<旭日旗問題>日本が反撃をしてこなかったツケは、「徴用工」判決でパンドラの箱を開くことに

10月11日に韓国で行われた国際観艦式。海上自衛隊旭日旗を嫌った韓国は、「自国と韓国の国旗のみを掲揚する」よう通知しましたが、当の韓国がそれを守りませんでした。

「国際観艦式で韓国が抗日旗を掲揚 矛盾する対応に日本政府が抗議」2018年10月12日

政府は12日、日本が自衛艦派遣を見送った韓国での国際観艦式で、韓国艦艇に「抗日」を象徴する旗が掲揚されたことについて、外交ルートを通じ韓国側に抗議した。

海上自衛隊などによると、観艦式に参加した全ての各国海軍が韓国の通知を守らず、軍艦旗を掲揚して海上パレードに臨んだ。

http://news.livedoor.com/article/detail/15435715/

第三国がその通知を守らないのは予想していましたが、まさか言い出した韓国自身が守らないとは。次に同様のことがあった時、「通知は意味を持たないことが明らかになっているので、従わない」と言えてしまうので、普通はこういう真似はしません。

外交儀礼上に見ても、「残念」どころか激怒してしかるべき事件であります。それだけ日本が韓国にナメられているという、これ以上ない事例になったのではないでしょうか。

 

■近づく「徴用工」最高裁判決 それはただの一企業の問題にあらず

韓国の日本に対する強気の行動は、過去の日本が韓国に反撃してこなかったからです。民主党だけではありません。自民党も長きに渡り、韓国に対して反撃をしませんでした。もっとも筆者も「名分なんかどうでもいい。実を取れれば」と過去に考えていたので、大きなことを言えません。

韓国は、日本が反撃しないことを、「韓国の権利」と考えるようになり、エスカレートしました。そしてもう、取り返しのつかない分岐点を踏み越えようとしています。
それが「徴用工」裁判の最高裁判決です。今年中に結論が出ると言われるこの判決では、朴大統領時代に政府が介入したとして、韓国では最高裁判事が取り調べられる事態に陥っております。このままでは、最高裁判決で、日本企業側敗訴の結果が出る可能性が高いでしょう。

しかし、最高裁判決は、戦後処理のパンドラの箱を開けてしまいます。なにしろ韓国の言う「戦犯企業」は、年々増加しているのです。

トヨタニコン東芝も韓国人強制徴用…新たに66社確認」中央日報(2014年12月31日)

委員会はその間、朝鮮人労務者供託金文書、厚生年金台帳など各種関連記録を分析した。また、計2万7841件の被害申告内容に基づきアジア・太平洋戦争時期(1931−45年)に日本47都道府県に設置された強制労働作業場が4042カ所(合計1329社)であることを確認した。委員会は「このうち1737カ所は291の現存企業が運営したところと把握され、167カ所を運営した66社は今回の調査を通じて初めて把握された」と説明した。

https://japanese.joins.com/article/j_article.php?aid=194697

首相直属の委員会で「強制動員犠牲者等支援委員会」というのがありまして、『被害者の申請』に基づき、どんどん「戦犯企業認定」を行っているんですね。韓国の「強制徴用」の概念は、本来の意味ではないので、「朝鮮人を雇用していた」=「徴用工」となりかねない状況です。

そもそも日韓基本条約で定められたのは、日本への請求権消失だけではありません。終戦で韓国に放置された「日本の在外資産」の放棄も含まれています。条約破棄ならば、韓国はこれの返還を行わなければならないはずなのです。

「元徴用工への補償問題は決着済み 日本企業の資産差し押さえなら日韓関係は破綻、韓国は自滅」

終戦時、朝鮮半島には韓国側だけでも現在の価値で8兆円に上る日本の民間資産が残されていた。日本と韓国はそれまで一体であり、民間資産は国際法上も日本人の所有物であった。

https://www.iza.ne.jp/kiji/world/news/181002/wor18100220400012-n1.html

もちろん日本側の賠償額もとんでもないものになりますから、両国揃って大変なことになるのは間違いありません。要するに双方揃って開けてはならないパンドラの箱のはずなのです。しかし、残念ながら韓国側にその現実が見えているようには思えません。旭日旗問題のルール無視を見てもわかるとおり、韓国は日本を「外交的に対等な国」と考えていませんから、状況改善の希望を持つことは諦めた方がいいでしょう。

 

■交渉する気がない韓国への対応は、まず反撃すること

では、どうするのか。今のところ日本政府側は、「国際司法裁判に提訴する」ことを考えているようです。

「韓国大法院の強制徴用判決控え…日本「企業の賠償確定ならICJ提訴」」

年内に結論が出るとみられる韓国大法院(最高裁判所)の強制徴用判決に関連し、日本政府が「日本企業の賠償が確定する場合、韓国を国際司法裁判所(ICJ)に提訴する」という方針を決めたと、外交筋が7日伝えた。

日本とは違って韓国は「自国を当事者とする紛争が生じる場合、裁判に無条件に応じる」というICJの強制管轄権関連の選択議定書に加入していない。ICJに提訴されても韓国側の同意がない限り裁判権が自動的に発動されるのは難しい。

これに対し日本は数年間の持久戦を念頭に置いて「韓国司法府の判決が国際法を違反し、韓国政府も正そうとする努力をしなかった」という点を浮き彫りにして国際世論戦をする態勢だ。これに関連し、三菱重工業が韓国内の事業規模を大幅に縮小したという話が外交関係者の間で出ている。

https://japanese.joins.com/article/846/245846.html

しかし、記事にあるとおり、韓国側の同意がなければ、裁判になりませんから、直接的な解決にはなりません。なので、「数年間の持久戦を念頭」に置くことになるわけですが、「従軍慰安婦問題」を見ても、持久戦は悪手です。

韓国は日本と最初から交渉する気はないんですから、「交渉しなければダメだ」と思わせなければ何も前に進みません。中国を見てください。THAAD問題で彼らはどう対応したでしょう?

「中国人観光客の韓国離れ続く、関係修復合意後も目立った回復なし」2018年1月22日

先月韓国を訪れた中国人観光客は33万2474人で、前年同月に比べて37.9%減った。同じく前年同月比で49.3%減の10月、42.1%減の11月に比べても、わずかな改善にとどまった。また昨年全体では420万人で、前年に比べて48.3%減少している。

http://www.afpbb.com/articles/-/3159501

前年に比べて、観光客が半減しているわけですね。もちろん「半減にしよう」と考えて綺麗に半減しているわけはありませんから、もっと8割減とかにして、通達が間に合わなかったり民間がそれでも強行したりして、半減になっていることは明らかでしょう。

つまり、最初は3割減にして、改善されないから半減にして、最後に8割減などという段階的な対応ではなく、「最初から容赦のない一撃を加えている」ということです。

徴用工判決については、日本側は何度も懸念を伝えて来ているはずです。それでも強行される可能性が高いのですから、「数年かけて持久戦」というのは「今までやってきた対応」なのです。そしてその方法は、韓国相手に成功した試しがありません。つまり日本政府がやることは、「交渉しないと大変だよ」ということを、まず「結果で示す」ことなのです。

何度も書きますが、徴用工判決は日韓基本条約の否定であり、戦後スキームの大転換を意味します。絶対に妥協できないラインであることを、韓国でもわかるように、はっきりと伝えることが必要がなのです。

 

■反撃1:「健全で自由な経済活動ができない市場である」

では、韓国を国際司法裁判所などの交渉の場に引きずり出すために、どのような反撃が効果的でしょうか?

まず、この問題は、「日韓基本条約をどう捉えるか」という政治問題と見ると、「従軍慰安婦問題」と一緒で、解決は困難です。これから先、未来の経済的市場として韓国を見た場合、明らかにリスクであると認識しましょう。

「韓国元徴用工ら670人、日本企業72社を提訴 最大規模」2015/4/21

13年には他の原告による訴訟でソウル高裁と釜山高裁が新日鉄住金三菱重工業に対してそれぞれ賠償金の支払いを命令。両社とも上告し現在は係争の場が大法院に移っている。経団連など経済3団体と日韓経済協会はこの問題が「韓国への投資やビジネスの障害となりかねず、両国間の貿易投資関係を冷やしかねない」との懸念を表明したことがある。

https://www.nikkei.com/article/DGXLASGM20H8I_R20C15A4EAF000/

2015年に経団連などが「懸念」を述べていますが、結局のところこれからの韓国は、「健全で自由な経済活動ができない市場になる」ということなんです。

三菱重工が韓国での事業を縮小しているそうですが、記者会見を開いてしっかり「このままでは、健全で自由な経済活動ができない市場として、撤退をやむを得ない」と宣言した方がいいと思います。

また、日本企業だけだとインパクトが足りません。新日鉄住金も一緒に記者会見できれば、良いとは思いますが、それより他国の企業が「健全で自由な経済活動ができない市場である」と記者会見すると、その効果は劇的となるでしょう。

そのために丁度良い企業があります。韓国GMです。

「政府が幇助した韓国GM非正規職問題」2018年07月11日

民主労総韓国GM群山(クンサン)・富平(プピョン)・昌原(チャンウォン)非正規職支会は9日から韓国GM本社社長室の占拠を始めた。彼らは非正規職の直接雇用と解雇した非正規職労働者の復職を要求し徹夜で座り込みを行っている。
韓国GM富平非正規職支会は10日現在「カハー・カゼム社長が直接交渉すれば社長室占拠を解散する」という立場だが、韓国GMは「韓国GMの労働者ではない協力会社の労働者と韓国GM社長が直接対話する理由はない」として拒否している。

https://japanese.joins.com/article/j_article.php?aid=243083&servcode=300§code=320l

社長室占拠とか過激な労働組合が、今でも暴れています。しかも今回の問題は、「非正規雇用は違法だから、正規職にしろ」と労働指揮監督署が、方針転換したせいです。

すべての状況がそのままなのに、「合法」としていたシステムを突然「違法」と判断したのだ。これに対し雇用労働部は「現在捜査中である事案は判断の根拠を具体的に話せない。捜査終了後に違法派遣の労働を明らかにする」という立場だ。

約束破りは何も国同士だけではありません。経済活動においても普通に起きています。韓国GMは採算性の悪さから、何度も撤退宣言をしてきました。その度に時の政府が支援を表明し、雇用を守るという御題目で撤退延期が続いてきたのです。にも関わらず、過激な労働組合の意向を汲んで、約束破りが平気で行われるわけです。

日韓の問題ではなく、韓国とグローバル社会の問題として捉えることで、ようやく韓国側は危機感を感じるでしょう。

 

■反撃2:「渡航するには、危険な国である」

中国なら政府の一声で、海外旅行者は韓国への渡航をやめますが、日本はそうはいきません。できることと言えば、外務省の渡航危険レベルの引き上げくらいです。でも、滅多にレベルが上がることはありません。

ただ、15日現在、MERS(中東呼吸器症候群)が発生しています。

「3年ぶり発生のMERS(マーズ)、16日0時「終息宣言」へ=韓国」2018年10月15日

疾病管理本部は世界保健機構(WHO)基準に沿い、9月8日に陽性判定を受けた患者より始まったMERS状況が、16日0時をもって終息すると15日、明らかにした。

https://news.nifty.com/article/world/korea/12211-105280/

まさに明日16日に収束宣言するとしていますが、この間、外務省の危険レベルの引き上げはありませんでした。韓国は防疫体制があまり完備されておらず、毎年毎年様々な病気が流行っています。2月の平昌オリンピックでも、鳥インフルが発生し情報が出ていました。

「開幕直前の平昌冬季五輪で困った事態 インフル、ノロウイルスの恐怖が迫る」2018/2/ 6

韓国内では鳥インフルエンザも心配の種といえる。外務省は2月1日、五輪・パラリンピック観戦で渡韓する観光客に向けて、ウェブサイトで注意喚起している。そのひとつが鳥インフル対策だ。これまで韓国内での人体への感染は報告されていないが、「養鶏場や渡り鳥の飛来地への訪問は控え,死んだ鳥に触ったりしないようにするとともに,手洗い・うがいの励行,必要に応じてマスクを着用する」よう呼びかけている。

https://www.j-cast.com/trend/2018/02/06320483.html?p=all

でも危険レベルの引き上げまでは、行っていません。鶏インフルはまだ人間への感染は確認されていませんが、危険なことには変わりません。これからは積極的に警戒レベルを上げて、注意を促していくことを提案します。

 

■反撃3:「犯罪者ばかりで入国を許可できない」
韓国から金の密輸が続いています。それも普通の観光客が犯罪に利用されています。

「金塊を香港から日本に密輸…韓国人観光客5000人に運ばせる」2018年05月04日
日本税関の摘発を避けるため「無料旅行」で韓国人観光客5000人を運搬に動員した。
Aらは日本が2014年に消費税を5%から8%に引き上げて金相場が急騰したことに目をつけ、日本・香港間の金相場の差で収益をあげた。
https://japanese.joins.com/article/j_article.php?aid=241122

消費税が10%になれば、さらに悪化するかもしれません。これを防ぐためには、団体客だろうが、女性だろうが、子供だろうが、関係なく抜き打ち検査をすることです。
日本への韓国の旅行者は多いので、これをきっかけで不満を呼ぶかもしれません。でもいいのです。容赦の無い一撃とはそういうものなのです。このままでは日本の血税が、韓国の犯罪者に流出してしまいます。それを防ぐためには、「日本の入管は、韓国の客に対して、メチャクチャ厳しくなった」ということを、韓国の「一般常識」にすることが重要です。
 
さらにドラスティックな方策もあります。現在のところ、竹島関連の日本の議員は入国拒否されていますが、韓国の活動家や大学教授やらは日本への入国を拒否されていません。

「韓国、自民3議員の入国拒否 鬱陵島の視察計画」
韓国政府は7月末に「身辺の安全確保が難しく、両国関係に及ぼす否定的な影響を勘案した」と日本に新藤氏らの入国を認めない方針を通告、入国規制リストに記載していた。
https://www.nikkei.com/article/DGXNASFS0100R_R00C11A8EB1000/

この状況をなんとかします。日本の入管法第五条の2には以下の項目があります。

法務大臣は、本邦に上陸しようとする外国人が前項各号のいずれにも該当しない場合でも、その者の国籍又は市民権の属する国が同項各号以外の事由により日本人の上陸を拒否するときは、同一の事由により当該外国人の上陸を拒否することができる。

なので、同じ「身辺の安全確保が難しく、両国関係に及ぼす否定的な影響を勘案した」という理由で、入国を拒否することは、できることはできます。
ただ、この際もう一つ条項を作ったらどうでしょうね。
『十五 外交関係に関するウィーン条約(昭和三十九年条約第十四号)第二十二条に規定する公館の安寧の妨害または公館の威厳の侵害行為を行う団体を結成し、若しくはこれに加入し、又はこれを支援し密接な関係を有する者』
こんな感じで入管時の質問の時、「韓国の領事館前に慰安婦像がありますが、あなたはこれを支援しますか?」と確認するわけです。支援すると言う者は自動的に入国拒否。韓流アイドルだろうが、大学教授だろうが、問答無用です。過激ではありますが、日本が変わったと思わせることには成功するでしょう。
 
以上3つ案を上げました。中国と違って、日本は法治国家ですから、なかなか大きな手は打てませんね。
でも、「数年間の持久戦」などという、どう考えても成功しない方策よりはマシだと考えます。やるべきはその逆。できれば1年以内に、複数の反撃を同時に行い、韓国に「交渉が必要だ」と思わせることです。
パンドラの箱が開くまで、もう余り時間がありません。なんとか効果的な方法を、日本政府が選択することを期待しています。