「韓国やばい! 誰か助けろ!」 警告を連発するIMF

IMF国際通貨基金)が韓国の年次協議報告書を発表しました。合わせて発表されるとされた韓国金融機関のストレステストの結果は、またもおあずけ。3月へ引き伸ばしのようです。

IMFが警告「韓国賃貸住宅の保証金は危険レベル」 

IMFの年次協議報告書は、加盟国の経済全般を毎年評価するものだ。IMFが韓国の賃貸保証金制度に警告を発したのは、保証金の額が2009年以降、約40%も上昇するなど、危険レベルに達したためとみられる。
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/02/11/2014021100948.html


これに限らず、IMFは警告を連発しております。

「韓国経済に下振れリスク、回復支える金融・財政政策を=IMF
国際通貨基金IMF)は22日、韓国経済は依然として下方リスクがあると指摘し、脆弱な経済回復を支える金融・財政政策を確立すべきだとの見解を示した。
韓国当局はウォンの過度な変動に対して為替介入を繰り返しているとみられており、IMFは介入における透明性の向上も促した。
http://www.asahi.com/international/reuters/CRWTYEA0M049.html

「やべぇよ」、「やべぇよ」と言われ続ける韓国経済。IMFは何を警戒しているのでしょうか?
 
■膨れ上がる国家債務
アメリカの量的緩和縮小によって、新興国から資金が引き上げられ、通貨危機が始まっているのはご存知の通り。あまりに周りが危なっかしいため、円が買われて、また円高に振り戻したりしています。
韓国もその影響を受けているのですが、IMFが注目するのは、通貨危機より前からあった韓国の国家債務です。これがIMFの監査が入ると、どういう訳か報道のたびにどんどん増えていったんですね。

「国の借金増加 予算の7.7%が借金の利子に=韓国」2013年09月24日
韓国の国の借金が約500兆ウォン(約46兆1000億円)に膨らみ、今年の国家債務は利子だけで20兆ウォンを突破、過去最高を記録したことが24日、分かった。
http://japanese.yonhapnews.co.kr/headline/2013/09/24/0200000000AJP20130924002700882.HTML

この債務額が、たった一ヶ月後に変わります。

「韓国、国の負債が1千兆ウォン…「手に負えない」(1)」2013年10月17日
国民も知らない間にいつのまにこれほど多くの負債ができたのだろうか。国の負債は中央政府 債務と地方政府債務、国家公企業負債、地方公企業負債を合算したもので、保証債務を除いた直接負債だけを集計する。この基準によると今年末の国の負債は 1053兆ウォンで、国内総生産(GDP)の80%に達する見通しだ。
http://japanese.joins.com/article/219/177219.html

増えすぎだろ。
しかも負債の計上の仕方について、IMFが基準を発表し、それによるとさらに負債が膨らむことが確定したのですね。

昨年国際通貨基金IMF)で「公共部門負債作成指針」を発表したことで韓国もこれに合わせ来年3月から国の負債の範囲を事実上大きく拡大しなければならない。
このようになると事実上国の負債を意味する公共部門の負債は昨年末基準で1500兆ウォンに達する。国の債務443兆1000億ウォ ンに政府が支給しなければならない軍人・公務員年金支給額を含めると中央政府の負債は902兆4000億ウォンに増える。ここに中央公共機関の負債493 兆4000億ウォン、地方政府の負債18兆ウォン、地方公共機関の52兆4000億ウォンをすべて合わせると1500兆ウォンに達すると推定されている。 ここには国民・私学年金が持っている充当負債はすぐに現実化しないという理由で含まれなかった。

だから、増えすぎだろ。
記事の通り、この新しい負債計上方法は、2014年3月、つまり来月から適用されます。今まで計上されていなかった206の公共機関の債務が計上されるのです。その結果、1500兆ウォン(約138兆円)というさらにとんでもない債務が表に出てくるのですね。すでに1000兆ウォンの段階で、国内総生産GDP)の80%に達してたのです。1500兆ウォンになったら100%超えは確実となり、限界値を迎えます。

がしかし、100%を超えても、即国家破産、いわゆる「デフォルト」にはなりません。「デフォルト」とは国債償還期限に、現金化できないことを指します。では2014年の国債償還額はどうなっているのでしょうか?
 
■過去最大の国債償還額が迫る韓国

「韓国の外貨建て債券 来年満期到来分は過去最大 」2013/08/07
来年満期を迎える韓国の外貨建て債券が298億ドル(2兆9000億円)と、今年より45%増え過去最大規模になる見通しだ。
来年の満期は上半期に集中し、月平均で33億ドルになると予想される。特に1月(43億ドル)と4月(44億ドル)、5月(42億ドル)が多い。これに対し下半期は月平均13億ドルにとどまりそうだ。
報告書は、借換債発行の負担が少ない今年下半期に発行需要が発生する可能性が高いと分析した。
http://japanese.yonhapnews.co.kr/headline/2013/08/07/0200000000AJP20130807000900882.HTML

1月末、4月末、そして5月末に、怒涛の償還期を迎えるのですね。
この時、資金がないと即デフォルトとなってしまいます。
とはいえ、実は日本も国内総生産GDP)に対して220%を超える国債があったりします。ですが、そこまで重大な問題と捉えられていない理由が、経済の安定にあります。要するに基盤の経済さえ問題なければ、早々デフォルトなんて起きません。
が、韓国の場合、ここにも問題があります。
 
サムスン減速が招く危機
韓国経済の2割を占める巨大企業サムスンの2013年10〜12月の営業利益が、前年比2割も下落したのは記憶に新しいところです。
サムスンが大減速したことも問題ですが、それ以外の企業の赤字をサムスンの業績が覆い隠しているのも大問題なのですね。

サムスン電子は「5000円スマホ」時代を生き残れるか 」2014年02月05日
昨年1〜9月期の韓国経済は、営業利益こそマイナスだったものの、売上高と輸出はプラスだった(売上高と営業利益は韓国の上場企業1733社を基準)。
ところが、ここからサムスン電子を除くと、風景は一変する。プラス2.7%だった輸出はマイナス3.6%となり、プラス1.1%だった売上高はマイナス0.3%に転落。営業利益のマイナス幅も3倍以上に拡大してしまう。
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20140204/382460/?ST=business&P=2

つまり基盤経済そのものが危機的状況ということです。
債務額の計上方法変更による、債務額の増加。国債の巨大償還。基盤経済の減速。
2014年は、韓国にとって、このトリプルパンチがやってくる危機的な年になるのです。IMFが警告を連発するわけですね。
  
IMFに逆ギレする韓国
そんな警告を発信するIMFに対して、韓国は激しい拒否反応を示しています。

新興国よりIMFの方が大きな危機だ」2014年02月03日 中央日報
米ワシントンDCのホワイトハウスと国会議事堂、国際通貨基金IMF)は団体訪問客の聖地巡礼コースだ。IMF本部ビル(HQ)は2棟だ。韓国人観光客もたいていHQ1より華やかなHQ2の前で笑って写真を撮る。しかしガラスで華麗に美しく飾られたこの建物には涙ぐましいエピソードがある。2002年に建てられたHQ2はアジア通貨危機当時の高金利での荒稼ぎで建てたものだ。ソウル大学のユン・テク教授は「韓国人の血と涙が染みついた建物だ」と話す。
IMFは経済危機を食い物にする組織だ。1980〜90年代には68件の救済金融で大きな利益を得た。むしろ“ゴルディロックス”だった2002〜2007年が暗黒期だった。だれも救済金融を申し込まず利子収入の枯渇で指をしゃぶるばかりだった。
http://japanese.joins.com/article/298/181298.html?servcode=100§code=120

IMFを「グローバル高金利金融業者」とまで言ってしまう中央日報。昔はIMFおかげで助かったと言っていたのに、酷い言われようです。
まぁIMFは融資を行うかわりに、規制緩和財閥解体など、強烈な財政構造の変革を求めてきます。影響は当然一般市民にも及び、平均年収は一時的にドーンと下落する傾向があります。
このまま行けば、韓国は再びIMFの管理下に置かれる可能性がありますので、拒絶したくなるのでしょう。
もっとも、IMFも自分で管理する前に、なんとかしろと思うから、警告を連発しているのです。要するに誰かが資金を韓国に注入するのですね。
 
■結局、誰が韓国を助けるの?
韓国を助けられるのは、実のところアメリカか、中国か、日本しかいません。アメリカは量的緩和をやっと縮小し、健全な財務体制に変換する真っ最中ですし、中国は己の経済環境に影が差していて、難しい舵取りの最中です。
ま、要するに日本しかいないんです。韓国を助けられるのは日本だけだと、アメリカも中国も、EUIMFもみんなわかってるんですね。
「韓国がデフォルトしたって、日本はいーじゃん」と思う人もいるかもしれませんが、ベトナムやマレーシア、シンガポールなども韓国の債権が大量に入ってますから、東南アジア各国はただじゃ済みません。韓国だけならともかく、それらの国が倒れそうになったら日本も困るのは、間違いないところですし、これがわからない人というのはいないと思います。
韓国が、通貨スワップ協定で、日本が必ず結んでくると確信していたのも、こうした背景があるからですね。
 

「日本、ASEAN諸国との通貨スワップ協定拡大へ 」2013年12月07日
日本政府のある高官はウォール・ストリート・ジャーナルに対し、13〜15日に開催される日本とASEAN東南アジア諸国連合)の特別首脳会議で、インドネシアおよびフィリピンとの通貨スワップ協定をほぼ倍に増強する計画を発表すると明かした。従来の通貨スワップ枠はインドネシアが120億ドル、フィリピンが60億ドルだ。
この高官はまた、タイ、シンガポール、マレーシアと通貨スワップ協定の復活を計画しているが、規模をめぐり協議がまだ続いていると話した。これら5カ国との通貨スワップ協定はいずれも二国間の枠組みで、中国や韓国を含む多国間ネットワーク「チェンマイ・イニシアチブ」とは切り離す。
http://jp.wsj.com/article/SB10001424052702304906204579242982746403334.html?dsk=y

「じゃ、韓国に影響受ける国は助ければいいんじゃね?」って、やってしまったわけですが。
その発想はなかった、って韓国以外の先進各国が思ってると思いますけども。一国を助けるのと、同時多発の国を助けるのとでは、当然手間も金も段違いに変わります。引き金になる韓国を助ける方が楽に決まってるんですよ。
かつて1997年に、韓国を手放しで支援して、韓国が当然支援してくれるだろうと勘違いする土壌を作ったのは、時の自民党政権(橋本内閣)ですからね。「話が違う!」と思ってる国は多いと思いますよ。それともこれからウルトラCで資金注入を行うのでしょうか?
今年の各国と日本との駆け引きに注目です。