「ソシャゲ」の未来 コンプガチャ規制開始 警察の介入をかわせるのか

7月1日、ついにコンプガチャ規制が始まりました。それに先立って、6月22日には、ソーシャルゲーム各社は「ゲーム内表示等に関するガイドライン」を公開しています。詳しく見てみましょう。

1. ゲーム内表示等に関するガイドライン
第4条(表示すべき事項)
2 有料ガチャにおいては、以下の各号のいずれかに示す事項を利用者が容易に認識できる場所または方法により表示することが望ましい。
(1) 特定のアイテム区分に含まれる有料ガチャアイテム1個ごとの提供割合の上限と下限を表示する方法。
(2) 特定の有料ガチャに含まれる有料ガチャアイテムのアイテム区分に応じて、その提供割合が分かるような表示をする方法。
(3) (1)及び(2)に定める以外の事項の表示により、(1)及び(2)と同程度以上の透明性を確保しうることが明らかな場合は、これらの事項を表示する方法。
 
2. リアルマネートレード対策ガイドライン
(2) 匿名トレード方式
(3) アイテム・トレーサビリティ・システム
ソーシャルゲーム等で使用されるアイテムにIDを付与してリアルマネートレードの疑いのあるトレード履歴の調査を効率的に行えるようにする仕組み
(4) リアルマネートレード実行者の行動分析
(5) BOT 及びチートツールの検知システム
(6) ユーザー認証を強化するシステム
 
3. コンプリートガチャ等に関する事例集
3 いわゆるコンプガチャ等の方法
以下に掲げる各事例については、コンプガチャにあたると考えられる。
(2) 事例2(典型的なコンプガチャに加えてイベント参加を介在させる方法)
コンプガチャに該当すると考えられる理由】
イベント等を介在させたとしても、事例1と実質的には同様と考えられるため。

(3) 事例3(揃えるべきアイテム等をパターンで特定する方法(いわゆるビンゴガチャ等))
(4) 事例4(パラメーターの上昇等のメリットを提供する方法)

(5) 事例5(合成等により元のアイテムが消滅する方法)

http://www.gree.co.jp/news/press/2012/0622_01.html

まず1番の表示すべき事項では、アイテムの個数と割合表示を明記しました。この点は今までどうなるのか、はっきりしたスタンスを示していなかっただけに大きな変更です。
次に2番では、ID付与を義務付けました。開発費高騰を警戒して、今まで放ったらかしでしたが、この点も大きな変更と言えるでしょう。
そして3番目。ようやく何がコンプガチャに当たるのか業界側の立場が明らかになりました。特に注目する点は、これまで通常のコンプガチャの後釜になるであろう、事例2の「イベント戦リンク」、事例4の「パラメータ上昇」、事例5の「アイテム合成」が、「コンプガチャに該当する」としたことです。様々な形態によって変わってくるでしょうが、大きな変更ですね。特に「パラメータ上昇」は、グリーが5月のコンプガチャ廃止宣言後に導入したシステムですので、これをコンプガチャ類似系と認めたのは意外でした。
ここまでやったら、さすがに業績に影響があるように感じます。最新のグリー田中社長のインタビューが出ましたので、見てみましょう。
 

「交流ゲーム指針「利用者に安心感」 グリー・田中良和社長」2012年6月23日
――指針が業績に与える影響はないか。
 「2012年6月期の業績予測の売上高(1600億〜1700億円)を修正するほどの影響は出ないとみている」
http://s.nikkei.com/OTVdgR

なんと影響ないそうです。ただ6月期というのは、4〜6月ですから、本当の影響はまだこれからでしょうけど。
 
■誰がガイドラインの実現を証明するのか
こうした非常に踏み込んだ形となったガイドライン。問題はこれが有名無実かしないかどうかということです。今現在、まだ「ソシャゲ」各社はガイドラインを示しただけで、どのようにガイドライン実行を徹底するのか示しておりません。
いわゆるテレビゲームの業界では、CEROコンピュータエンターテインメントレーティング機構)が、ゲームを審査し、レーティング付けを行っています。そして、店頭販売が主だったおかげで、年齢制限への対応は、レジ担当者による対面販売で行って来ました。基本的にオンラインで全てが終わってしまうソーシャルゲームでは、この辺りに致命的な問題を抱えているわけです。今度作られると言う「ソーシャルゲーム利用環境整備協議会(仮称)」で、どのような解決策を提示できるのか、注目です。

ソーシャルゲーム利用環境整備協議会(仮称)設立に向けた準備委員会発足について」

新団体の活動内容については、今後準備委員会での審議を経た上で決定されますが、当面、以下の活動を予定しており、ソーシャルゲーム利用環境の向上に貢献する活動を行ってまいる所存です。
・関連する法令情報の共有、ガイドライン等の策定・改訂、ガイドライン遵守状況の確認手法の開発
・アイテムの提供割合の表示等、利用者の自主的かつ合理的な選択に資する手法の検討
・利用料金の通知・上限設定等、高額利用問題への対応策の検討
・お客様向け相談窓口の整備
・青少年に対する情報モラル啓発活動等の実施
リアルマネートレード対策の検討
・その他、ソーシャルゲームの利用環境全般の向上に向けた提言
http://www.gree.co.jp/news/press/2012/0622_02.html

 
■確率操作が解析でバレて大騒ぎに

「「ガチャの確率操作やサクラを使うのは当たり前」 開発者が運営は相当エグいことをしてるとタレコミ」2012年5月24日
皆が聞きたいのはソーシャルゲームの確率の操作だろう。そのことを突っ込んで聞いてみたところ、次のような回答を頂いた。「ソーシャルゲーはユーザーに表示されないパラメータは24時間調整され続けている。カードの基本攻撃力とか客に見えるパラメータは変えない。ミッションの成功確率とか、ミッション中のカード出現率、ミッション成功時のお金の取得量、ボスの強さ、特殊スキルの効果、お宝アイテムの出現率とか流通数、無料ガチャのカード種類や出現確率とかは変えまくります。いわゆる確率的なものは裏で操作している。」
http://getnews.jp/archives/218819

内部告発で「確率操作なんか、当然やってるよ」と記事になったりはしてましたが、確率操作の真実はグレーのままでした。
しかし5月29日、至上最短で上場の決まったKLab社のソーシャルゲームキャプテン翼〜つくろうドリームチーム〜」で、通信が解析されてしまい、衝撃の事実が明らかになったのです。

250 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/05/26(土) 12:52:16.94 id:XIfVuTHx [1/11]
テンプレ化してもいいぜ

通信解析をしてみたら面白い結果でたので書いておくわ

重課金垢(月5万〜)
微課金垢(総額1万程)
無課金垢の比較

重課金は課金ガチャも無料ガチャも最近サッパリ新カードが出ず。それどころか中学オンパレ。
微課金でCMガチャ回したところ先行スター出まくり。
以下解析結果
重課金
gacha_1st_status":127,"
gacha_2nd_status":100,"
gacha_3rd_status":40,"
微課金
gacha_1st_status":127,"
gacha_2nd_status":127,"
gacha_3rd_status":127,"
無課金
gacha_1st_status":127,"
gacha_2nd_status":127,"
gacha_3rd_status":127,"

察するに中学、世界、最新での出現比率か?
課金額調整はガチだね
 

281 名前:250[sage] 投稿日:2012/05/26(土) 13:52:18.41 id:XIfVuTHx [4/10]
新垢作ってやってみた

↓ソースな
ドットうp
3022909.txt

いやはや素敵な数値だこと

300 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/05/26(土) 14:05:58.61 ID:80JPUgzQ [6/18]
,"gacha_1st_status":186,
"gacha_2nd_status":129,
"gacha_3rd_status":198,"

くっそワロタ
新規だと数値高くなるのな
糞lab死ねや

http://d.hatena.ne.jp/nuryouguda/20120529/1338297384

つまり初心者には、カードが当たりやすく、上級者になるほど当たりにくいパラメータに設定されていたのですね。この結果、掲示板は大荒れに。運営は殺到する質問に、即座に反論しました。

このデータは、ゲーム開始時に全てのお客様がまわす、無料のガチャで取得できる3枚の選手カードデータとして使用していた数値です。
なお、こちらの数値につきましては、現在アプリ内では使用しておりません。また、この数値は127以上の数値を全て127として保存する不具合があり、お客様が新規でプレイした直後は、127以上の数値となっている場合がございます。
この数値につきましては、ゲームをプレイする際に関係のない箇所であるため、お客様への影響はございません。

新規IDかそうでないかで、違う数値を返していることが解析されてバレてしまっていますから、「数値を使ってないよ」と答えるしかありません。が、苦しい言い訳です。名前が「ガチャステータス」という、そのまんまな名前の情報ですし、なんで使ってない数値を、今でもIDに応じて返してるんだよ、という当然の疑問がわいてしまいます。それに無駄パケットを増やしてるという意味でも、批判は免れない話です。
以前書いたことがありますが、最初に勝たせ、入れ込んできたら巻き上げるというのは、イカサマ博打の常套手段です。警察が注目するのも当然と言えるでしょう。残念ながら、ソーシャルゲームの現状は、未だ論外の段階だと言わざるを得ません。
警察の介入がある前に、改善できるのか。ソーシャルゲームの未来には、確率操作の是非も大きく関わってくるでしょう。