囁かれるUMD廃止へ向かうPSP2

開発中の画面写真が流出したり、ようやく情報が出てきたPSP2。しかしまだ仕様は固まっていないらしく模索が続いてるようです。

ソニエリの「プレステ携帯電話」が登場?」
Engadgetの今回の記事によると、画面は「3.7〜4.1インチ」だという――写真はあるものの、実物はないため、推量が入っている。また、米Qualcomm社の1GHzプロセッサー、512MBのRAM、1GBのROMを搭載しているという。
このストレージ量からすると、ゲーム、写真、動画、書籍、アプリといったメディアの保存はあまり行なえない。おそらくmicroSDカードには対応するだろうが、メモリスティックやUMDは使えないだろう。ストレージ問題の1つの解決方法だ。
http://wiredvision.jp/news/201010/2010102819.html

性能は既報から大きく変わっていません。ただROMが1GBというのは、なかなか奮発した仕様です。では、Qualcomm社の1GHzのプロセッサ。これはどうなのか?
まず通常の携帯電話の構成から見ていきましょう。いらなくなった携帯を分解してみたらわかると思うのですが、CPUが2つ載っています。1つは電話機能を処理するベースプロセッサ。もう1つが、ソフトを処理するアプリケーションプロセッサです。実はカメラ性能の高いものは専用の処理CPUを積んでたりしますが、基本はこの2つです。
つまり携帯電話の大きな違いは、GPUが載ってないことです。その代わりにマルチスレッドもしくはマルチコアのアプリケーションプロセッサ1つで仕事をさせています。だから周波数の高いCPUが必要になるのですね。
まだ固まっていないPSP寄りの選択か、スマートフォン寄りの選択かは、おそらくGPUを載せるか載せないかという点も大きな問題となっていると思われます。
また携帯電話CPUは、完全にARM系が独占状態となっており、この流れから外れたCPUは、コスト面でマイナスとならざるを得ません。当然クアルコム社のCPUとなれば、これまでのMIPS系からARM系にラインを切り替えることになりますので、ソフトの互換性は皆無。1から移植作業が必要になる点も大きい問題です。
しかしたとえゲーム端末の継承を選択したとしても、UMD廃止は間違いないと言えるでしょう。もともと回転メディアは振動と駆動耐久性に難があるので、携帯端末に選択するのは困難です。ずーっと回転させてないといけない構造上、電力も食いますしね。そもそもUMDを使っているのは世界中でPSPただ1つだけ。容量も1.8GBから伸ばせず他のメディアに追いつかれているとあっては、選ぶ方が間違いです。
という事は、過去資産が使えないということでもあり、PSP2はまったく別のゲーム機として再出発することを余儀なくされます。PSPgoが残念な結果となった以上、厳しい選択が必要になるでしょう。