、それを理由に渡航危険レベルのランク上げは可能だと思います。
 
日本のように正面から戦うだけが外交戦ではありません。韓国の動向を見てください。

「韓国「1965年請求権協定の補完」 日本に逆提案を検討」
ボールを渡された韓国政府が実際に慰安婦、サハリン同胞帰国支援、韓国に居住する原爆被害者に対する賠償問題などを含むパッケージ協議を日本に要請する場合、これは「65年請求権協定体制の補完」という新しい話題を投げかけることになる。
https://japanese.joins.com/article/070/249070.html

対抗主張を混ぜて、議論を拡散させる韓国の方法は、火器管制レーダー照射事件でも散々見られました。また同じ手を使って、本筋を見えなくしようとしています。日本は、「表の反撃」と「裏の反撃」を同時に展開して、韓国の手に乗らないよう上手く主導して行って欲しいですね。

<火器管制レーダー照射>「北朝鮮船はSOSを出してないよ」海保よ、それを早く言え

1月10日に、韓国の文大統領の年初会見が予定されています。北朝鮮情勢と共に、この火器管制レーダー照射事件や、いわゆる「徴用工問題」について、言及はあるのでしょうか?
そんな中、また新たな情報が出てきました。
 
■「SOSは発信されていない」という新事実

自民党の会合での「国連安全保障理事会に諮るべき」の意見に、韓国国防省は困惑」2019年1月8日
人道的に北朝鮮漁船を救助していたと言う事ですが、仮にそれが真実だったなら、日本の海上保安庁がSOSをキャッチしていないのに、どのような方法で遭難に気がつき現場に急行したなどのストーリーも動画に入れ込むべきです。
http://www.globalnewsasia.com/article.php?id=5431&&country=1&&p=2

「火器管制レーダー照射事案に関する韓国国防部の映像公開について」
海上保安庁は、北朝鮮の漁船から救助の信号を受けていない。都合が悪い現場を押さえられて、レーダーを照射して海自機を追い払おうとしたのであれば、辻褄が合う。証拠となるレーダー波の情報を出せと韓国は言っているが、この際、韓国が嘘をついているという決定的な証拠を出せばよい」との意見も出されました。
https://blogos.com/article/349637/

レーダー照射関連のニュースをかなり見ていたつもりなんですが、海上保安庁からの情報は初めて見ました。みなさん知ってました? 私の調べた方が足りなかったんですかね?
なんと海保がですよ。「漁船から救助の信号を受けていない」と言ってるのです。なんてことないような話なんですが、この情報のせいで重大な疑惑が生じてしまうのです。
だって、国際周波数でSOSが発信されていないとすると、韓国側の警察艦と駆逐艦は、どうやって出動できたのでしょうか? そして北朝鮮船は、なぜ普通に救難信号を出さなかったのでしょうか?
日本政府は、韓国側がどうやって北朝鮮船の救難信号を受けたのか、説明を求めるべきだと思います。
 
■「韓国側の警察艦や駆逐艦は何をしていたのか」という疑問に集約
北朝鮮船と韓国側の駆逐艦などが、日本の排他的経済水域EEZ)にいた理由を、一部の人が「瀬取り」のためと理由付けしているようですが、私はその主張に賛成しません。「瀬取り」なら駆逐艦がわざわざ出てくる必要は無いからです。私は北朝鮮船に、「故障か燃料切れといった非常事態が起きて、韓国側に協力要請があったのではないか」という主張を支持します。

「レーダー照射:国際法違反を知られたくなかった韓国」2019.1.8
海域は、韓国の近海ではなく、日本の経済水域に深く入り込んだ海域だ。その海域で、偶然にしても、これら3つの船が1か所に集まることは、全く考えられないのだ。韓国は救助活動だと発表しているのに、戦闘艦艇である駆逐艦までもが、そこにいたことは不自然極まりない。
この3つが集まっている理由を考察すると、上記の漁船が、燃料不足になり漂流、その船から北朝鮮の本国に救助依頼を行った。その連絡を受けた北朝鮮の機関が金正恩政権に報告し、北朝鮮と韓国のパイプを使って、韓国の文政権に連絡、そこから国防省や海洋警察に連絡、それにより、2隻の艦艇が出動したものと考えられる。
北朝鮮漁船、北朝鮮工作機関、北朝鮮政府、韓国政府、韓国国防省韓国海軍、韓国海洋警察の連携がないと、3隻が海上の同一ポイントに集合することはできない。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/55139

軍事アナリストの 西村氏のこの指摘が一番わかりやすいです。今になって日本の海上保安庁の情報が積極的に出てきたように、基本的に警察と軍は別組織です。同時に動くには、トップダウンの命令が必要なのです。まぁ日本は、もうちょっと海保と海自が連携すべきと思いますが。
とにかく韓国警察艦と韓国駆逐艦が、同時に出動していたわけです。それも普通の救難信号が出ていないのにです。国家的サポートを北朝鮮船に行っていた証拠じゃないですか。
 
■制裁決議違反を隠すためにレーダー照射か

映像から判断すると北朝鮮の漁船は沈没しそうな状況ではなく、エンジン故障か、燃料不足で浮遊していたように見える。おそらく、燃料切れになっていた北朝鮮の漁船に、燃料を提供していた可能性がある。
このことを海自哨戒機に接近して見られたくなかったために、射撃レーダーを照射して、嫌がらせを行い、海自哨戒機を追い払ったのではないだろうか。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/55139?page=3

以前スクープされた「瀬取り」も経済制裁違反なのですが、民間企業がやらかしたことでした。しかし、今回の場合は違います。なにしろ警察艦と駆逐艦が出張ってることは明らかなんですから。北朝鮮と韓国との密約から、日本海での漁船のサポートを行っていたとしたら、これは大スキャンダルです。
そもそも日本の排他的経済水域で違法操業していた北朝鮮船に、制裁違反のサポートをして、それを隠すため海自の哨戒機にレーダー照射した、という事件になるのですから。どこを取ってもアウト。スリーアウトです。
反日船員がレーダー照射やらかしちゃった。てへ」なんてレベルの問題とは、全く次元が違ってくるということですね。
 
さあ韓国側に確認しなければならないことが増えてきました。
1 北朝鮮船の救難信号の記録を出して欲しい。
2 船員が亡くなったという情報があったが、船自体はどこにあるのか?
3 もしもう船は北朝鮮に帰ったとするなら、誰がいつ乗って帰ったのか?
 
とっとと謝っておけば、こんな騒ぎにならなかったでしょうに。韓国やっちまったな、って感じですね。一番マズイ瞬間に、一番マズイ選択をしてしまいました。まぁ、日本がここまでブチ切れると思ってなかったせいなんでしょうけど。
同時に日本にとっても、取り返しのつかない正念場になりそうな事件となって来ました。世界から、日本がどう対応するのか見られているのは間違いありません。日本は国連の常任理事国入りを狙っているようですが、国連の制裁決議違反をキチンと追及できない国の常任理事国入りなんて、夢のまた夢だと思いますね。
日本政府と外務省が、韓国のように間違った選択をしないよう願っています。

<火器管制レーダー照射>韓国反論動画に反論する

4日に韓国国防部から火器管制レーダー照射事件に関する「反論動画」が公開されました。もう突っ込みどころ満載で、本当に「議論できない人」と話すのは面倒臭いなと感じる内容です。

「反論動画、閲覧200万回突破=計8カ国語公開へ:韓国」1月6日
韓国語版は158万回を上回り、英語版は約42万回に達した。
同省当局者は「日本語、中国語版なども作成中だ」と述べ、計8カ国語の動画を公開する計画を明らかにした。
一方、「反論動画のサムネイル(縮小見本表示)は合成画像」という指摘に関し、韓国国防省当局者は「編集されている」と認めた。 
https://news.biglobe.ne.jp/domestic/0106/jj_190106_2447617792.html

八ヶ国語版なんて作るんですね。あれで反論した気でいるのが凄いです。韓国側の動画には、出典表記が無いので、明らかに問題があるはずなのですが。
日本としては、一撃で相手を潰すことを回避した以上、長期戦になることは間違いありません。途中で腰砕けにならないことを祈ります。
 
■反論1:レーダー照射はあったのか
現在のところ、日韓双方の動画でこれと言う決定的な情報は出ていません。
韓国の動画では、設問4つのうち、3番目。「威圧的低空飛行」について1、2番目に言及しており、明らかに議論を主題から逸らそうとしています。その3番目の反論もこんな感じ。

「[全訳] 韓国国防部「反論映像」全テクスト」
3. 広開土大王艦は日本の哨戒機に向けて、射撃統制追跡レーダー(STIR)を照射しませんでした。
もし、広開土大王艦が日本の哨戒機に向けて追跡レーダーを作動させたならば、(画面の中央に)日本の哨戒機は即刻、回避行動をとっていなければなりませんでした。
しかし、広開土大王艦の方に再び接近する常識外の行動を見せました。日本はなぜそうしたのでしょうか?答える必要があります。
https://news.yahoo.co.jp/byline/seodaegyo/20190104-00110128/

全くどうでもいい質問ですね。「再接近は、韓国駆逐艦の真意を確認するため」でも何でも、理由なんぞいくらでもあります。
韓国側は「追跡レーダー(電磁波情報)の証拠資料があるなら、両国の実務者協議において提出すればいい」などと言っていますが、今の韓国の状況では、火器管制レーダー情報を出しても、解決しない可能性の方が高いでしょう。

「重要証拠開示してもエンドレス=韓国は電磁波情報要求−海自機レーダー照射」時事通信(2019年01月05日)
自衛隊からは韓国側が公表した動画の内容を踏まえ、「収集した電波情報を開示しても、韓国側が誠実に対応しない可能性がある」「自衛隊の能力に関わる機微な証拠を提示してもエンドレスで不毛に終わる」と、政治・外交レベルでの早期収拾を求める声も出ている。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019010500040&g=soc

海自側のこの分析が正しいでしょうね。出すにしても、今では無いと考えます。質問に答えないのも何なので、「韓国駆逐艦が無線に答えなかったため」とか言っておけばいいでしょう。
 
■「威嚇的低空飛行」はあったのか
韓国側が途中から言い始めたこの「威嚇的低空飛行」ですが、当ブログでも指摘した「海上衝突回避規範(CUES)」の第3条と第4条に「危険な運動の禁止」というのが定められています。これが「船舶の近辺でのアクロバットな飛行や、模擬攻撃行動の禁止」を定めており、威嚇的な低空飛行もこの中に含まれます。
要するに、韓国は「韓国が火器管制レーダー照射で国際合意違反をしたと言うなら、お前も威嚇的低空飛行で国際合意違反をしたじゃないか」と言い出しているわけです。

1. 日本の哨戒機はなぜ、人道主義的な救助作戦の現場で低空威脅飛行をしたのですか?
日本の哨戒機は広開土大王艦の150メートル上空、距離500メートルまで接近しました。
艦艇の乗組員たちが、騒音と振動を強く感じる程に脅威的でした。相互間に偶発的な衝突が発生するかもしれないため、武装した軍用機が他国の軍艦に低空威脅飛行をしてはいけません。
日本の哨戒機がわが軍艦の上をなぜ低空で威脅飛行をしたのでしょうか?
(画面中央に)日本は答えなければなりません。
https://news.yahoo.co.jp/byline/seodaegyo/20190104-00110128/

答えろと言われてますが、韓国側が唯一新しく自分たちで出した映像が、自分の主張を否定しています。


画面の歪み方から見て、かなり小さいレンズで映された映像です。推測するに韓国警察艦からスマホで撮影された映像ではないでしょうか? もっとちゃんとした映像解析もやった方がいいのでしょうが、個人でもある程度、哨戒機の高度を計測できます。
哨戒機の全長を測り、水平線までの哨戒機が縦に何個分あるか計算してみましょう。図の通り、ちょうど5個分ありました。映像の哨戒機の全長は38mですから、韓国側の映像では、約190mの高度を飛行していることがわかります。
もちろん、哨戒機の映像が真横に来ていないと本当の距離は出せませんし、この計測方法は近過ぎると誤差が大きくなって上手くいきません。極端な話、真上を飛ぶ画像だと水平線が無いので、どうしようもないわけです。逆に遠過ぎて豆粒のようになってしまうと、1mmなのか0.9mmなのかで誤差が大きくなってしまい、やはり上手くいきません。今回の倍くらいの大きさの映像から、あと数ミリ小さいぐらいまでが、有効な推定値を出せる限界ではないでしょうか。そういう意味で、哨戒機の高度は大きな誤差の無い、信用に足る数字が出せていると思います。
ですから反論は「韓国側の映像から、哨戒機の高度は問題ないことが証明された」と発表しましょう。
 
■軍用機の低空制限の違反はありえるか

2. 日本が国際法を遵守したと主張するのは果たして事実でしょうか?
国際民間航空機構(ICAO)国際民間航空協約付属書(Annex)2-4。高度150メートル以下の視界飛行を禁止する条項があります。
しかし、付属書の趣旨は国際法的に一般の民間航空機の運航と安全のための、一般飛行規則を定めるためのものです。さらに、国際民間航空機構(ICAO)の国際民間航空協約は、軍用機には適用しないと明確に規定しています。
(画面中央に)日本は国際法を恣意的に歪曲し解釈しています。
https://news.yahoo.co.jp/byline/seodaegyo/20190104-00110128/

これが死ぬほど馬鹿馬鹿しい主張なんですよね。日本の主張は、「民間航空協約に照らしてすら、問題ない」と言っているんです。韓国側は、何が問題か全く理解していないとしか思えません。
私が調べた限り、軍用機の最低制限高度を定めた国際条約や、それに類する規定は無いのです。日本にも韓国にも、軍用機の低空飛行制限の規定はありません。ヨーロッパを見てみると、ベルギーなどが「軍用機の最低制限高度は80mとする」としています。民間機より遥かに低い高度制限です。しかもこれ市街地での高度制限ですから、海上ではヨーロッパでも問題にならないでしょう。
ですからこれの反論は簡単ですね。「民間機の高度ですら問題無い高度を飛行しているのに、軍用機の飛行高度でどんな問題があるのか国際条約等で根拠を示せ」です。
 
■無線に応答しなかったのは何故か

4. 日本の哨戒機の通信内容は明確に聞こえませんでした。
日本側が試みた通信は、雑音がひどく、広開土大王艦では明確に聞こえませんでした。
(画面中央に)すでに救助作戦の上空から相当程度、離れた後でした。
https://news.yahoo.co.jp/byline/seodaegyo/20190104-00110128/

ここで何か妙な電子音の後に、海自の無線が流れます。防衛省が出した音声と比較して、ノイズが大きくBGMがあるせいで、よく聞き取れません。そもそも何の音声なんですかね? 防衛省側の音声を勝手に編集しているなら、捏造になるんですが。本格的に音声解析したら、修正されたものか韓国側で受信した無線なのか、わかると思います。
それはそれとして問題は、確かに聞こえにくいですが「Korean naval ship, Hull number 971]と言っていることは確認できることです。「コリアコースト」とは聞こえません。
ですから、「コリアコーストとは聞こえないが、発言を撤回するのか?」と確認することが必要でしょう。また、「救助の上空から離れていようと、返答しない理由にはならない」とはっきり指摘した方がいいと思います。今後の有事の際、韓国側の応答が無いとそれはそれで困るのですから。
 
以上のように、韓国国防部の動画は、全く反論になっていません。日本側はさらなる反論を用意しているようですが、まず必要なのは、長期戦を行う覚悟です。
なんとか、なあなあで収めようと言うのが一番まずいです。それは結局日本の国益になりません。長い目で見れば、韓国にとっても益にならないでしょう。
北朝鮮周りがまたきな臭くなって来てますし、こんなことやってる場合かという議論は当然出てくると思いますが、初心貫徹して欲しいですね。