違法ダウンロード者が、参考人として事情聴取

ドラゴンクエスト9の違法コピーデータを流通させたとして、2人の容疑者が逮捕されました。

この記事の中で、本来アップロード者だけが違法として逮捕されるはずなのですが、違法ソフトをダウンロードしてマジコンで遊んだ人間も参考人として事情聴取されたようです。

県警は8月下旬までに2人の家や関係先などを家宅捜索。2人の流したデータをダウンロードしていた千葉市内の利用者も参考人として任意で事情聴取した。
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20090930/dms0909301558012-n2.htm

実は2010年1月以降には、改正著作権法によりダウンロード行為も違法となるのですが、現在の法執行前になぜ事情聴取されたのでしょうか?
その仕組みが以下の記事にありました。

「『ドラクエIX』の違法アップでふたりを逮捕、ダウンロードした人も犯罪者に?」
“Share”はダウンロードしたファイルをそのままアップロードする機能を持つことから、ダウンロード行為者はアップロード行為者にもなる。つまり、“Share”を使用して海賊版ソフトをダウンロードすると、海賊版ソフトをアップロードしたことにもなり、犯罪者となる可能性がある。
http://www.famitsu.com/game/news/1228032_1124.html

ファイル交換ソフトで主に使用されている「Share」というソフトには、「拡散アップロード機能」というものがあります。これはダウンロードしたファイルをキャッシュに変換して、再度ネットワークにアップロードする機能です。つまりダウンロード者が、無差別にアップロード者になることによって、1次ダウンロード者の匿名性を高めつつ、ダウンロードの負荷分散を行う機能なんですね。
本来、意図しないアップロード行為を取り締まるのは現実的ではありません。ウイルス感染したパソコンを放置しているからといって、逮捕しても抑止効果が薄いからです。自分のパソコンがウイルスに感染していることを、全く知らない使用者もたくさんいますしね。
しかし今回の逮捕のように、1次アップロード者を逮捕することにより、そこにアクセスしてソフトを違法にダウンロードした人間がわかれば、「拡散アップロード」機能が逆にダウンロード者の首を絞める結果となるわけです。

さらに2010年1月のダウンロード違法化は、ダウンロード者の警察の捜査を合法にします。本来罰金が無いはずのダウンロード違法化なのですが、アップロード行為を同時に行って、被害を拡大させた共犯としての側面を持ったとき、懲役2年、罰金900万円というとんでもない重罪に早代わりしてしまいます。
ダウンロード行為が認定された暁には、著作権法違反の壁も乗り越えてしまうでしょう。

2010年1月以降、これまで気軽に違法ダウンロードをしてきた方には、厳しい結果が待っているかもしれません。