安倍政権をどう評価するか 合言葉は「ほどほど自民」

衆院選が近づいてきました。アベノミクスを謳い景気回復が期待されたのですが、消費税導入で景気は逆回転。12月8日に発表された景気判断は、まさかのマイナス成長となっています。

とはいえ選挙は景気のみにあらず。どう判断をしたらいいのかを考えてみたいと思います。

 

■消費税増税は、やはりマイナスだった

過去の消費税増税の効果を見るだけでも、そのインパクトの大きさは予想できたはずなので、「ヤバいと言われていた消費税増税をしたら、やっぱりヤバかった」というのは、批判を受けてしかるべきと思います。

財務省の諮問機関が問題ないと答申したから導入したとはいえ、あそこは未だに「税率10%導入すべし」と叫んでるくらいですから、やはり財務省の言うことは、「はい、はい」と聞いてはいけないということでしょう。

しかし不思議な話です。このタイミングで「財政赤字解消」を旗印に消費税を増税する意味があったんでしょうか? アベノミクスが景気回復を謳うなら、まず財政赤字解消は後回しになると思うのですが。ハゲタカファンドが、日本の国債を攻撃する予兆を掴んだとか、そういうことでもあったんですかね?

とにかく、景気を後退させた責任は取らねばならんでしょう。

 

■外交はひとまず評価

外の状況に目を転じますと、日本の周辺は非常に厳しい情勢が広がっています。中国の領域拡大基調、ロシアのウクライナ進出、韓国の中国傾斜。まるで第1次大戦前のような大混乱です。

それでも余り角を立てずに、うまく立ち回ることには成功したんじゃないでしょうか。まぁ韓国、中国とは関係改善しませんでしたけど、話もできない状況では外交手腕もへったくれもないのも確かです。

 

■阿部内閣をどう判断するか

総合的に見て、阿部内閣に信任を与えるのは問題なさそうです。しかし大勝はダメですね。自民党単独過半数なんてとんでもない。「勝つには勝ったが、全面的な信任は得られなかった」というのが理想だと思います。

 

自民党に限った話ではありませんが、どんな党も勝ちすぎると碌なことをしません。

「納税額に2億円の上限を検討へ」2014年03月17日

http://media.yucasee.jp/posts/index/13992

「携帯電話への課税、自民党の議員が検討へ 利用者からは反発の声」2014年06月19日

http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1406/19/news072.html

今年は本当にびっくりするような施策案が連発しました。しかも自民党過半数を取っているおかげで、危なく成立しそうになることもシバシバ。

そして思い出すのは、政治と金の問題。

 

「小渕氏後援会幹部を任意聴取 特捜部、観劇会の会費確認か」

http://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/126995

特捜部まで出てきちゃって、もう。自民党から民主党政権交代した背景には、連発した政治と金の問題に対する国民の失望もあったと思うのですが、全く自民党は変わっていません。

手放しで信任を与えるのは、失点が多すぎるでしょう。

 

■では対抗に選ぶのはどこ?

まず、民主党に入れるには、外交路線の継続性を考えても無理でしょう。

入れるとすれば、それ以外の野党になると思います。ただ、個人的に石原慎太郎氏は、あまり信用していません。都知事時代に都政と関係ない尖閣諸島に手を出したのは、実に余計なことだったと思います。竹島と違ってあそこは実効支配しているわけで、中国に韓国と連携させるネタを与えたのは、失策だったと思いますね。同じ意味で、今の都知事である舛添氏も実に迷惑を連発しています。

共産党は劇薬なのですが、全国津々浦々候補を出しているのは共産党だけなので、自民党候補に相乗りで他に候補がいない場合は、次善の策として選ぶしかない場合もあるかもしれません。

20代や30代前半の人、そして50代以上は自民党を選ぶと思うので、30代後半から40代の人は、適度に野党に投票して、自民を勝たせ過ぎない工夫が必要だと思います。

合言葉は、「ほどほど自民」。いかがでしょうか?